Summary

  • NTT WEST は9月14日、愛知県岡崎市の一部地域へのサービス拡大を発表した。受付開始は9月18日、提供開始は10月9日の予定で、市内全域の開通を意味しない。
  • 同じ光回線を使っても、アクセス、インターネット接続、テレビ視聴の契約は一つとは限らない。一部のコラボ光で利用できることも、すべての販売事業者で同じ条件になることを意味しない。

光回線の提供地域が広がると、地図上には一つの変化として現れる。しかし、利用者が受け取るサービスは一枚の契約書だけで完結するとは限らない。NTT WEST の9月14日発表は、岡崎市の一部で光アクセス、IP電話、テレビ関連サービスを拡大する計画を示した。商業上の焦点は、回線の先で誰が何を提供するかにある。

受付と提供開始を分けて読む

発表に記された日程は、9月18日の申込受付と10月9日のサービス提供開始で、いずれも予定である。9月15日時点の本稿では、すでに提供が始まったとは扱わない。対象は岡崎市の一部であり、提供地域内でも利用できない場合があるとの注意も付く。

対象には「フレッツ 光クロス」「フレッツ 光ネクスト」、IP電話、テレビの伝送・視聴に関するサービスが含まれる。ただし、直接提供される光アクセスでインターネットを使うには、対応プロバイダーとの契約と料金が別途必要だ。回線の提供可能性は、それだけでインターネット契約が完成したことにはならない。

テレビまで届く契約の分担

「フレッツ・テレビ」には、NTT WEST の伝送サービスと、SKY Perfect JSAT のテレビ視聴サービスという二つの契約が必要になる。公式の提供条件でもこの分担は明記されている。さらに、対応するアクセスサービスや受信機器などの条件がある。

有料のBS・CS放送は別の契約、料金、対応機器を要する。発表は、対象のオプションサービスの基本料や選択した専門チャンネルの視聴料を SKY Perfect JSAT が請求すると説明している。物理的には同じ光を使えても、販売と請求の関係まで一つになるわけではない。本稿の資料から、家庭ごとの総支払額や節約額を算出することはできない。

集合住宅についても二者択一ではない。通常の個人向け提供にはマンションタイプなどの制限がある一方、別に建物一括契約プランが設けられ、オーナーなどによる所定の回線・伝送・視聴契約と料金が必要になる。前者の制限を理由に「集合住宅はすべて不可」とするのも、後者を理由に「全戸が自動的に利用可能」とするのも誤りだ。

回線を共用しても、小売の窓口は変わる

発表は一部の「コラボ光」でもテレビ関連サービスを利用できるとする。光コラボレーションモデルの説明によれば、事業者は NTT WEST から光回線を借り受け、自社サービスと組み合わせて提供する。コラボ光の契約先はその事業者であり、プロバイダーが含まれるかも提供内容によって異なる。

この仕組みは、販売事業者がそれぞれ並行した加入者回線を建設しなくても商品を組み立てられる理由になる。ただし、岡崎で実際に何社がどの条件で販売するか、競争が料金にどう影響するかは別途確認が必要だ。今回の発表はその成果を測定したものではない。