要約

  • 9月28日のPCE作業部会草案第07版は、PCUpdで受け取るエントロピーラベル位置を従来の位置集合の完全な置換と定めた。
  • 正常な更新には置換と削除の二つがある。無効または一部しか有効でない位置情報では、既存の経路とラベル状態を変更してはならない。

SR-MPLSの経路には、複数のセグメントの後ろにELI/ELの組を挿入できる。経路が変われば挿入位置も見直す必要がある。旧経路の位置を一つ残し、新経路の位置を一つ足した装置は、どちらの計算結果にも従っていない。運用画面に「更新済み」と出ても、実際のラベルスタックの出所が説明できなくなる。

エントロピーラベルそのものが今回の新発明ではない。第06版にもPCEの能力告知、PCCの要求、SR-ERO上の位置を表すEビットがあった。第07版が追加した核心はPCUpdの解釈だ。受信した位置情報は当該LSPの従前の全位置を置き換える。Eビットを含む有効なSR-EROなら新集合へ一括移行し、Eビットのない有効なSR-EROなら以前のELI/ELの組をすべて除去する。無効な集合や部分的にしか有効でない集合なら、PCCは経路も位置状態も変えてはならず、PCUpdのSRP識別子と対応するエラーを返すべきだとする。

能力の食い違いにも歯止めを掛ける。PCEが位置計算機能を告知していなければPCCは計算を要求してはならない。スタック深度のMSDやERLDが足りず妥当な位置を出せない場合、PCEは使えるSR-EROの断片を成功らしく返さず、エラーを返す。要求していない位置情報が応答に混ざった場合にも、PCCは適用してはならない。

ただし文面にはなお検討の余地がある。直前の段落は無効な再計算に対してラベルなしの経路更新に触れる一方、新しいPCUpd段落は無効・不完全な情報で既存状態を保持せよと述べる。有効なEビットなしの削除と、無効な位置指定は別の事象として読めるが、失敗時の順序は十分に整理されていない。エラー値にもTBDが残る。

Datatracker上では作業部会最終確認中の有効なInternet-Draftで、状態はI-D Existsだ。RFCの成立や実ネットワークでの性能向上を示す記録ではない。

出典