要約
- Ofcomは11月25日から8週間、透明性通知の設計に関する影響評価を公開協議にかける。同時に、分類対象サービスの提供者へ個別の通知案を送り、記載情報・様式・公表時期について意見を受ける。双方の締切は1月20日だ。
- 法律上の決定権はOfcomにある。最終的な質問が、利用者への影響と各サービスの違いを読み取れるものになるかが、この制度の実力を示す。
数字の前に、設問がある
「削除した投稿の数」を聞けば、削除件数が返る。「削除前に見た利用者の規模」を聞けば、別の記録と推計が必要になる。集計期間や分母を尋ねなければ、立派なグラフもただの飾りだ。透明性報告で最初に動く権力は、表を埋める手ではない。表の見出しを決める手である。
Ofcomの10月の業界向け告知は、11月25日から並行する二つの8週間の手続きを予告した。一般に開くのは、透明性通知をつくる方法の影響評価に対する協議。もう一方では、分類された各サービスの提供者に通知案を送り、何を公開させるか、どの様式を使うか、いつ公開するかについて意見を求める。いずれも1月20日で終わる予定だ。
同じ「意見を聞く」でも、手元の紙が違う。市民が読むのは設計への提案、事業者が読むのは自分のサービスに向けられた設問案だ。事業者が修正を命じられるわけではない。Ofcomが最終判断を下す。それでも、個別の設問に理由を付けて異議を述べられる位置は、完成した報告書へ後から感想を送る位置と違う。
法律は通知を主役にした
Online Safety Act 2023の第77条は、カテゴリー1、2A、2Bのサービスの提供者へ、Ofcomが年に一度、透明性報告を求める通知を出すよう定める。同じ提供者が複数の対象サービスを持つなら、サービスごとに通知が要る。通知には、報告すべき情報、形式、Ofcomへの提出期限、公表方法と期限を記す。提供者は重要な点で完全かつ正確な情報を出さなければならない。
問える内容にも境界がある。カテゴリー1と2Bでは利用者間サービスに関する情報、2Aでは検索エンジンに関する情報が中心となり、複合サービスには別の組合せ規則がある。Ofcomの分類サービス登録簿が、その追加義務の対象を示す。「将来カテゴリー1になりそうなサービス」の別リストだけでは追加義務は生じない。
Ofcomの最終版ガイダンスを読むと、通知案から正式通知への道筋が見える。事業者は指標、報告様式、必要ならひな型、作成期間について書面で意見を述べられる。Ofcomはそれを検討し、最終要件を決める。正式通知の発行後には、求めた情報の概要を一般向けに示す予定だ。その後に各サービスの報告と、傾向や好事例をまとめるOfcom自身の報告が続く。
つまり、最初の公的記録として注目すべきなのは「報告書ができた」というニュースだけではない。何を尋ねることにしたのか、その前段の決定だ。聞かなかった数字を、あとから報告書の余白に探しても出てこない。
市民の声と、事業者の赤鉛筆
一般の側にも参加経路はある。Ofcomは先に公開の意見募集で、市民団体や研究者、一般の人に何を公表してほしいかを尋ねた。ガイダンスは通知をつくる段階やOfcom自身の分析段階で、研究者や被害の当事者を含む非事業者の知見を得る方針も記す。11月に予告された個別通知案への書面意見は、対象サービスの提供者に向けた別の経路だ。
事業者に聞く理由はある。データがどこにあり、どの指標なら同じ定義で繰り返し計算できるかを知っている。一方で、収集しやすい数値と、社会が知るべき数値は一致しないことがある。外部の研究者は、削除件数より接触の推計が重要だと指摘できる。Ofcomの役目は双方の言い分を記録し、使える問いに仕上げることだ。参加者の名簿だけを厚くしても、決定の跡は残らない。
ガイダンスは比較可能性にも触れる。毎年繰り返せる共通の項目があれば変化を追える。異なるサービスを横に並べるには定義を合わせる必要もある。だが、サービスごとの構造を無視した一律の数字は読み違いを生む。逆に、各社専用の言葉だけで報告が埋まれば、横断的な検証はできない。正式通知はこの折り合いを可視化するはずだ。
秘密や商業上の敏感さも、通知案の段階で争点になる。Ofcomは事業者の懸念と公開の必要性を比較し、目的にかなう代替情報も検討すると書く。10月27日時点で正式通知はまだ出ていない。特定の指標が取り下げられたという筋書きは作れない。後で最終要件と公表報告を照らし、何が残ったかを確かめればよい。
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