Summary

  • Ofcomは2026年4~6月の固定ブロードバンド苦情で、BT、EE、TalkTalk、Vodafoneを苦情率の高い事業者として挙げた。
  • 同じ報告書は四社を一つの比較可能な群に置く。実測差が顧客10万人当たり1件未満なら、順位だけで優劣を決める材料にはしないという基準だ。

四社の名前を並べれば、通信会社の「最下位争い」ができあがる。だが10月26日に公表されたOfcomの報告書を少し先まで読むと、その競走には判定線が引かれていない。固定ブロードバンドで苦情の多いBT、EE、TalkTalk、Vodafoneは、顧客10万人当たりの率の実測差が1件未満。Ofcomはこの範囲の結果を比較可能と扱い、四社を同じ組に入れた。

しかも、四社は同じ方向に動いていない。前期からBTは横ばい、EEは増加、TalkTalkとVodafoneは減少した。今期の位置だけを見れば同じ高水準の群でも、事業者が向かう先は異なる。利用者が次に契約を選ぶとき、差の小さい順位より、苦情の原因と継続的な改善のほうが役に立つ。

統計が数えているものを明確にしたい。Ofcomは住宅利用者が規制当局に寄せた苦情を、固定ブロードバンド、固定電話、月額契約の携帯、有料テレビに分け、各社の顧客数で割る。顧客10万人当たりにそろえることで、顧客の多い会社が件数だけで不利になる問題を抑える。一方、会社に直接寄せられて終わった苦情や、裁判外紛争解決機関だけに届いた苦情はこの集計に入らない。一度の連絡に複数の問題があれば、原則として一つのサービスにつき最大二件の苦情を記録する。

この集計は、顧客が社内の窓口を越えて規制当局に来たという重要な記録である。Ofcomによれば今期、固定ブロードバンド、固定電話、月額携帯では故障、サービス品質、接続が主な苦情の理由だった。対応の遅さが苦情をOfcomへ押し出しているなら、順位の変化は設備だけでなく顧客対応も映す。報告書の方法はその読み方を示している。大きな見出しに載る一桁の差だけでは、どちらの仕事が悪かったのか分からない。

比較可能な群は他にもある。月額携帯ではO2とSky Mobile、有料テレビではEEとVirgin Mediaが同じ扱いだ。全体の苦情が前期より減ったのは有料テレビが下がったためで、固定ブロードバンド、固定電話、月額携帯は横ばいだった。「通信苦情が改善した」という一行にすると、動いていない三つの市場まで改善組に編入される。

利用者が読むべきなのは、自分が契約できる事業者の料金、速度、接続条件、障害時の対応と苦情の推移だ。Ofcomの表は調査の出発点になる。四社を同じ比較可能群に入れた判断は、その表をどこで読み止めるべきかも示している。

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