要約

  • 10月17日から、対象企業は原則として400で始まる番号から営業電話を発信する。過渡的な例外は残る。番号の割り当てだけでは足りず、各社の網をまたいで通話できることが最初の実務試験となる。
  • 400は営業電話用の番号区分を示す。発信者本人の真正性、受け手の同意、キャンペーンの適法性を証明するものではない。開通状況、遮断の精度、苦情や利用者への影響を示す公開データはまだない。

番号が割り当てられた後、網が問われる

受け手の画面に出るのは三桁だが、運用は複数の主体を経由する。スペイン国家市場競争委員会(CNMC)が適格な事業者に番号ブロックを割り当て、各事業者は他網からの着信を受けられるよう番号帯を開通させる。対象企業は営業電話の発信にその番号を使う。一方、事業者には、規則に反しているように見える商用音声トラフィックを、別途認可された技術的方法で識別し遮断する役割もある。

それぞれの仕組みが示すものは異なる。割り当ては番号資源へのアクセス、開通は接続可能性、400は申告された用途、トラフィック検知は規則回避の可能性だ。番号が表示されても、実際の発信者がその企業であること、事前に同意があったこと、詐欺が減ったことまでは分からない。

400は発信専用で、着信を受けられない。電話に出られなかった人は表示番号へ折り返せず、企業の別の窓口を探す必要がある。顧客対応には専用短縮番号、800/900、通常料金の地理番号など別の経路が定められ、400を顧客対応番号として使うことはできない。営業とサポートを区別しやすくする一方、会話を再開する直通路をなくす設計でもある。

申請数は利用実績ではない

初回の割り当てでは47事業者が、1,000番号単位のブロックを計354件申請した。この354は申請数であり、割り当て数ではない。CNMCは申請資格を確認し、2025年の800/900番号帯の利用効率などを基準に評価し、まず各社の最初のブロックを優先した。最終決定後1か月以内に、各網が割り当て済み400番号からの通話を受けられるようにする要件も置き、後の利用報告を求めている。

番号不足は適法な営業活動を難しくするが、使われないブロックが多ければ新しい番号帯の識別価値が薄れる。800/900の実績は検証可能な出発点でも、新しい営業電話サービスの需要をそのまま予測するものではない。割り当て、開通、実利用の差を追う必要がある。

公開された資料には、運用開始後の利用実績がまだない。稼働しているブロック数、400から発信された対象通話の割合、別の番号帯から続いている営業電話は分からない。開始日は制度が動き出す日であって、効果測定ではない。

折り返せない設計と受け手の負担

最終決議は400を発信専用とし、折り返しを認めない。4月のCNMC提案概要では、企業からの電話なのだから折り返しは無料にすべきだという勧告も示されていた。しかし拘束力を持つ最終決議は一方向の番号帯を選び、10月16日の政府FAQも折り返し不可と説明している。提案段階の案と現行ルールは分けて読む必要がある。

この選択は迷惑電話と顧客対応の混同を減らす可能性があるが、受け手には別の連絡先を見つける手間が残る。代替窓口の見つけやすさ、着信停止の申請、誤って遮断された場合の苦情処理も制度評価の一部だ。苦情はOAUTまたはCNMCに申し立てられる。

トラフィック検知には認可と事後説明が必要

法律10/2025の第16条は、必要な番号コードを使わない、または規則に反していると見られる一部の商用音声トラフィックについて、事業者に識別と遮断を求める。識別システムには電気通信・デジタル基盤担当国務長官の明示的かつ理由を示した認可が必要だ。認可後は個々の通話ごとの承認なしに該当トラフィックを遮断できるが、二営業日以内に関係当局・事業者・提供者へ通知し、根拠を示さなければならない。

大量発信は調査の手掛かりにはなっても、違反の結論ではない。合法的なキャンペーンや顧客窓口も短時間に多数の通話を発生させる。手法の対象範囲、営業とサポートの区別、誤判定を修正する手順を明らかにする必要がある。消費者は通信事業者に400からの営業電話の遮断を求めることができる。

次に必要な公開データ

評価には、期限内に開通したブロック、割り当て番号からの通話量、他の番号帯で見つかった対象通話、検査量、警告、遮断、解除、期限内通知を分けた記録が要る。検査した総量がなければ遮断件数から検知率を出せない。苦情が減っても、迷惑電話が減ったのか、申立てにくくなったのかは区別できない。

CNMCには、割り当てた容量・利用できない容量・実利用を予測値と照合する報告が期待される。400の利用は同意の証明ではなく、政府の広範な詐欺対策の累計値も本制度の成果ではない。スペインは電話の用途を見分ける新しい入口を設けた。番号を接続可能なサービスに変えるのは各社の網であるため、最初の遵守テストを担うのも通信事業者となる。効果の判断には、実際に利用者へ届いた通話の記録が必要だ。

出典