Summary

  • RIPE NCC は2026年9月3日に 80.43.0.0/18 の APNIC 向け移転を、14日に隣接する 80.43.64.0/18 と 80.43.128.0/17 の ARIN 向け移転を記録した。三つを合わせると、重複も欠落もない 65,536 アドレスの /16 になる。
  • APNIC は最初の /18 の移転時の受け手を CV. Rumahweb Indonesia と記す一方、送り手を ORG-OTIS1-RIPE と表記する。RIPE の組織レコードを引くと、その識別子は TalkTalk Communications Limited に結び付く。

大きな移転ほど大きな見出しが付くとは限らない。RIPE NCC の地域間 IPv4 移転の原表には、TalkTalk Communications Limited からの三つの行が並ぶ。2026年9月3日、80.43.0.0/18 が APNIC へ。9月14日には 80.43.64.0/18 と 80.43.128.0/17 が ARIN へ。行をアドレス順に並べれば、80.43.0.0/16 の最初から最後までが埋まる。

数を確かめると、最初の /18 は16,384個、二番目も16,384個、/17 は32,768個。合計65,536個で、同じアドレスを二度数える場所も、残る場所もない。APNIC が一四半分、ARIN が残り49,152個を受ける地域となった。最初と最後の日付の差は11日。RIPE は三件とも POLICY、PERMANENT と記し、移転元の国コードを GB としている。ただし、この出庫表は宛先の登録機関までしか示さない。ARIN 側の二件について受け手の組織名をここから作ることはできない。

最初の四分の一については、APNIC が11月2日に作成した累積移転ファイルが別の窓を開く。80.43.0.0–80.43.63.255 の移転を9月3日06:41:22 UTC と記録し、移転時の受け手を CV. Rumahweb Indonesia、国コードを ID とする。一方、送り手の欄は TalkTalk という文字列ではなく ORG-OTIS1-RIPE と国コード ZZ だ。範囲が食い違ったのではない。登録機関の境界を越えたとき、同じ送り手を示す形式が変わった。

RIPE の ORG-OTIS1-RIPE 組織レコードには TalkTalk Communications Limited と明記されている。登録日は2004年4月、現行レコードの最終変更日は2026年5月で、今回の9月の移転より前だ。RIPE の移転行に載る名前と APNIC が受け取った識別子は、この一次記録で照合できる。GB と ZZ はそれぞれの台帳にあるフィールド値であって、通信経路の地図ではない。

時刻にも種類がある。APNIC の現在の RDAP 応答は移転した /18 と同じ範囲を返し、ネットワーク名を CRI-ID、登録時刻を9月3日06:41:57 UTC としている。APNIC の移転時刻より35秒後だが、二つの公開時刻だけで処理の全順序は復元できない。移転時の受け手の名称と現在のネットワーク名を、企業の改称の証拠として直結させることもできない。

確認できる結論は十分に具体的だ。TalkTalk を元に持つ /16 全体が11日で三分割され、二つの地域登録機関へ移った。APNIC はその一部の移転時受け手を示し、RIPE は APNIC 側の識別子に人が読める名前を与える。売買価格、契約、経路変更、ARIN 側の現在の保有者は別の原資料を要する。