Summary

  • RIPE NCCの2026年11月2日付移転ファイルでは、AS213354とAS50935がともにINTERNATIONAL HOSTING SOLUTIONS LLP(GB)からIryna Oliinyk(UA)へ移った。分類はいずれもPOLICYだ。
  • 現行RDAPでは両方の登録組織がORG-IO80-RIPE、表示名がIryna Oliinykである。一方、説明用のnameフィールドにはInternational-Hosting-Solutions-ASが残る。

番号の持ち主が変わっても、看板の文字まで同じ日に塗り替えられるとは限らない。RIPE NCCのASN移転原本には11月2日付で二行ある。AS213354とAS50935が、どちらもINTERNATIONAL HOSTING SOLUTIONS LLPからIryna Oliinykへ移転した。移転元と先の国コードはGBとUA、区分はPOLICY。二行を一つの商業契約に結び付ける識別子はこのファイルに載っていない。

現在の登録オブジェクトを開くと、境目が別の場所に見える。AS213354のRDAPとAS50935のRDAPは、登録組織としてORG-IO80-RIPEを指し、組織名にIryna Oliinykを表示する。両オブジェクトの最終変更時刻は同じ2026-11-02T14:29:11Zだ。それでもname欄は二つともInternational-Hosting-Solutions-AS。以前の組織を思わせる語が、現在の保有者リンクと並んで残っている。

この二つの欄は役割が違う。RIPEデータベースの属性説明では、as-nameはAS番号に付く説明用の名前である。orgは組織オブジェクトへの参照で、資源オブジェクトでは保有者を表す。aut-numに記録できるorgは一つ。昔の名前が見えることと現在の組織が誰かは、同じ問いへの二つの答えではない。読者が保有者を知りたいなら、組織リンクをたどる必要がある。

移転前の時間も二つの番号では異なる。AS50935の登録は2016年7月11日、AS213354は2020年4月17日。同じ2026年11月2日に移転行が現れ、現行RDAPでは同じ秒に更新された。この一致が示すのは公開された行政記録の同期であって、通信経路の変化ではない。実際の経路には経路履歴、契約関係には日付のある合意書が要る。

検索画面がInternational-Hosting-Solutions-ASだけを拾えば、もっともらしい古い保有者像を読者に渡してしまう。移転原本は何が起きたかを示し、現行RDAPのorgは今の登録先を示す。受け手の私生活を語る必要はない。二つの番号と二種類のフィールドだけで、行政上の話は完結する。

RIPEは古い文字列を隠していない。同時に、新しい登録組織へのリンクも残した。問題はどちらの情報が目立つかではなく、どちらの欄が問われた事実を答えるかだ。ASNの名前札を保有者証明として扱えば、台帳の読み手が自分で誤報を作る。