要約
- RFC 992は、故障と復旧をグループ宛ての知らせとして順序付けた。生き残った機械が、同じ順番でメンバーの増減を知るためだ。
- GBCASTはメンバーの増減を伝える。ABCASTは複製した作業の順番をそろえる。CBCASTは原因と結果の順番を守り、無関係な仕事は同時に進める。
仕事が「赤い封筒、青い封筒」の順に並ぶ列を想像してほしい。客が先頭の赤い封筒を取るよう頼む。その途中で、三台のうち一台が止まる。生き残ったAは依頼を先に受けて赤を消す。Bは故障の知らせを先に受け、赤をまだ残す。次の客に渡す封筒が違う。三台に増やしたおかげで機械は残ったのに、サービスの答えが二つになった。
Kenneth BirmanとThomas Josephは、コーネル大学のISIS研究からこの問題をRFC 992にまとめた。発表は1986年11月。RFC 966とRFC 988にも、複数の受け手へ一度に送る仕組みが登場する。RFC 992が見つめたのは、送っている最中に受け手の顔ぶれが変わる場合だった。「全員に送る」と言っても、その全員はいつの名簿に載っていた人たちなのか。
答えの中心にGBCASTがある。戻ってきた機械は復旧を知らせる。落ちた機械については、システムが代わりに故障を知らせる。本人が送れない訃報を、周囲が届けるわけだ。ただ届けるだけでは足りない。仕事の指示より前か後かもそろえる。ある受け手が指示を故障通知より先に見たら、共通の受け手も同じ順番で見る。落ちた機械が先に送っていた言葉は、故障通知の後ろへ追いやられない。
各機械はVIEWと呼ぶ参加者名簿を持つ。名簿が変わる時刻は機械ごとに違う。それでも、変更は同じ順番で届く。一つの仕事の指示を見るとき、どの名簿を使うかをそろえられる。時計を一斉に合わせる話ではない。順番が食い違わないように、全員に同じページの議事録を渡す話だ。
GBCASTの厳しさは、送るたびに調整を必要とする。そこで著者たちは別の二つも用意した。ABCASTは、同じ種類の作業を共通の受け手に同じ順番で届ける。仕事の列を複数台で同じ状態に保つときに役立つ。CBCASTは「この連絡を聞いたから次を送った」というつながりだけを守る。互いに関係のない連絡なら、先着順が違っても仕事を進められる。三つの名前は、どれだけ順番に費用を払うかの選択肢だった。
この研究が扱う故障は、機械や処理が止まる型だ。止まったことを見つける仕組みも前提に置く。論文の時計と通信時間の例は、当時の実験環境を示している。著者たちは以前のISIS試作を終え、新しい実装を進めていた。残る問いは今読んでも明快だ。誰かがグループを去ると仕事の意味が変わるなら、その知らせも仕事と同じ会話の中で届ける。
落ちた一台は会議を欠席した。残りの二台には、同じ順番の議事録が届いた。
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