要約

  • RIPE-705政策は、RIPE NCCにabuse-mailbox属性を最低でも年に一度検証することを義務付ける。実装は2018年に始まり、2019年10月10日に完了した 源1 源2。
  • 検証は到達可能性の技術確認にすぎない。RIPE NCC自身が「受信したabuse報告に対して事業者が何をするかについて、私たちに発言権はない」と明言している 源3。
  • 初回検証(2019年)では77,168件のうち93%が自動検証を通過した 源5。
  • 定常状態では毎週約2,000件が検証され、6〜8%が不合格になる 源6。
  • 年間報告書の統計(2023年:84,868件、2024年:83,509件、2025年:86,959件)はメールボックスの量を測るが、苦情の帰結を測る指標は一つも含まれていない 源7 源8 源10。

義務の由来

abuse-c属性は、RIPE Databaseに登録されたIPアドレスやAS番号への第三者苦情の宛先として機能する。RIPE-705は2018年6月1日に発効し、RIPE NCCに検証の義務を課した 源1。政策提案2017-02は同年6月1日に最終合意に達し、2019年10月10日に完全実装された 源2。

方法の正確な輪郭

検証ツールはメールアドレスの書式、DNS設定、偽の宛先( honeypot)の有無を確認し、メールサーバーへのpingでメールボックスが存在し受信可能であることを確かめる。このツールはメールを送信せず、受信側の行動を要求しない 源3。

初回スイープ(2019年)

2019年2月から10月にかけて、約77,200件のabuse-mailbox属性のうち77,168件が検証された。71,711件(93%)が合格し、5,457件(7%)が不合格。約8,000件が更新され、初回検証には3名の臨時職員が数ヶ月間従事し、チケットの20〜25%が人手での対応を必要とした 源5。 中間報告(2019年5月、RIPE Labs)は約67,000件の検査と約9,500件の更新を記録した 源4。

定常状態の運用

RIPE 87(2023年11月)の報告によれば、年間検証はLIR組織オブジェクト約19,600件、LIRリソースオブジェクト約58,100件、独立リソース(PI・ASN)約15,400件に及ぶ。毎週約2,000件が検証され、6〜8%が不合格になる。リソースオブジェクトの無効なabuse-cは動作するLIRのabuse-cに置き換えられ、LIR自身の無効なabuse-cは調査を経て最終的に会員資格の終了に至り得るとされる 源6。

年間報告書の数字が測るもの

  • 2023年:84,868件検証(自動84,219件、手動649件)、2,503件の検証調査、149,228件のabuse-c役割オブジェクト作成・更新 源7
  • 2024年:83,509件検証(自動82,658件、手動851件)、2,366件の検証調査、2,445件のAssisted Registry Checks、5,500件の是正 源8 文書ページ
  • 2025年:86,959件検証(手動899件)、2,320件の検証調査、2,825件のAssisted Registry Checks(目標2,400件) 源10 PDFミラー

これらの数字は一貫して、メールボックスの到達可能性という「入力」を測定している。どの報告書にも、第三者からの苦情が実際に何を引き起こしたかを測る指標は含まれていない。この非対称が、検証キャンペーンを統治上の説明責任機器ではなく、コンプライアンスの提示装置として位置づけている。