要約

  • RIPE NCCは2013年末、2014年4月半ば以降に登録されるRIPE Atlasの探査機と測定をすべて公開し、新しいものには非公開の選択肢を設けない案を示した。
  • メーリングリストの11人とRIPE Labsの2人から意見を受け、Vesna Manojlovicは2014年3月、初期値は公開でも解除できる案を発表した。

最初の案には、施行予定日まで書かれていた。2013年12月の提案では、翌年4月半ばから新しい探査機も新しい測定も公開される。既存の非公開設定は維持する一方、新規の利用者にはその設定を選ばせない。ボランティアが自分の回線につないだ箱の情報について、登録画面の一項目がずいぶん大きな決定を下すところだった。

測定ツールのコミュニティづくりを担っていたVesna Manojlovicは、その案を利用者に示した。2014年1月9日の投稿で、初期の反応はおおむね反対だと報告している。従来の選択権を残したい人がいた。結果の公開を一日、あるいは一週間遅らせたい人もいた。彼女は改訂案を約束した。抽象的な公開論より、誰に何がいつ見えるかという問いのほうが切実だった。

3月11日のメールには、議論の内訳が残る。メーリングリストで11人、RIPE Labsで2人が返答した。6人は従来の選択肢を支持し、3人はさらに公開する案を支持。公開を減らしたい人が1人、公開を遅らせたい人が3人、中立が1人いた。複数の案を支持した人もいるため、この数字は投票結果にはならない。RIPE NCCは当初の大幅な変更を取り下げた。

代わりに示されたのは、初期設定を使った穏やかな誘導だ。新しい探査機は申請時に公開が選ばれ、ホストは解除できる。ウェブ画面から作る利用者定義の測定でも公開欄をあらかじめ選ぶ。Manojlovicは、公開する人への追加クレジット、特別クレジットを使う研究の結果公開、設定ごとの可視情報を説明する文書も提案した。メールに書かれた計画の各項目が実装されたとまでは記録から言えない。ただ、ホストに残すべき操作が明確になった。

現在のAtlasのプライバシー文書でも、入口による違いは見える。組み込み測定の結果は公開。ウェブで作る利用者定義の測定も公開。APIからは非公開の測定を作れる。匿名アクセスの説明はis_publicという項目と、探査機の状態によって見えるアドレスやプレフィックスを示す。解除ボタンの価値は、その先で何が見えるかを説明してこそ決まる。

RIPE NCCの職員紹介では、Manojlovicは現在、シニアのコミュニティ開発担当者だ。2014年のメールは肩書より具体的だ。提案を探査機のホストへ持って行き、返事を数え、製品の設定として持ち帰った。13人の返信が、世界規模の測定網の小さなスイッチを動かした。