要約
- LACNICの行政料金は登録手続の対価であり、アドレスブロックの売買価格や評価額ではない。
- 保有者変更と資源量に基づく会費は重要な統制事実だが、適用される会計・税務判断を代替しない。
決算担当者の机に三つの書類が並ぶことがある。譲渡側との契約、LACNICの移転請求書、そして受領側の新しい会員区分の請求書である。これらを一括して「IPv4の取得原価」と呼べば、誰に何を支払い、どの証拠が登録上の変更を支えたのかが見えなくなる。
まず、商業対価はLACNICの外側にある。IPv4移転候補リストは、LACNICが当事者間の商業取引に介入しないと明記する。リストへの一年間の掲載には200米ドルが必要で、申請が認められなくても返金されない。仲介者の利用は任意で、LACNICはそのサービスを監査せず責任も負わない。売買価格、仲介料、エスクロー費用には、それぞれ別の契約・請求・通貨・日付・相手方の証拠が必要になる。
域内IPv4移転の案内は第二の数字を示す。/24以上で/19未満は1,000米ドル、/19以上は1,500米ドルの行政料金である。審査前に200米ドルを支払い、正当化が認められなければ返金されない。承認後に残額を払う。この表は登録手続の価格であり、希少なIPv4の市場価値表ではない。
支払だけでは移転完了も証明できない。LACNICポリシーマニュアル v2.21は、保有者の確認、資源に紛争がないことの確認、法的文書の提出を求める。LACNICは移転を記録し、完了後に資源情報を新しい保有者へ変更する。私的契約、行政料金、登録上の保有者変更は連動するが、同一の出来事ではない。
第三の数字は継続関係から生じる。会員区分と料金では、割り当て済みIPv4またはIPv6の総数に応じた最上位区分で会費が決まる。移転で区分が変われば、次回更新までの残月分について差額請求が出る。新規会員なら、移転行政料金とは別に区分会費を支払う。後日の会費変更が、当初の商業対価を書き換えるわけではない。
これらの資料は、無形資産、棚卸資産、費用、サービス権などの会計区分を選んでいない。耐用年数、減損、税務基礎、時価も決めていない。判断は適用規則の下で企業、会計担当者、監査人が行う。LACNICは登録関係と認定保有者の証拠を提供するが、評価機関でも会計基準設定主体でもない。
検証可能なメモは、ブロック、私的契約と対価、仲介・エスクロー費用、LACNIC申請と行政請求、法的資料、保有者・紛争確認、移転ログ日、保有者変更日、会員区分、追加・更新請求を別々に結ぶ。各数字には通貨、日付、相手方、目的を残す。そうすれば行政料金を市場比較に使ったり、年会費を自動的に帳簿価額としたり、保有者欄を評価意見として扱ったりする誤りを防げる。
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