要約

  • 事業者が社内の規制カレンダーに載せられるのは、確定したCompetition Policyの内容と施行時期だ。MDDDの市場リストだけから個別の義務を見積もることはできない。
  • CRAは10月7日、事後政策を最終成果、事前のMDDDを中間段階と位置づけ、支配指定と救済策の協議を次の手続きに挙げた。

通信事業者にとって、10月7日の更新は新しい個別義務の告知というより、社内の規制カレンダーを二つに分ける材料だ。事後のCompetition Policyは最終成果として示された。一方、事前のMDDDは市場定義の方法と候補市場・関連市場のリストを示した段階で、支配的事業者の指定や救済策の協議はこれからである。現時点で確定事項と未決事項を同じコンプライアンス項目にまとめるべきではない。

この違いは、同じ「競争枠組み」の中に別の判断があることを示す。事後政策は、競争を損なう行為が起きた際の扱いを定める。事前のMDDDは、どの通信市場で予防的な義務が必要になり得るかを絞り、その市場で特定の事業者が支配的かを調べる。CRAは2025年11月の相談開始時にも、この二つを関連しながら別々に進める要素として説明していた。公式の競争枠組みページは、市場支配力を定期的に評価し、必要な場合に義務を検討するとしている。

社内カレンダーに載せる確定事項

2025年10月のMDDD相談資料は、その順序を二段階で示した。まず市場定義の方法を更新し、「三基準テスト」で候補市場を評価して関連市場を決める。次に、関連市場ごとに支配力を審査し、支配的と認定されたサービス提供者への救済策を検討する。同資料によると、前回のMDDD審査は2016年だった。

したがって、関連市場に含まれたという事実は、特定事業者への判断ではない。市場リストは、どこで次の審査を行うかを示す。支配の認定には別の証拠が必要であり、救済策にも、どの競争上の制約に対してなぜその義務が合うのかという説明が必要になる。

10月7日の発表は、今回の審査に使う候補市場・関連市場のリストが確定したと伝えたが、会場で示された個別市場、事業者名、具体的な救済案までは列挙していない。CRAの競争枠組みページには、2026年9月1日付の「ICT Competition Framework」が5件の添付資料付きで掲載されている。手法と市場リストの最終形は、イベントの要約ではなく、その資料で確認したい。

次の公表で確認する三つの判断

更新された事後政策には、その文書に定められた適用時期と行為規則がある。MDDDの事前規制ルートでは、定義した市場と市場支配の証拠を結び、支配指定から提案救済までを相談にかける工程が残る。10月7日の説明は、後続する個別判断がすでに出たとは述べていない。

事業者の実務では、二つのカレンダーを混ぜないことが重要だ。事後政策の改定は、確定した文書の内容と施行日を読んで対応できる。将来の事前義務は、市場ごとの調査と後続決定に左右される。全体が完了したと扱えばMDDDの残作業を見落とす。逆に、関連市場の掲載だけで新たな義務が始まると考えれば、発表が示す段階を飛び越してしまう。

日程にも更新が必要だ。2025年10月の相談資料は、第二段階を2026年上期に予定していた。ところが2026年10月のワークショップ報告では、支配指定と救済策の相談が次の手続きとして示され、新しい日付は公表要約に記載されていない。事業計画では、過去の予定を現行期限とみなさず、次の正式な相談公告を待つべきだ。

実務上は、確定した事後政策を通常の遵守管理に置き、MDDDの市場リストは個別指定が出るまで監視対象として扱うのが筋だ。次の協議では、市場ごとの根拠、指定の判断、救済策と適用時期が別々に示されるかを確認したい。

出典