要約
- RIPE 86は2023年5月22日~26日にオランダ・ロッテルダムで開催された。2023年10月にロッテルダムでの会合はなく、2023年後半の会合はローマのRIPE 87(11月27日~12月1日)だった。
- 会合の中核記録は、ルーティングセキュリティの運用化、IPv6展開ガイダンス、アドレスポリシー簡素化の提案、2024年1月1日開始のIXPルートサーバーフィルタリング改革、そしてRIPE会議として初のCode of Conduct Teamである。
- 併設されたRIPE NCC総会(2023年5月24~26日)は2024年料金体系Model Dを採択し、ASNあたり50ユーロと移転申請あたり500ユーロの追加課金を否決し、Raymond Jetten、Maria Häll、Harald A. SummaをExecutive Boardに選出した。
- 記録には明示された限界がある。総会議事録は草案表示であり、複数のワーキンググループ記録は全文精査ではなく二次的な取得に依拠し、あるRIPE 86ページは取得できなかった。
RIPE 86は2023年5月22日~26日にオランダ・ロッテルダムで開催された。これは2022年10月のベオグラード(RIPE 85)に続く会合であり、次回は2023年11月27日~12月1日のローマ(RIPE 87)であった。会議全体の特徴として、初の訓練済みRIPE会議Code of Conduct Teamが設置され、最終プレナリーで透明性報告を行ったこと、規制・法制・公共政策がプレナリーとワーキンググループ横断で繰り返し主題となったこと、そしてコミュニティの若手・新規参入者への配慮(Techにおける多様性セッション、オンライン学生イベントによるオランダ人学生の参加増)が挙げられる。火曜の並行BoFではAIのRIPEコミュニティへの影響とIETF概観が扱われ、BCOPセッションではDNSリゾルバ・タスクフォース勧告と、自然災害・戦争下のネットワーク耐性記録のテーマからウクライナのネットワーク事業者へのインタビューへと展開した。またLeo Vegodaがメーリングリストが依然として適切なコミュニケーション経路かを問い、Henrik Kramselundが新規参入者向けインターネットガイドを提案した。
ワーキンググループの主要論点
IPv6 WG
RIPE NCC Learning and Developmentによる高度なIPv6 eラーニング教材への意見募集、Delta Fiber/KindesのRinse KloekによるIPv6対CGNAT展開課題の報告、Route 128のWilhelm Boeddinghausによる企業IT部門向けIPv6展開ガイダンスの要請、SI6 NetworksのFernando GontによるIPv6セキュリティ課題のリモート講演、そしてRIPE NCCのOndrej CaletkaによるIPv6-onlyネットワークの検証依頼(問題はベンダーへ報告)が行われた。
Connect WG
複数IXPによる共通ルートサーバーフィルタリングポリシーの取り組みがStavros Konstantarasから提示された。提案は、2024年1月1日からIXP運営者がフィルタをAFRINIC・APNIC・ARIN・LACNIC・RIPEのデータベースのみから構築し、RADB・RIPE-NONAUTH・NTT・LEVEL3に12か月の猶予期間を設けるというものである。
Routing WG(2023年5月24日水曜 09:00–10:00 UTC+2、議長:Ignas Bagdonas、Paul Hoogsteder、Job Snijders)
RIPE NCC Trust Anchor上のRPKI証明書が20,000に到達。「Publish in Parent」はRIPE 85で発表済み、ASPAはパイロット/公開API段階、公開ステータスページも運用中。今後の計画にはrsync容量、RPKIダッシュボードのゼロからの書き直し、ISAE 3000準拠フレームワーク、HSM交換、標準批准後のASPA本番APIが含まれる。Job Snijdersは複数観測点のRPKIデータをアーカイブするRPKIviewsを発表し、ホスティング・ストレージの支援を求めた。Ben Cartwright-CoxはNL-IXや南アフリカのINXでの導入を含む「Realtime bgp.tools, One Year On」を報告。Job Snijdersが共同議長を退任し、RIPE議長Mirjam Kühneの立ち合いによる手拍み採決でBen Cartwright-Coxが新共同議長に選出された。
Address Policy WG
安定性と世代交代のためのWG議長任期制限の議論。LeoによるIPv6ポリシーレビューでは、大型アロケーションに対するドキュメンテーション要件の不明確さ、HD-ratio実装の複雑さ、ニブル境界を外れたアロケーション、PI割当上限が指摘された。目標成果物として、予測可能なドキュメンテーション要件、HD-ratioの再考、ニブル境界アロケーション、管理組織に基づくPI割当(/44までニーズ要件を撤廃)が挙げられた。IXPに対しては新規に/26をデフォルト付与し、50%超使用時に/24を申請可能とする提案があり、IXP向けIPv4プールは2029年頃に枯渇すると見込まれた。AGGREGATED-BY-LIRのIPv4 PA割当の地位について、LIRの著しい不遵守の中で議論が続いた。IPv6ポリシー目標への反対は挙がらず、メーリングリストでの再確認が提案された。
総会(24~26 May 2023、RIPE 86週間中)
選挙:Raymond Jetten、Maria Häll、Harald A. SummaがExecutive Boardに当選。結果は2023年5月26日金曜10:30 UTC+2に発表された。
- 決議1:RIPE NCC Financial Report 2022を採択(承認)。
- 決議2:Annual Report 2022およびFinancial Report 2022に基づくExecutive Boardの免責(承認)。
- 決議3:RIPE NCC Charging Scheme 2024 Model Dを採択。
- 決議4:ASNごとの追加EUR 50課金 — 承認されず。
- 決議5:承認済み移転申請ごとの追加EUR 500課金 — 承認されず。
- 決議6:RIPE NCC Standard Service Agreementの改正を採択(承認)。
注記:記録の薄いセクション
当初想定された2023年10月の会期が事実と合致しないため、「RIPE 86=2023年10月」という枠組みに依存する記録系の側面は成立しない。確認可能な事実は上記の通りであり、RIPE 86自体は2023年5月のロッテルダム会合として完結している。
参考(日付で確認した実績)
- RIPE 86:オランダ・ロッテルダム、2023年5月22日~26日。
- RIPE 85:セルビア・ベオグラード、2022年10月24日~28日。
- RIPE 87:イタリア・ローマ、2023年11月27日~12月1日。
- 「RIPE 86 Begins Today」:2023年5月22日付、RIPE NCCニュース。Mirjam Kühne議長が5月22日14:00現地時間に開会。
出典:RIPE meetings、RIPE 86 meeting site、RIPE NCC news、GM minutes May 2023、Routing WG minutes、IPv6 WG minutes、Address Policy WG minutes、Connect WG minutes、RIPE NCC Services WG minutes、RIPE Labs、RIPE meetings archive、RIPE 87 calendar、RIPE 86 participation page、General Meeting May 2023。ローカル参照:BTW directory entry。
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