要約
- オランダ政府はEUのギガビット目標を支持する一方、銅線撤去の判定を光回線だけで測る案に異議を唱える構えだ。
- 2035年までの道筋は地域ごとの条件付きで、法案はなお審議中。リムリックでの意見交換だけでは規則にならない。
95%が数えるのは契約者ではなく敷設範囲
European Commission が示したDigital Networks Act案では、銅線を早期に停止するには、地域ごとに二つの条件がそろう必要がある。光回線がその地域の建物の少なくとも95%まで敷設されていること、そして銅線を使う利用者が同等品質の手頃な小売接続サービスを選べることだ。各国の規制当局が地域単位で評価し、価格の妥当性について客観的で透明な基準を設ける。95%は光回線が建物まで届く範囲であり、銅線利用者の95%がすでに移行したという意味ではない。
この閾値は、通信品質だけでなく採用する技術も選んでいる。ケーブル網はギガビット目標に寄与し得るが、ケーブルだけでは法案の「光回線95%」という条件を満たさない。一方、同等品質の小売サービスがあるかを審査する際には、ケーブルが候補になり得る。二つの条件は役割が異なる。「95%接続済み」と一つにまとめると、その差が見えなくなる。(Digital Networks Act案、第54~58条)
オランダが問題にするのは測定方法
オランダ政府が9月18日にTweede Kamerへ送った会合前の説明書は、European Commission の2030年EU全域ギガビット目標を支持し、銅線撤去も達成に役立つと認めている。ただし、銅線の代替にも目標の進捗測定にも、光回線だけを固定通信の選択肢として扱う点を問題視する。ケーブル網も目標に貢献できる、というのが内閣の主張だ。光回線がすでに全国のほぼ全域を覆い、ギガビット目標もほぼ達成している国に、同じ移行計画と撤去計画の事務負担を課すことは比例を欠くとも述べた。担当国務長官は、この論点を非公式会合で提起するとしている。(オランダ政府からTweede Kamerへの会合前書簡)
この文書は、ケーブルがすべての銅線利用者をすでに支えているとも、案の品質条件を自動的に満たすとも述べていない。争点は指標の置き方だ。欧州共通の接続目標に向かうために、各段階で一つの固定技術だけを優先すべきなのか。同書簡は、複数の加盟国が技術名ではなく品質に基づく基準を求めていることや、行政負担を懸念する国があることも記すが、合意済みの修正案までは示していない。
2035年は一斉停止の命令ではない
法案の工程には段階がある。2035年12月31日より前は、持続可能性の条件を満たした地域で加盟国が銅線撤去を命じる。期限までには原則すべての銅線撤去対象地域で命令が必要となるが、光回線敷設が経済的に成り立たず、十分な代替接続もない地域には例外がある。命令は各国の拘束力ある法的措置で定める。いずれも提案段階の条文で、現行義務ではない。
Irish Presidency は10月12、13日のリムリック会合を、Digital Networks Act などを話し合う非公式の意見交換として案内している。European Parliament の手続ページはこの法案を通常立法手続に分類し、確認時点では委員会判断待ちと表示していた。したがって、オランダの書簡は交渉前に公表された政府の立場であり、法改正でも、閣僚会合の結論でもない。(Irish Presidencyの会合案内; European Parliamentの手続ファイル)
通信事業者にとって焦点となるのは、銅線設備を外す前に、地域ごとにどの地図とサービス基準を使うかだ。家庭に必要なのは全国の速度目標ではなく、現在の接続を置き換える、手頃で同等品質のサービスである。案は各国規制当局に判定の一部を委ねており、他方式をどこまで認めるかは最終法令で決まる。
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