Summary

  • 152.237.192.0/20 は2025年2月20日にLACNICからARINへ移り、2026年5月4日にLACNICへ戻った。V.TALからGlobenet、さらにA5Xへ。同じ4096個のIPv4アドレスが、438日を隔てて逆方向に境界を越えた。
  • LACNICの現行規則は、一度移転したアドレスの再移転を記録日から1年間止める。現在のRDAPにある2025年3月の登録日は、A5Xの取得日でも2014年の元の登録日でもない。二つの移転行を読むと、その違いが見える。

住所が帰ってきても、持ち主まで元に戻るとは限らない。LACNICの公式移転ファイルには、その例が数字で残る。152.237.192.0–152.237.207.255 の/20は、ブラジルのV.TALから米国のGlobenet Cabos Submarinos America Inc.へ渡り、管轄はLACNICからARINへ移った。次の行ではGlobenetが送り手となり、ブラジルのA5X S.Aが受け取る。管轄もARINからLACNICへ戻る。アドレスの範囲は一つも変わっていない。

最初の移転日は2025年2月20日。transfer_set に載るのは4096アドレスの/20だが、original_set は 152.236.0.0–152.239.255.255 の/14と広い。後者は元の範囲を示す欄で、移転した量ではない。/14全体が渡ったと読めば、動いたアドレス数を64倍にしてしまう。台帳の二つの欄は似ていても、役目は違う。

2026年5月4日の行は逆向きだ。GlobenetがARIN側の送り手、A5XがLACNIC側の受け手で、original_set も transfer_set も同じ/20を指す。二つの日付の間は438日。LACNICの現行ポリシーマニュアルの2.3.2.18.6節は、移転済みのアドレスを記録上の取引日から1年間、全部でも一部でも再移転できないと定める。365日を基準に置けば、帰りの行はそこから73日後だ。公開資料に個別の申請書はなく、審査の理由は記されていない。

現在のRDAPは、正確な/20の登録者をA5X SAと示す。登録イベントは2025年3月13日、最終変更は2026年5月4日。2025年3月は最初の移転から21日後で、A5Xへの移転より1年以上前だ。一方、最初の移転行に書かれた送り手側の登録日は2014年5月15日。二番目の行では2025年3月13日になっている。現在のRDAPだけで「A5Xは2025年からこの空間を持つ」と書けば、間に入ったGlobenetを消してしまう。登録の起点と名義変更の時点は別物だ。

この往復を追う目的は奇談集を増やすことではない。現保有者の確認、過去の移転経路、再移転までの間隔は、資源の確認でそれぞれ別の問いになる。RDAPは現保有者を、移転ファイルは経路を答える。価格や契約、実際の経路広告がどう変わったかは、ここで使った公開原資料には載っていない。