要約

  • RFC 2000は、仕様が標準化過程のどこにあるかという成熟度と、適用対象のシステムにどの程度実装を求めるかという要件レベルを、独立した二つの判断として記録した。
  • 掲載、成熟度、Requiredという語はいずれも日付と適用範囲を持つ制度上の証拠であり、導入、相互運用、トラフィック、調達権限、現在の有効性を単独では証明しない。Historicも稼働中の実装が消えたことを意味しない。

RFC 2000は1997年2月、STD 1としてRFC 1920以前の一覧を置き換えた。本文はこの種の一覧をおおむね四半期ごとに発行すると説明し、「1997年6月16日以降はこの版を使用しない」よう求めた。6月にはRFC 2200が後継となり、次の期限を10月15日に設定した。更新されること自体が設計だった。

だから、一行の意味は「その時点で公式にはどう分類されたか」にとどまる。実装台数を数えた結果ではない。RFC 2000自身、IESGの承認を受けずに広く実装されたベンダープロトコルがあると認めている。制度上の位置と現場での採用は別々に動き得た。

分類の中心は一本の序列ではない。STATEはStandard、Draft Standard、Proposed Standard、Experimental、Informational、Historicからなり、仕様の成熟度を示す。STATUSはRequired、Recommended、Elective、Limited Use、Not Recommendedからなり、適用性の強さを示す。紙面のマトリクスに置かれた印は典型的な組合せの概算であり、市場占有率やトラフィック量ではない。

成熟度の軸には固有の証拠がある。StandardはIESGが公式Internet Standardとし、STD番号を与えたことを表す。RFC 2026のDraft Standardには、異なるコードベースによる少なくとも二つの独立かつ相互運用可能な実装と、十分に成功した運用経験が必要だった。それでも大規模な本番運用で予期しない挙動が出る余地は残る。Proposed Standardは、通常、実装や運用経験を前提にしない。審査され、比較的安定した候補であることと、複数製品が現場で一致して動くことは同じではない。

標準化過程外の三分類も、現場を直接測らない。Experimentalは研究開発の記録であり、RFC 2000は一覧への掲載を標準化の証拠ではなく共同体への便宜だと明記した。Informationalには他の標準化団体やベンダーの文書も入る。Historicは後続仕様に置き換えられた、または関心を失ったため標準になる見込みが低い、という文書上の判断である。資産台帳を照会して全装置の停止を確認した結果ではない。

もう一方の軸は、適用範囲の中での実装期待を扱う。RFC 2000はRequiredを「システムは実装しなければならない」と短く書く一方、ホスト、ゲートウェイ、ルーターなどは多様で、一語では全状況を表せないと警告した。RFC 2026では、Applicability Statementが指定する範囲で最小適合を得るために必要、という条件が付く。Recommendedは最小適合の必須条件ではない。Electiveは一般的な義務を生まないが、選択して実装するなら仕様に従う。Limited UseとNot Recommendedも一般利用を狭めるが、残存実装数までは示さない。

RFC 2000は制御の違いも明示した。標準化トラックを進めるのはSTATEの変更で、STATUSはいつでも再検討できる。成熟した仕様が全システムの必須要件になるとは限らず、限定領域の重要仕様が普遍要件になるとも限らない。二列を一つの「標準度」に潰すと、判断主体と適用域が失われる。

一覧内には更新時刻のずれも見える。第1節はRFC 1602を標準化手続の決定版と呼ぶ一方、「新しいRFC」には、1996年10月にRFC 1602を廃止したRFC 2026を載せている。理由を推測することはできないが、一つの発行日が編集物の全段落を同時刻にしないことは分かる。

その後、制度も媒体も変わった。RFC 6410は2011年に三段階をProposed StandardとInternet Standardの二段階へまとめ、上位段階には独立実装、相互運用、広範な導入、成功した運用経験を求めた。RFC 7100は2013年、周期的なSTD 1一覧が更新されず、利用がオンライン一覧へ移ったとして退役させた。

現在のRFC 2000は、1997年の一時点における公式分類と二種類の判断を読む史料である。実際の導入、適合、相互運用、現存性を主張するなら、実装記録、試験、観測、調達範囲、現行の状態情報を別に接続しなければならない。

出典:RFC 2000、RFC Editor記録、RFC 1920、RFC 2026、RFC 2200、RFC 6410、RFC 7100。