要約

  • JPRSの.jp管理権限は、IANAのルートゾーンデータベースへの登録(1986年8月5日登録、2025年11月6日更新)と2002年4月1日のIANA再委託報告書に由来する(IANA Root Zone Database、IANA再委託報告)。
  • 日本政府とJPNICによる監督は、契約文書(移転協定、ccTLDスポンサーシップ契約、2001年11月9日覚書第7条)により制度化されている(JPNIC管理ページ)。
  • 2021年12月15日の覚書は、毎年4月の年次報告、JPNIC理事会承認基準による評価、専門評価委員会、第14条第2項による政府当局への報告内容開示を定める(2021年覚書)。
  • 2026年6月17日、JPRSは2025年サイクルの評価で「レジストリ責務の違反なし、財務上の欠陥なし」とするJPNIC評価を受けた(JPRS発表)。
  • JPRSは.jprs gTLDについて別途ICANNレジストリ契約を保有し、2026年ラウンドではレジストリサービスプロバイダ(RSP)として評価済みである(ICANN契約、ICANN RSP)。

JPRS(Japan Registry Services Co., Ltd.)は、IANAのルートゾーンデータベース上で.jp ccTLDの管理者として記録されており、登録日は1986年8月5日、記録の最終更新は2025年11月6日である。レジストリ運営の規模は、JPRS自身の2025年レジストリ報告書(2026年3月26日公開)によれば、2026年1月1日時点で1,825,932件の.jp登録、前年比47,109件増、一般用途名は約124万件である(レジストリ報告書2025)。

権限の源は三層構造を持つ。第一に、2002年4月1日のIANA第二次再委託報告書は、JPRSが日本政府の監督下で.jpを管理し、国家的公益に関してJPNICの協力を受ける三層構造を記録している。第二に、JPNICの公開管理ページは、JPRSが責務を怠っているかどうかをJPNICと政府が協議し、是正措置を指示し、最終的に別組織へのレジストリ業務移転が可能であることを定め、この枠組みが移転協定、ccTLDスポンサーシップ契約、2001年11月9日覚書第7条に反映されているとしている。第三に、2021年12月15日の「JPドメイン名管理・運営移転協定に関する覚書」は、JPRSによる毎年4月のJPNICへの書面報告、JPNIC理事会承認基準に基づく評価、第13条の専門評価委員会、第14条第2項による政府当局への報告内容の開示を確立した。

この支配構造の現在の有効性は、直近の運用記録で確認できる。JPNIC理事会の2025年3月17日議事録(議事録)は、JPRS第25期通常株主総会におけるJPNICの議決権行使の承認(JPNICはJPRSの株主)、JPRS役員を兼ねる2名のJPNIC理事の回避、第13条専門評価委員会メンバーの任命を記録している。2026年6月17日、JPRSは2025年サイクルの評価について、レジストリ責務の違反がなく財務上の欠陥もないというJPNIC評価を受領した。また、2026年7月7日に開催された第80回JPドメイン名諮問委員会は、JPRSのRDAP検索結果に管理指定事業者名を表示することが適切である旨で合意し(諮問委員会資料)、報告書案が続くこととなった。

.jp以外の面では、JPRSは.jprs gTLDの運営者として別途ICANNレジストリ契約を保有する。契約は10年期間で連続する10年ごとに更新可能であり、固定料金は四半期あたり6,250米ドル、50,000件を超えるトランザクションには1件あたり0.25米ドルが加算され、継続運営保証(COI)が要求される。JPRSの.jprs登録ポリシー(2025年12月12日更新、登録ポリシー)は、Specification 9免除に基づき適格登録者をJPRSおよびその関連会社に限定し、.jprsを.jpへの知見移転のためのR&D手段として位置づけている。ICANNは2026年1月30日、JPRSを評価済みレジストリサービスプロバイダとして公表した――日本のRSPとしては唯一である――。JPRSは2026年ラウンド向けの包括的ブランドTLDサービスを発表した。2026年の新gTLDラウンドは2026年8月12日に1,600件超の第一次申請で締め切られたが(ICANN発表)、.jprsのラウンド2申請の公的確認は存在せず、申請文字列はReveal Dayにのみ公表される。

残る不確実性として、2026年1月23日の登録数訂正通知は個別に確認できていないこと、第13条評価基準の附属書が覚書抜粋で部分的にしか確認できないことが挙げられる。企業の自己記録では、JPRSは.jpドメインをソーシャルインフラとして管理する任務を掲げるレジストリ運営者である(会社概要)。