要約

  • ICANN理事会は2027年NomCom委員長にCharles Mok氏、Chair-ElectにRon da Silva氏を任命した。BGCの推薦後、候補者の絞り込み面接を経ている。
  • 細則はChair-Electから委員長への移行を想定するが、別の人を任命する権限は理事会に残る。公開記録は、前周期のChair-Electが次期委員長にならなかった理由を示していない。

想定される後継は、確約された後継ではない

ICANN理事会は10月5日の臨時会合で、Charles Mok氏を2027年指名委員会(NomCom)の委員長に、Ron da Silva氏をChair-Electに任命した。決議は2日後に公表された。理事会の説明によると、理事会ガバナンス委員会(BGC)は応募表明や資料を審査し、2026年NomComメンバーによる現体制の評価を考慮したうえで、候補者を絞って面接し、2人を推薦した。理事会は決議2026.10.05.01で推薦を採用した。

前周期の任命と比べると、後継規則の意味が分かる。2025年の理事会は、2026年の委員長にThomas Barrett氏、Chair-ElectにJames Gannon氏を任命した。次の周期ではMok氏が委員長となり、da Silva氏がChair-Electに選ばれた。公開記録は、Gannon氏が再応募したか、BGCがなぜ別の委員長を推薦したかを説明していない。名前だけから評価の失敗や問題を推定することはできない。

ICANN細則第8.3(d)節は、Chair-Electが任期終了後に委員長へ任命されることを想定する一方、理事会が別の人を任命する裁量を明記する。同じ節は、委員長を続投させ、定めた期間だけChair-Electの職を空席にする場合も認めている。第8.3(c)節によれば、両職の任期は次回年次総会の終了までだ。

つまりChair-Electは、引き継ぎと研修の仕組みであって、委員長への任命保証ではない。2027年の応募募集は、この職がNomComの独立レビューを受けて設けられ、委員長のそばで経験を積むことを目的とすると説明する。募集文では助言役としての職ではないとされる一方、細則上は無投票権のアドバイザーに位置づけられる。いずれにしても、委員長にもChair-ElectにもNomComでの投票権はない。

委員長は、ICANNの一部理事や主要な役職を選ぶ委員会の運営を担うが、個人で選考結果を決めるわけではない。BGC憲章は毎年の推薦をBGCに求め、最終任命は細則により理事会が行う。応募、推薦、任命は別々の段階だ。

2025年の理事会決議はBarrett氏とGannon氏の前周期の組み合わせを確認している。2026年決議は一部事項が機密扱いだとも記すが、内容を特定していない。それはMok氏が選ばれた理由を示すものではない。規則が示すのは、Chair-Electは後継に備えるが、後継を約束されないということだ。