Summary

  • ARINの移転ログは、2026年10月29日に Leaseweb USA, Inc. から Leaseweb Deutschland GmbH へ 173.234.200.0/21、2,048アドレスがARINからRIPE NCCへ移ったと記す。RIPEの受け入れ表も同じ /21 と日付を載せる。
  • ARIN RDAPは 173.234.200.0 と末尾の 173.234.207.255 をRIPEへ転送する。直後の 173.234.208.0 にはARIN自身の /22 オブジェクトで回答する。

一つ足しただけで、窓口が変わる。ARINのRDAPで 173.234.200.0 を引くと、HTTP 303でRIPE NCCへ案内される。この /21 の最後、173.234.207.255 も同じだ。ところが次の 173.234.208.0では、ARINが 173.234.208.0–173.234.211.255 の自分の /22 記録を返す。地域レジストリの権限境界は地図の線ではなく、住所録の一アドレスの差として観察できる。

根拠となる出来事はARINの11月2日付移転ログにある。10月29日、Leaseweb USA, Inc. が 173.234.200.0–173.234.207.255 を Leaseweb Deutschland GmbH に移し、元のRIRをARIN、受け手をRIPE NCCと記した。2,048アドレスの /21 だ。行の original_set は 173.234.144.0–173.234.255.255 まで広いが、実際の transfer_set はこの /21 だけである。ARINのログ形式説明が扱う二つの集合を混同すると、昔の大きな範囲全体が移ったかのように読んでしまう。

RIPE側の他RIRからのIPv4受け入れ表にも、ARINからLeaseweb Deutschland GmbHへの同じ /21 が10月29日付で載り、POLICY、PERMANENT とされる。RIPEの現行RDAPは 173.234.200.0–173.234.207.255 を覆い、登録組織 ORG-nA8-RIPE の表示名を Leaseweb Deutschland GmbH とする。隣のARIN /22 は LeaseWeb USA, Inc. Los Angeles と表示する。社名の似かよりから企業の法的関係を決める資料はここにはない。登録の窓口がどこで替わるかは、これらの応答だけで確認できる。

時刻は別の問題を残す。ARINの移転行は 2026-10-29T14:13:19Z、RIPEの /21 オブジェクトの登録時刻は 2026-10-29T13:58:13Z。後者が15分6秒早い。二つのフィールドは別のシステムの時計であり、公開行には両者を法的手続きの順序へ結び付ける共通の受付票がない。処理順を決めるなら、その票が要る。現在の担当範囲はすでに双方の記録とRDAPの応答で一致している。

レジストリを評価する一番素朴な質問は「誰がこの番号に答えるか」だ。.207.255 まではRIPEへ案内され、.208.0 からARINが答える。大きな統治の言葉より、隣り合う二つのアドレスの方が境界を厳密に示す。