要約
- 2026年6月16日に提出されたAFPUB-2026-IPv4-001-DRAFT02は、返却・回収IPv4を原則12カ月の隔離後に単一の「利用可能空間」へ入れ、Soft Landingを競合する配分基準より優先させ、最終
/8の/12予備枠を先に開放して隔離中の回収資源で補充できるようにする。2026年8月9日の証拠締切時点で、最終合意、理事会批准、実装通知、CPMへの組み込みは確認されていない。 - 現行CPM 5.4.3は、最終
/8由来か否かを問わずAFRINICが管理する全IPv4へ枯渇段階の規則を適用している。したがって回収資源をPhase 2で扱うこと自体は、新しい主権的権限を必要としない。Draft 2が追加する混合、優越、不可逆性、隔離短縮、/12置換、8カ月化は、それぞれ一意性・記録精度・安全な再利用・継続性に必要かという限定された基準で判定されなければならない。 - AFRINICは未配分free poolに対し、一件上限、重複防止、支配の証明、客観的な書類完全性、固定された順番など、狭く予見可能な発行基準を適用できる。だが回収資源を「地域の所有物」とみなし、needやcomplianceを理由に既配分資産を処罰し、資本移動を統制し、稼働中ネットワークの地位を裁量で左右することはできない。Draft 2はその線を曖昧にする部分を削り、帳簿・状態管理の規則だけに縮めるべきである。
一つのプレフィックスに必要なのは王座ではなく状態記録だ
回収されたIPv4プレフィックスが再び使われるまでには、複数の状態がある。回収手続中、回収済みだが隔離中、浄化確認済み、利用可能、予備、配分済みである。AFRINICはこの状態を記録し、同じプレフィックスが二重に配分されないようにし、支配の証拠を確かめ、過去の経路情報、登録情報、拒否リスト履歴を点検し、次の受領者へ正確な記録を渡せる。それが帳簿係としての本務である。
この仕事は小さくない。誤った状態記録は重複、到達性障害、セキュリティ上の混乱、顧客影響を生みうる。だから一意性、正確性、支配の証明、監査可能性、隔離中の安全確認、稼働中ネットワークの継続は、共通層の厳格な条件でなければならない。しかし厳格であることと、広い裁量を持つことは反対である。厳格な共通層とは、誰でも同じ入力から同じ状態を確認できる薄い規則であり、スタッフが「地域利益」「適切な需要」「政策上の善」を解釈して配分の価値を決める制度ではない。
未配分free poolには、同時に複数の有効申請が来る以上、順番が要る。ここでは、重複がないこと、申請者の支配と連絡先が確認できること、公開済みの一件上限を守ること、あらかじめ定めた客観的完全性を満たすこと、同じ基準で時刻順を確定することなど、狭い配分規則を置ける。free poolからの初回発行条件と、すでに配分され稼働中のアドレスに対する継続的な支配理論は別物である。前者は有限な未配分在庫の順番管理であり、後者は帳簿係による所有権・処罰権・資本統制の創作になる。
この区別を失えば、回収という言葉は危険になる。回収は、重複、明白な放棄、確定した支配移転、適切な法的決定などに基づく帳簿上の状態でなければならない。「方針に従わなかった」「地域外で使った」「商業モデルが好ましくない」「needの説明が気に入らない」という理由で、稼働中資産をregistryの所有物へ戻す操作ではない。記録は現実を記述する。記録が現実を創造するのではない。
Draft 2はまだ発効した規則ではない
提案の正式名称は「Soft Landing, Recovered Space and Priority」、識別子はAFPUB-2026-IPv4-001-DRAFT02、版は2.0、提案者はJordi Palet Martinez、提出日は2026年6月16日である。AFRINIC-37ではrough consensusが報告され、PDWG共同議長は7月16日にLast Callを開始し、7月31日23時59分UTCを締切とした。だが会合上のrough consensus、Last Call、共同議長による最終合意判断、理事会批准、実装、CPMへの組み込みは別々の状態である。
証拠締切の2026年8月9日、AFRINICの現行提案一覧はDraft 2を「Under Discussion」と表示していた。詳細ページにはLast Call完了の段階が残る一方、最終合意の宣言、理事会批准、実装通知、CPM改訂は確認されていない。7月31日から8月3日にかけても、Alain Aina、NP Petronella、Tshepo Masuku、Noahらの異論と、提案者の応答が記録されている。したがって以下で扱うのは、現在の権利状態を変えた規則ではなく、採用されればAFRINICの帳簿機能と配分機能の境界を動かす提案である。
AFRINICは自らのPDPを、公開され、透明で、bottom-upな政策形成過程と説明している。これはAFRINIC自身の制度説明として正確に帰属させるべきである。公開討議は、異論、技術的欠陥、実装負担を記録するうえで有用だ。しかし、公開参加は権限の源ではない。メーリングリストは立法府ではなく、会議室は主権者ではなく、参加者の合意は欠席した資産保有者、顧客、債権者、投資家、国家を支配する委任状ではない。AFRINICの内部手続が有効な手続であることと、そこで決めてよい事項の範囲は別である。
現行CPMはすでにPhase 2の既定を置いている
現行CPM 5.4.3は、AFRINICが割り当て、指定し、その他の方法で管理するIPv4について、最終/8に属するかどうかを問わずExhaustion Phaseの規則を適用する。7月31日のRPDでAlain Ainaが指摘したのもこの文言である。回収資源が正当にAFRINICの管理在庫へ戻り、再配分可能な状態になったなら、Phase 2を既定と読む明文上の根拠はすでにある。
Phase 2の一件当たり範囲は最小/24、最大/22である。/24は256アドレス、/22は1,024アドレスに当たる。現行CPM 5.4.4には、枯渇期間中の追加申請回数に明示的な上限がない。追加申請には、原則として従前の割り当てまたは指定の90%利用を示す条件があり、最初の申請を行う新規LIRとEnd Userには例外がある。5.4.5の計画期間は8カ月である。一件上限は存在するが、会員ごとの年間累積上限ではない。
現行CPM 5.4.7.1は、最終/8の/12を予見できない将来需要のために保持する。/12は1,048,576アドレス、/22換算で1,024本である。5.4.7.2は、他の利用可能空間が配分し尽くされたとき、その/12が未使用ならPhase 2のプールへ戻す仕組みをすでに定める。したがってDraft 2が初めて/12の開放を発明するわけではない。変更されるのは、開放の時点、回収開始との結びつき、隔離中資源を含む補充、そして予備枠をどの状態として数えるかである。
CPM 5.2.4は、公的アドレス空間に関する方針と実務を、所在地、国籍、規模などにかかわらず既存・潜在AFRINIC会員へ公正かつ公平に適用すると定める。これは現行文言である。しかし「公的資源」という語も「公平」という語もAFRINICに主権的所有を与えない。同じフォームを配ることが同じ実質機会を保証するわけでもない。free poolの順番は客観的でなければならず、結果の分布は観察可能でなければならないが、その目的はAFRINICが望ましい企業や国を選ぶことではない。
Draft 2が追加するものを一括して「明確化」と呼べない
Draft 2は九つの実質的な変更を一つの束にしている。
第一に、各Soft Landing段階を、それが有効な間は最終かつ不可逆とする。第二に、返却・回収されたIPv4を、規模と元プールを問わず、原則12カ月の隔離後に単一の利用可能空間へ置く。第三に、利用可能空間が/13未満、または「その他の運用上の理由」がある場合、AFRINICが隔離を短縮できるようにする。/13は524,288アドレスである。
第四に、利用可能空間を、最終/8か別ブロックかを問わずAFRINICが利用できる全アドレスと定義する。第五に、Soft Landingを、矛盾する他のCPM配分基準より優先させる。第六に、回収が始まった後、最終/8の/12を開放できるようにする。第七に、その/12を任意の利用可能空間からの回収アドレスで補充し、隔離中の資源も補充対象に含める。
第八に、CPM 5.5.1.2.1、5.5.1.4.1、5.6.3をSoft Landing条項に置換されたものとして削除する。第九に、5.5.1.9の50%利用期間と、5.5.1.13.3.2のSAW期間・更新周期を12カ月から8カ月へ短縮する。既存の12カ月承認に新しい8カ月をどう適用するかは、提案文から明らかでない。
Phase 2既定を明確にするために必要なのは、回収済みで安全に再配分できる未配分資源へ現行5.4.3を適用するという狭い文言である。出所の混合、優越、不可逆性、広い隔離短縮、隔離中の予備計上、別条項の削除、期間短縮は、その狭い記録目的から自動的には導かれない。これらを「一貫性」や「可読性」と呼んでも、配分時期、在庫の質、申請者の順番、既存の義務、将来の選択肢を動かす効果は消えない。
「300万超」はAFRINICの公式主張であって、配分可能台帳ではない
Draft 2の問題提起は、AFRINICが300万を超えるIPv4アドレスを回収したと述べる。これは提案に記載されたAFRINIC側の集計主張として扱うべき数字である。/22を1,024アドレスとして単純計算すれば、300万は2,929.6875本の/22に相当し、「300万超」はそれを上回る。しかし、この算術は名目量を示すだけで、清浄で直ちに配分できる量を示さない。
公開資料からは、その300万超を構成する正確なプレフィックス、元プール、回収根拠、紛争状態、隔離開始日、浄化完了日、断片化、経路履歴、拒否リスト状態、実際の配分可能歩留まりを照合できない。したがって全量を無争議、連続、清浄、即時配分可能と書くことはできない。
AFRINICの2021年WHOIS監査は、1,060,864アドレスが回収され12カ月の隔離に入ったと報告し、適正手続後も未回収だった1,310,720アドレスと、別のレガシー区分を分けていた。この監査は、回収と隔離を状態別に記録する必要性を示す歴史的資料である。2026年の300万超を照合する現在台帳ではない。年も状態も違う数字を足しても、現在のfree poolにはならない。
帳簿係の責任は、大きな集計値を権限の根拠として使うことではない。プレフィックス単位で、誰の記録がなぜ変わり、どの根拠で回収状態になり、紛争があるか、隔離がいつ始まり、どの点検を通過し、いつ配分可能になったかを残すことである。回収量が大きいほど、この義務は強くなる。大きな数字が、粗い台帳を許す理由にはならない。
隔離短縮は「運用」という一語で自由裁量にできない
Draft 2の規範文は、12カ月を既定の隔離期間としながら、利用可能空間が/13未満の場合または「その他の運用上の理由」により短縮を認める。AFRINICスタッフの影響評価は、必要なら6カ月へ調整する運用を説明する。しかし規範文には6カ月を下限とする条文がない。Tshepo Masukuが8月3日に記録した異論も、この規範文とスタッフ説明の差に向けられていた。
Draft 1のAFRINICスタッフ説明は、短い隔離が清掃時間を減らし、過去の経路登録または拒否リストの履歴を次の受領者へ残しうると警告した。これは隔離が懲罰ではなく、安全な再利用のための状態確認であることを示す。必要な条件は、経過月数だけではない。経路、登録、拒否リスト、紛争、支配の証明という、あらかじめ定めた客観項目が完了したかである。
スタッフに専門判断が必要だからといって、開かれた「その他の理由」が正当化されるわけではない。共通層に置けるのは、再利用時の一意性、記録精度、安全性、継続性を確保するための決定可能な条件である。供給を早めたい、待機者がいる、地域のneedが大きい、政策上のpriorityを付けたいという事情は、汚染状態を清浄へ変えない。隔離終了は、価値判断ではなく、記録された技術状態の変化でなければならない。
AFRINICスタッフは、WHOIS、RDAP、MyAFRINIC、NetSuite、NMRP、RPKIへの影響はないと評価する一方、自動清掃・監視ツールを提案し、実装に6カ月を見込んだ。これはAFRINICの公式なスタッフ評価として帰属させるべきであり、「中核システム変更がない」と「運用上・経済上の影響がない」は同義ではない。自動化が必要なら、入力状態、判定規則、例外、監査ログ、誤判定時の訂正を先に定義しなければならない。自動化は裁量を正当化する装置ではなく、裁量を減らす手段である。
/12の置換は同じ数量の保存ではあっても、同じ状態の保存ではない
Draft 2の支持側にとって、/12は時間差を渡る橋である。AFRINICスタッフの説明によれば、通常の利用可能プールが申請を満たせないとき、清浄な/12を利用可能空間へ移し、隔離中資源の終了を待たずに申請を満たす。提案者Jordi Palet Martinezも、この仕組みが待機を避け、現在の予測可能性を与えると主張した。
しかし、開放した清浄な/12を隔離中の回収資源で補充するなら、現在すぐ使える容量を、将来使えるかもしれない名目容量へ交換することになる。1,048,576という数が同じでも、清浄で連続した現在の予備と、隔離中で断片化し、経路履歴と紛争状態が未確定の複数プレフィックスは同じではない。帳簿上の数量保存は、安全性、即応性、利用可能日の保存ではない。
AFRINICはこの交換を「予備が維持された」と一行で記録してはならない。もし/12を動かすなら、開放された清浄プレフィックス、開放日、配分日、補充候補の出所、隔離開始、点検状態、実際の利用可能日を別の状態として記録する必要がある。だが正確な台帳を設ければ、隔離中資源を清浄な予備とみなしてよいことにはならない。記録上、両者は別状態のままでなければならない。
この点でDraft 2の補充文言は狭い帳簿機能を越える。将来の不確実な需要のために保持した清浄な予備を、現在の申請へ優先的に使い、まだ利用できない資源を代わりに数えるからである。これは単なる記録ではなく、現在の申請者と将来の利用者の間で時間と品質を配分する決定である。AFRINICが未配分free poolの客観的順番を処理できることから、将来用予備の性質を裁量で変更できる権限は生まれない。
needとpriorityはfree poolの狭い順番を越えてはならない
Draft 2は、複数申請を通じて一暦年に8本を超える/22を取得したResource Memberが複数いたというAFRINICスタッフの観察を記載する。8本の/22は8,192アドレスであり、「8本超」はそれを上回る。だがAFRINICは、該当会員数、身元、国、事業目的、申請時刻、利用実績、承認・却下、全体に占める割合を公開していない。この集計だけから買い占め、不正、gaming、hoardingを推定してはならない。
現行規則上、一件上限/22と追加申請回数の無制限は併存する。90%利用に到達し、完全な申請を速く作り、スタッフの照会へ対応できる組織ほど、次の申請へ早く戻れる。これは、need審査が中立な真理ではなく、既存の顧客規模、技術展開、文書作成能力、人員、手続経験を配分順位へ写す仕組みであることを示す。大きく豊かな運用者は、古いneed制度の下でも有利だった。市場化だけを貧しい国への害と呼ぶのは構造を取り違える。
free poolが存在する間、AFRINICは一件サイズ、申請の一意性、支配証明、客観的完全性、受領時刻などを固定し、同じ方法で順番を処理できる。将来需要の説明を求める場合も、それは未配分free poolからの発行量を決める限定的入力でなければならず、申請者の事業モデル、顧客地域、資本利用、商業的価値を評価する一般権限へ転化してはならない。配分後の資源にneedを永久条件として付け、compliance違反を理由に回収・失効・移転阻止へつなげれば、順番管理は処罰と資本統制に変わる。
客観性を検証するために必要なのは、個社をさらすことではなく、匿名集計である。申請受領、完全化、承認、却下、取り下げ、初回・反復、会員当たり累積/22相当量、処理期間、在庫状態を同じ時計で示せばよい。これによって確認するのは、誰が道徳的にneedを持つかではない。同じ入力に同じ順番規則が使われ、帳簿が正確だったかである。
Draft 2を支持する最も強い主張と、その越えられない限界
支持側の最も強い主張は、現在の供給継続である。現行CPM 5.4.3がすべての管理IPv4へPhase 2を適用する以上、その既定を明文化すればスタッフと申請者の予測可能性が上がる。12カ月隔離を明記すれば回収資源の扱いが揃う。清浄な/12を橋として使えば、隔離中資源を直接渡さずに完全な申請を満たせる。Soft Landingの優越と8カ月への整合は、CPM内の衝突を減らす。複雑な別制度を待つ間にもネットワークの需要は続く、というのが提案者の主張である。
この主張のうち、狭い部分には根拠がある。未配分の回収資源をいつ再利用できるかを正確に記録し、現在のPhase 2に従って客観的に配分し、重複を防ぐことはAFRINICの仕事である。供給を無期限に曖昧な状態へ置く必要はない。
だが継続性は、権限拡張の免許ではない。現行5.4.3が既定をすでに置くなら、Phase 2適用の明確化は、広い隔離例外、出所混合、/12の状態置換、Soft Landingの包括的優越、段階の不可逆性、二つの期間短縮を必要としない。これらは「安全策を加えれば許される広い権限」ではなく、まず狭い帳簿機能に必要かを問われ、不要なら削除されるべき別の権限である。
AFRINICが速く配れることは、AFRINICが所有することを意味しない。AFRINICが在庫を数えられることは、AFRINICが地域資本の行き先を決められることを意味しない。AFRINICが完全な申請を確認できることは、企業のneedを道徳的に裁定できることを意味しない。AFRINICが隔離状態を記録できることは、「運用上の理由」で技術状態を飛び越えられることを意味しない。提案の有用な核を守るには、広い部分を正当化するのではなく、切り離さなければならない。
複数プール案も新しい主権者をつくってはならない
2026年6月8日に提出されたDynamic IPv4 Pools Exhaustion Management Frameworkは、回収資源を出所別に追跡し、複数のプール、Soft Landing前プール、集約防止規則、枯渇後の待機列を設ける。これはDraft 2の単一プール以外にも制度選択があることを示す。出所追跡と状態分離は帳簿精度に資する。
しかしこの別提案も2026年8月9日時点ではUnder Discussionであり、採用済みでも優越性が実証済みでもない。より大きな配分、need審査、移転制限、複雑な分類、実装負荷という独自の選択を含む。追跡可能性が高いからといって、registryにより広い需要裁定や移転統制を与えてよいわけではない。単一プールか複数プールかという構造選択の上に、同じ権限境界がある。
比較すべきなのは、どちらがAFRINICを強い統治者にするかではない。どちらが、一意性、正確な状態、支配証明、隔離の安全性、客観的なfree pool順番、稼働中ネットワークの継続を、より少ない裁量で実現するかである。国別優先、競売、hard landingはRPD参加者が提示した案にすぎず、AFRINICの決定でも、影響評価済みの採用文でもない。国別優先は地域主権をつくり、競売は価格配分へ目的を変え、hard landingは供給を止める。それぞれ別の制度であり、Draft 2の即席の補強材料ではない。
Policy、community、complianceは所有権を生まない
Draft 2の支配面は、アドレスを誰が法的に所有すると明言する箇所より、誰が状態を動かせるかに現れる。PDWGと共同議長が案を進め、理事会が批准し、スタッフがプレフィックスを回収、隔離、利用可能、予備、配分済みへ移し、Hostmasterが申請を評価する。Appeal CommitteeはPDP手続上の欠陥を扱うが、個別在庫判断を常時監督する主体としては示されていない。
この連鎖が内部手続として存在することは、AFRINICが主権を持つことを証明しない。AFRINICはモーリシャスに置かれた私的な調整組織であり、国家でも、地域の人民でも、資産所有者でもない。service regionは領土ではなく、communityは法的本人ではなく、policyは法律ではない。長年の協力、反復された手続、他機関からの承認も、もともと存在しなかった主権を後から生成しない。
complianceにも限界がある。正確な連絡先、虚偽のない支配証明、二重登録の防止、セキュリティ状態の整合は、帳簿の完全性に直接関係する。これらを訂正させ、矛盾を記録することはできる。だが商業利用、leasing、顧客所在地、価格、企業構造、政策上の意見、地域外利用をcompliance問題へ変え、登録維持、RPKI、WHOIS/RDAP、移転、稼働中資産の継続を人質に取ることはできない。registryは警察、検察、裁判所、資本配分官を兼ねてはならない。
NRSは提言、研究、討議、明示的な委任をした会員の代表を行えるが、registry、RPKI、WHOIS/RDAP、異議申立て、和解、選挙、資産保管、継続性の運営者ではない。この境界はAFRINIC批判のために別の支配者を立てないために重要である。正しい答えは、AFRINICからNRSへ主権を移すことではない。番号資源層から主権という虚構を取り除くことである。
数字が確定していないなら、確定していない状態を記録する
Draft 2は、提案当時の利用可能量を783,872アドレスとし、当時の委任速度なら約2年で枯渇するというAFRINICスタッフ推計を載せる。783,872は/24換算で3,062本、/22換算で765.5本である。約2年を単純に年率へ直せば391,936アドレスとなるが、これは提案内の概算から逆算したシナリオであり、観測された一定消費率ではない。
2026年8月9日のAFRINIC統計ポータルは、利用可能な/24を2,562本、すなわち655,872アドレスと表示した。提案値との差は128,000アドレス、500本の/24である。しかしダッシュボードには表示値の精密な基準時刻がなく、配分、予約、再分類、更新時点、区分定義のどれが差を生んだかを公開資料だけでは照合できない。この差を全て「burn」と呼ぶことはできない。
古い逆算年率を655,872へそのまま当てれば約1.67年となるが、これは予測ではない。300万を提案から導いた二つの年率で割れば約7.65年または8.58年となるが、これも隔離、浄化損失、断片化、紛争、需要変化を無視した感度計算にすぎない。/12を約3年とするAFRINICスタッフ推計も保証ではない。現在在庫783,872と/12の1,048,576を足した1,832,448は名目合計であり、一つの同質な利用可能プールではない。
不確実な数字に対する正しい処理は、強い裁量で穴を埋めることではない。「不明」と記録し、どの状態が未確認かを分けることである。帳簿係の権威は、未知を知っているふりをすることからではなく、未知を正確に表示することから生まれる。
証拠締切時点で残る十の未確認事項
第一に、300万超を構成する正確なプレフィックス、元プール、回収根拠、紛争、隔離、断片化、浄化歩留まりは不明である。第二に、783,872と655,872の差を説明する基準時刻、配分、予約、再分類、区分定義は不明である。第三に、Last Call後の最終合意判断と理事会批准は確認されていない。
第四に、規範文上の最短隔離期間は不明であり、スタッフの6カ月説明は条文上の下限ではない。第五に、隔離中資源を含む/12補充の会計状態、安全状態、順序、公開方法は不明である。第六に、一年で8本超の/22を受けた会員の数、身元、理由、利用、申請時系列、全体比率は不明である。
第七に、12カ月から8カ月への変更が既存承認へ遡及するかは不明である。第八に、優越条項が三つの削除以外に解くCPM衝突の全体は不明である。第九に、Last Call中に共同議長が予告した事務局の資源回収説明に該当する、明確なプレフィックス別公開資料は確認できない。第十に、2年・3年推計の基礎となる日次系列、保留需要、承認率、断片化、回収歩留まり、感度分析は確認できない。
これらの不明点は、Draft 2を発効済みと扱わず、300万超を清浄在庫と扱わず、反復申請者を不正と扱わず、6カ月を規範上の下限と扱わないための境界である。同時に、AFRINICが何を記録すべきかも示している。未知を裁量で埋めるのではなく、状態を分解して公開することが必要である。
必要なのは「よりよい主権」ではなく、主権を持たない狭い規則だ
Draft 2の有用な核は小さい。正当に回収され、隔離と客観的な浄化条件を完了し、未配分であるIPv4を、現行Phase 2の狭く客観的な順番へ戻す。プレフィックスの出所、支配、紛争、隔離、点検、利用可能日を正確に記録する。重複を防ぐ。次の受領者へ状態を伝える。稼働中ネットワークを壊さない。これで足りる。
単一プールにするか複数プールにするかは、帳簿の精度と配分の単純さに影響する。しかしどちらも、AFRINICに資産の所有権を与えない。free poolの一件上限と時刻順は、既配分資産の商業利用を統制する権限を与えない。need審査は、永久的な利用資格を与えたり奪ったりする権限を与えない。priorityは、地域、道徳、政治的好みで勝者を選ぶ権限を与えない。complianceは、登録を刑罰へ変える権限を与えない。
したがってDraft 2は、広い権限に監査や救済を添えて成立させる方向ではなく、狭い機能だけに縮める方向で直されるべきである。12カ月隔離を明記するなら、終了条件を客観化する。「その他の運用上の理由」は削る。回収済みと利用可能を混同しない。隔離中資源を清浄な/12の代替として数えない。Soft Landingの優越は、重複防止と客観的free pool発行に必要な特定衝突だけへ限定する。8カ月変更は別の提案として、将来適用と必要性を個別に審査する。出所は単一プールでも消さない。
AFRINICが守るべきものはAFRINICの権威ではない。重複しない番号、真実を反映する記録、検証可能な支配、清浄な再利用、稼働中ネットワークの継続である。帳簿係はこの任務に忠実であるほど信頼される。希少性を理由に地主、配給官、警察、裁判所へ変わるほど、帳簿そのものが危険になる。
Draft 2が最後に答えるべき問いは、「300万超をどれだけ早く配れるか」ではない。「どのプレフィックスが、どの客観的状態を経て、どの固定順序で配分され、その記録が誰の裁量からも独立して検証できるか」である。その答えが一意性、正確性、継続性の範囲に収まる限り、AFRINICは有用な帳簿係でいられる。そこを越えれば、Draft 2は回収資源の整理ではなく、希少性を使った主権の創作になる。
情報源
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