要約

  • BERECの草案 BoR (26) 139 は、助成対象の光ファイバー網における卸アクセスについて、製品要件、価格設定、実装、監視の状況を整理している。22の国家規制当局(NRA)の回答では、ダクトとbitstreamがそれぞれ18件で必要な製品として挙げられた。
  • 使用データを一部報告したNRAは9、専用監視制度を報告したNRAは5だった。製品の義務付けや公表と、注文、納入、実利用の確認は別の段階である。報告された低利用だけから、需要不在、違反、競争上の損害を結論づけることはできない。

製品要件から実際のアクセスへ

公的資金によって光ファイバー網を建設することと、競合事業者がその網を卸入力として購入し、顧客向けサービスを提供できることは、異なる政策成果である。建設された設備を他社が利用するには、アクセス義務が定められているだけでなく、適切な商品が設計され、価格や契約条件が明らかになり、注文が処理され、必要な設備や接続が納入され、実際のサービス提供につながる必要がある。

BERECの草案 BoR (26) 139 は、この連鎖を検討するための現状資料である。2026年10月1日に採択され、10月7日に意見募集が始まり、回答期限は11月13日とされた。対象は助成対象のFTTH(家庭向け光ファイバー)やFTTB(建物向け光ファイバー)網であり、受動的アクセスと能動的アクセスの双方を扱う。草案は、規制当局の経済的・技術的な評価方法や、商品、価格、実装、監視に関する実務を比較するもので、最終規則でも個別案件の違反認定でもない。

22のNRAの回答では、必要な卸製品としてダクトとbitstreamが各18件、暗黒光ファイバーが14件、VULAとコロケーションが各13件、電柱が12件、物理的アンバンドリングが11件、バックホールが10件だった。これらは製品要件に関する回答数であり、契約数、利用件数、市場シェアを示す数字ではない。

製品の種類が多様なのは、卸アクセスの仕組みが一様ではないためだ。ダクトや電柱は、他社が自らの設備を敷設するための基盤となる。暗黒光ファイバーでは、卸利用者が伝送設備を用意する必要がある。一方、bitstreamやVULAでは、ネットワーク事業者が提供するアクセス機能を卸入力として利用する。必要な設備、運用能力、接続条件は商品ごとに異なる。したがって、製品一覧の広さだけで、実際に利用可能なアクセスが確保されているかを判断することはできない。

価格と監督の仕組み

価格設定に関する草案の集計では、SMP(著しい市場支配力)規制価格が38例、SMP規制の対象外での費用志向が29例、競争地域の価格を参照するベンチマークが29例、ERT(経済的再現可能性テスト)が8例だった。これらは価格設定方法の回答例であり、重複を含むため、国数や相互排他的な分類として解釈してはならない。

各方式は異なる条件や目的に対応する。SMP規制価格は市場規制上の枠組みに基づき、費用志向の手法は費用との関係を扱う。競争地域ベンチマークは他地域の価格を参照し、ERTは卸価格と小売価格などの関係から、効率的な下流事業者が活動できる余地を検証するために用いられる。方式が複数存在すること自体は、不公平な条件や制度の失敗を意味しない。比較には、対象製品、算定条件、適用される規制をそろえる必要がある。

監督体制にも違いがある。参照オファーを評価すると回答したNRAは9、助言的役割または正式承認に関与しないと回答したNRAは13だった。市場協議については14が実施、7が未実施、1が無回答とした。この数字だけでは、監督の強さや市場協議の質を比較できない。承認に関与しないことは、監督が存在しないことと同義ではなく、市場協議を実施したことも、寄せられた意見がどのように反映されたかを示すものではない。

注文・納入・利用を分けて測る

アクセスの実効性を調べるには、商品が存在するかどうかに加え、取引の進行を段階別に記録する必要がある。商品と価格条件の公表、注文受付、注文から納入までの期間、未処理や取消注文、納入後の稼働状況、実際の利用量を区別すれば、どの段階の情報が不足しているかを把握しやすくなる。

草案では、使用データを一部報告したNRAは9、専用監視制度を報告したNRAは5だった。積極的アクセスは報告対象地域で比較的多く利用され、受動的なダクトや電柱はフランスを除く多くの報告国で低利用とされた。bitstreamについても、回答のおよそ半数が低利用を報告した。ただし、サービスごとに回答の分母は異なり、これらをEU全体の利用統計として一般化することはできない。

また、低利用という結果だけでは、その理由は特定できない。需要の規模、商品が利用可能になった時期、技術仕様、価格や契約条件、代替設備の有無などは、追加検証の対象となり得るが、草案の集計値がこれらを原因として立証したわけではない。注文が少ないことは需要不在の証拠ではなく、納入が確認できないことも、直ちに違反を意味しない。納入済みの商品について利用データがない場合も、実際に利用がないのか、データを別の機関が保有しているのかを分けて確認すべきである。

そのため、監視指標には、対象地域、観測期間、製品別の定義、データの分母、収集主体を明記することが重要になる。注文が成立しない状態、納入の遅延、納入後の利用状況が把握できない状態を別々に捉えれば、追加調査の対象を絞り込める。これは本稿の分析上の提案であり、BERECがこれらすべてを統一的な指標として採用したという意味ではない。

現行法と改正案を区別する

2026年10月17日時点では、2023年EUブロードバンド国家援助ガイドラインと現行の一般ブロック適用規則(GBER)が適用されている。欧州委員会によるGBER見直しは提案段階であり、委員会は2026年末の採択と2027年1月1日の発効を計画している。この予定を確定した施行事実として扱ったり、見直し案を現行法と同一視したりすることはできない。

同様に、BEREC草案は意見募集の対象であり、今後の協議を経て内容が変わる可能性がある。現時点で重要なのは、草案の集計値を制度全体の成否を判定する数字として扱うことではなく、正式な義務から商品設計、価格、注文、納入、利用測定まで、どの段階の情報が確認でき、どこに追加データが必要かを明確にすることである。助成対象網の評価を建設完了だけに限定せず、各段階を検証可能にすることが、実際の卸アクセスをより正確に理解するための基礎となる。

出典

  1. BEREC:国家補助対象ネットワークのアクセス条件に関する報告書案の意見募集
  2. BEREC:報告書案 BoR (26) 139(PDF)
  3. 欧州委員会:2023年ブロードバンド網国家補助ガイドライン
  4. 欧州委員会:一般ブロック免除規則(GBER)の見直し
  5. EUR-Lex:現行の一般ブロック免除規則(EU規則第651/2014号)