Summary

  • MPF は9月10日、DPU とともに Data Center Pecém の稼働前に環境影響調査と Anacé との事前協議を求める訴訟を公表した。請求が認められたことを示す資料ではない。
  • 市場が見極めるべきなのは、建設の進み具合だけではなく、営業開始までに必要な証拠と意思決定である。対象は敷地内の効率だけにとどまらない。

「許可はある」と「稼働前に追加の条件が必要だ」は、必ずしも同じ段階の話ではない。ブラジルのセアラー州 Caucaia で建設中の Data Center Pecém を巡る訴訟は、その違いを浮かび上がらせる。9月10日の MPF 発表によれば、MPF と DPU は環境調査などを実施する前の稼働を認めないよう求めている。本稿はこの発表に記された請求を扱い、最新の裁判経過を確認したものではない。

工事の許可から稼働の許可へ

MPF は、事前許可と設置許可がすでに交付されていると説明する。そのうえで両機関が求める緊急措置は、条件を満たすまで Semace が操業許可その他の稼働承認を出せないようにし、Omnia にも操業や最終的な通電を開始させないというものだ。

中心となる請求は、環境影響調査・報告書 EIA/Rima の作成と、Anacé に対する自由意思に基づく、事前の十分な情報を伴う協議である。MPF は、当初の相手方 Omnia と Semace に加え、裁判官の初期の手続き上の指示を受けてセアラー州と Caucaia が訴訟に加わったとしている。それを、求められた稼働制限が認められたとの意味に読み替えてはならない。

データセンター単体では答えられない問い

両機関は揚水試験、水文地質モデルの検証、水と電力に関する累積的影響の一体的な監視を求める。評価対象は施設だけでなく、工業地区全体を含む。近隣で井戸に依存するコミュニティーへの懸念は原告側の主張であり、本稿が事業による地下水位の低下を独自に実測したわけではない。

ここには異なる二つの尺度がある。設備が資源を効率よく使えるかという問題と、複数の利用者が共有する資源にどれだけ余裕があるかという問題だ。前者の数値が良くても、後者への回答にはならない。この整理は評価の考え方であって、Pecém の実際の水使用量を判定するものではない。

また、両機関は説明会と、コミュニティーの手順に沿って求める事前協議とを区別している。5月20日の DPU 発表には、調査、参加、監視を巡る先行の共同勧告が記されている。これは裁判外の働きかけであり、裁判所の命令ではなかった。9月の公表は、そうした条件に司法上の強制力を持たせようとする動きとして読む必要がある。

会社の反論と、確認できていないこと

9月14日の UOL 報道に掲載された声明で、Omnia は計画の技術的・法的な根拠を擁護し、Semace の手続きの下で現在の活動に必要な有効な環境許認可を得ていると述べた。また、その時点では正式な訴状送達を受けていないとしている。これは同報道時点の会社の説明であり、現在の送達状況を独自に確認したものではない。

したがって「すべて解決済み」とも「裁判所が停止させた」とも断定できない。確認した資料は稼働前の条件を巡る対立を示すが、差止め命令、許可取消し、遅延の期間を確定するものではない。