要約
- AFRINICは2026年6月25日のAGMMで、2022~2025年の監査済み財務諸表を通常決議III~VIとして承認に付すと通知した。
- 8月10日に確認できた公開AGMMページには、議案と関連資料はあるが、決議の結果、票数、2026年議事録は掲載されていなかった。
- 公式支出資料による4年間の法務費は約329万ドルで、うち2022年と2023年のC&A Law向け支払いは合計2,148,059ドルだった。
- 公開された2021年の依頼書は1時間1,000ドル、別途15%の付加価値税と実費を定める。案件別の請求書、稼働時間、承認記録は公開資料で確認できない。
- 監査済みの数字と、各契約・請求・支払いを行う権限が当時存在したかどうかは別の問題である。
会議後に残った空白
総会通知は具体的だった。AFRINICは6月25日にナイロビで2026年AGMMを開き、2022年、2023年、2024年、2025年の監査済み財務諸表をそれぞれ通常決議として会員に諮るとした。
しかし、会議から46日たった8月10日、公開ページで確認できたのは通知、議題、資料へのリンク、決議案の文言までだった。各決議が可決されたのか、否決されたのか、延期されたのかは示されていない。賛否や棄権の数も、2026年の議事録もない。
欠落を推測で埋めてはならない。現時点の公開記録から「承認された」とは書けず、「否決された」とも書けない。確認できるニュースは、AFRINIC自身の参照ページから会員の決定を検証できない状態が続いていることだ。
議事録は儀礼的な文書ではない。出席資格、定足数、議長、異議、採決対象となった最終文、決定時刻を結びつける証拠である。これがなければ、組織は後日「会員が決めた」と説明できても、会員側にはその説明を照合する同時記録がない。
金額の監査と権限の監査
AFRINICの公式資料は、法務費を2022年約125万ドル、2023年1,133,630ドル、2024年27,322ドル、2025年877,929ドルと示す。合計は約329万ドルだ。C&A Lawには2022年1,083,750ドル、2023年1,064,309ドルが計上されている。
この資料は費用の規模と受取先を示す一方、誰が各案件を依頼し、誰が時間と実費を検査し、誰が請求を承認し、誰が送金を指示したのかまでは示さない。
NRSの公開書簡とBTWの過去の調査が扱った依頼書は2021年10月20日付で、5日後にAFRINIC側で受諾された。専門報酬は1時間1,000ドルで、15%の付加価値税と旅費、調査、通信、検索、印刷、配送、専門家意見などの実費は別建てだ。少なくとも2人の事務所メンバーが直接かつ継続的に関与できるとも記されている。
だからといって、2人が同時に各1,000ドルを請求した事実が証明されたわけではない。NRSも、合計2,000ドル近い同時請求は請求書とタイムシートがないため排除できないリスクであり、立証済みの料金ではないと区別している。
必要なのは断定ではなく開示だ。担当者、案件、日付、時間、適用単価、実費、依頼権限、支払い承認者、成果を案件単位で並べれば、過大請求、重複、適法な必要経費を分けて検証できる。
後日の決議は当時の権限を自動生成しない
NRSは、権限の連鎖が開示され独立したフォレンジック調査が行われるまで、決議III~VIに反対するよう会員に求めた。これはNRSの主張であり、裁判所の認定ではない。ただし「監査」と「権限」を混同してはならないという指摘は正しい検証課題だ。
監査人は契約された範囲で財務諸表を検討する。監査意見は、過去に存在しなかった取締役会の定足数、CEOへの委任、receiverの指示、裁判所命令を後から作るものではない。会員が財務諸表を承認した場合も、それが個別取引をどこまで追認するかは、モーリシャス法、会議の権限、事前開示、実際の決議文によって決まる。
ところが公開記録では、そもそも承認があったかどうかを確認できない。
権限の問題は現在進行形だ。AFRINICは3月、2025年9月選出の取締役が職務を再開したと述べた。同じ発表で、裁判所任命のreceiverは正式な解任待ちであり、取締役の任命無効を求める手続があることも認めた。AFRINICはそれらを有害な訴訟と評価するが、組織自身の評価は判決ではない。
過去の承認と退出の制限
現在の統治体制は2月4日、移転提案2020-GEN-006-D3も批准した。AFRINICプール由来の資源を域内移転に限定し、通常の形では他RIR地域へ出せない仕組みだ。提案の財務評価は、域外移転によって現在の資源会員を他RIRに失わないと明記する。
ここで管理されるのは出口である。AFRINICはコミュニティの合意と説明するが、文書そのものは資源の移動制限と会員維持を結びつける。権限が係争中の体制が、経済的な退出を先に制限し、その後に過去4年の支出承認を求めた。二つの行為は同じ問いに戻る。誰が将来を拘束し、誰が過去を有効化できるのか。
AFRINICがまず公開すべきなのは、2026年AGMMの議事録、各決議の票数、有資格会員数と参加者数、記録された異議である。法務費については、案件別の依頼権限、予算、時間、単価、実費、支払い承認、成果を示せる。法的助言の内容は秘匿できても、経済的な委任まで秘匿する理由にはならない。
会員一組織あたりの負担をさらに検討するには、BTW ResearchのAFRINICのアクティブ会員別法的支出を参照してほしい。


