要約
Ofgemは、BSCの規則案とGDPR上の根拠だけではElexonに保管庫の設置・運営権限を与えられないとして、P494を差し戻した。
意見募集では当局の事前承認と初期範囲の限定が提案され、検針データの格納と個人データへの第三者アクセスには異なる同意条件が置かれている。
電力の精算システムは、まず市場の計算に使う検針値を受け取る。そのデータを別のサービスでも利用するなら、先に問われるのはプライバシー保護の方法だけではない。誰に、そのサービスを運営する法的権限があるのかという点だ。Ofgemは9月14日、Smart Data Repository(SDR)案をめぐりこの問題を提起し、BSC改定案P494を差し戻すとともに、免許条件の変更案を公表した。
当局は、提出された最終改定報告書だけではP494への判断を形成できないとした。Elexonの案は、精算業務で扱う電力データを保管し、第三者にも利用可能にする仕組みを設けるものだ。Elexonは英国GDPRの公共の任務を主な処理根拠とし、一部に正当な利益を挙げていた。Ofgemは、個人データを処理できる法的根拠と、保管庫そのものを設置・運営する権限を切り分ける。前者だけでは後者を与えられないという説明だ。
その理由は、Balancing and Settlement Code(BSC)の範囲を定める電力系統運用者(ESO)の免許にある。Ofgemによれば、現行条件にはSDRが想定されておらず、BSCの改定だけで免許が許していない業務を適法にすることはできない。提案中のCondition E1は、長期的な制度が整うまで、BSCを通じてElexonが保管庫を設置・運営できるようにする。これは法定意見募集にかけられた案であり、すでに与えられた許可ではない。
提案は初期のデータ範囲にも線を引く。承認されたSDRは少なくとも1年間、Elexonが英国の電力精算業務で受け取る消費データと、当局が認めた関連データに限られる。Elexonが新設または大幅拡張するには、当局の事前の書面承認が必要になる。Ofgemは将来の拡張を案件ごとに検討し、Digitalisation Boardと当局の判断を経て、免許とコードを変更する案を示した。拡張は稼働後の自動的な結果ではなく、改めて許可を要する決定となる。
運営にも義務を設ける方向だ。差別のないアクセスと料金、適切なプライバシー・セキュリティ、独立監査、透明な報告が候補に含まれる。これらをElexonに将来付与するCode Manager免許に置くのか、別の個別免許に置くのかも意見募集の対象だ。詳細ルール、運用マニュアル、アクセス制御、事故対応は未完成であり、9月の資料から実運用中のSDRで安全策が試されたとは言えない。
消費者同意は、Elexonに運営権を与える話とは別段階にある。電力供給免許のCondition 47案は、家庭や小規模事業者の30分ごとの検針値をSDRへ送るため、供給会社が同意を求め、取得し、記録する手続きを提案する。通知によれば、同意が得られた場合、または依頼から7日以内に顧客が異議を述べなかった場合にデータを格納できる。これは格納手順だ。MPAN単位で個人を特定できるデータへの第三者アクセスには、別途、RECCoのConsumer Consent Solution(CCS)を通じた明示的かつ十分な情報に基づく同意が必要だとOfgemは説明する。集計データは別に扱われる。格納への同意を、第三者が個別の世帯の記録を閲覧する許可と混同してはならない。
Ofgemの同日文書間には、法的根拠の表現にも未解決の差がある。P494の差し戻し書簡は、免許条件にある法定義務を履行するための処理として改定案に反映し、英国GDPR上はPublic TaskではなくLegal Obligationが適切と述べた。一方、法定相談の4.21段落は、免許とBSCの改定を通じた保管・保持をLegal Obligation and Public Taskに基づく案として説明している。免許上の根拠が必要という点は共通するが、最終的な法的ラベルは一致していない。改定後の文書が当局の整理を示すことになる。
日程も条件付きだ。Ofgemは2026年12月15日までに、P494の改定報告と法的文面、詳細ルール、運用マニュアル、関連ガイダンス、意見募集用のデータ保護影響評価を受け取る見込みだという。意見と内部審査を踏まえ、免許変更は2027年初めを想定し、採択されても決定公表から少なくとも56日後の発効となる。Elexonの案では、非個人情報のSVAデータを先行させ、CCSの稼働後にMPAN単位の個人データを扱うが、これは確定した実施日程ではない。
ガバナンス上の問いは、参加者の数ではなく権限の所在にある。供給会社、消費者団体、データ利用者の意見は制度設計の証拠や異議になり得るが、それだけでElexonの権限にはならない。決定を拘束するのは、法令、免許条件、当局承認、BSC手続き、そしてアクセスに必要な同意だ。Ofgemは精算データを広く使うサービスへ変える前に、誰が何を許可できるかを明記しようとしている。
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