要点
- 2026年第2四半期、英国の固定音声回線は52万2,000減り、約2,020万になった。ただし、従来型の電話と管理型VoIPを合わせた数字だ。
- Ofcomは会社別データの掲載に必要な許諾を得られず、四半期統計の事業者別内訳を取りやめた。この説明がなかったとする旧稿を訂正する。
52万2,000回線減った。そう聞けば、役目を終えた銅線の数を思い浮かべるかもしれない。だが、Ofcomの統計で減ったのは「固定音声回線」という集計項目だ。数字は確かでも、そこから想像する設備の姿まで正しいとは限らない。
2026年第2四半期の公表値では、4〜6月の回線数は前期比2.5%減り、期末に約2,020万となった。集計には従来の電話網であるPSTNの回線、ISDNのチャネル、そして管理型VoIP接続が含まれる。VoIPはインターネットの通信方式で音声を運ぶ仕組みだ。これは一つの技術の在庫ではなく、異なる方式の音声サービスをまとめた数なのである。
たとえば、集計対象のある方式から別の方式へサービスを切り替えても、総数には残りうる。これは定義を理解するための例であり、今期にそうした移行が何件起きたと示すものではない。古い設備がどれほど不要になったかを知りたいなら、合計とは別に技術別の情報が要る。
事業者の数字がないのには、別の理由がある
では、どの会社で減ったのだろう。最近の四半期の全国合計からは、その問いに答えにくい。固定通信の表にあった事業者別データやBTのシェアは、2025年第1四半期以降、掲載対象から外された。
Ofcomの2025年7月の変更通知には理由が書かれている。英国の複数の大手通信事業者と協議したものの、会社別データを掲載するために必要な許諾を得られなかった、という説明だ。
旧稿は、この通知に理由の説明がないと記した。これは誤りだった。もっとも、通知は許諾しなかった会社やその動機を特定しておらず、Ofcomが情報収集そのものをやめたとも示していない。確かめられるのは、公表資料から会社別の比較に使える情報が減ったことと、その公表上の理由である。
回線数に複数の技術が混ざっていることと、事業者別の数字が出ていないことは同じ問題ではない。後者が解消しても、それだけで銅線の撤去本数がわかるわけではない。
減収と通話減は見える。顧客の行き先までは見えない
固定音声の四半期売上高は8億7,420万ポンドで、前年同期比16.1%減。固定網から発信された通話は約30億2,000万分となり、同16.3%減った。一方、固定ブロードバンドは期末に約2,950万回線あり、前年同期比1.0%増だった。
声の利用が減り、ブロードバンドが増える。この並びは目を引く。ただし、統計は一人の利用者を追いかけていない。固定電話を解約した人がどのサービスへ移ったかは、この対比だけではわからない。
時間の取り方にも違いがある。売上高と通話時間は3か月分の合計で、回線数は期末の時点の数だ。報告書の注記によれば、アクセスと通話の売上高は付加価値税を除く。インターネット加入料は本来含めないが、一部が残っている可能性もある。売上高を期末回線数で割っても、実測された家庭の請求額や回線維持費にはならない。
全国の固定音声市場が、示された指標で縮んでいることは読める。個別事業者の業績や特定の設備の余命は、なお別の資料を要する。大きな減少幅に出会ったときほど、まず数えたものを確かめたい。「何本減ったか」の前に、「何を一本としたか」がある。
2026年10月25日更新:事業者別データの非掲載についてOfcomが理由を説明していなかったとする記述を訂正した。2025年7月の通知には、掲載に必要な許諾を得られなかったと明記されている。初回公開日と記事URLは維持する。
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