要約

  • RIPE NCCの確定した2026年計画は、LIR口座の年会費1,800ユーロのうち246ユーロを「The Registry」に割り当てる。承認済みの2027年料金制度は年会費を1,894ユーロとするが、2027年予算案の図では同じ登録業務の配分が242ユーロになる。会費は94ユーロ増え、登録業務は4ユーロ減る。
  • 組織全体の営業費用予算は4,112万5,000ユーロから4,417万5,000ユーロへ305万ユーロ増える。技術の179万ユーロ増、減価償却の124万5,000ユーロ増、登録業務の1万5,000ユーロ増を足すと、その305万ユーロになる。

会費の値上げは一枚の請求書で済む。使い道を読むには二年分の図を並べなければならない。RIPE NCCが会員に提示した数字は意外なほど率直だ。2027年にはLIR口座あたり94ユーロ多く集める。その一方で、予算案が登録業務に割り振る額は4ユーロ減る。台帳を守る名目の会費が上がるとき、台帳の行が縮む。問いはその差額の使途だ。

確定版の2026年活動計画・予算にある「1,800ユーロの会費の行き先」は、登録業務246ユーロ、情報サービス560ユーロ、対外活動・コミュニティ428ユーロ、組織の持続可能性525ユーロ、貸倒れ16ユーロ、減価償却24ユーロ、剰余1ユーロと示す。合計は1,800ユーロ。個々の会員に資金を分別保管する約束ではなく、標準年会費を説明する予算上の図だ。それでも、共同の料金が何を買うのかを会員が問う起点になる。

承認済みの2027年料金制度は1口座あたり1,894ユーロ、前年から94ユーロ、5.22%増と定めた。2027年活動計画・予算案の配分図は、登録業務242ユーロ、技術626ユーロ、対外活動・コミュニティ420ユーロ、組織の持続可能性513ユーロ、貸倒れ16ユーロ、減価償却77ユーロを記す。こちらも合計1,894ユーロだ。2026年の「情報サービス」は2027年の表で「技術」と呼ばれ、予算案の前年比較表が両者を接続している。名称を無視して同じ列と決めつける必要はない。RIPE NCC自身が対応づけを示した。

差分を足すと構図がはっきりする。技術は会費あたり66ユーロ増、減価償却は53ユーロ増。登録業務は4ユーロ減、対外活動は8ユーロ減、組織の持続可能性は12ユーロ減、2026年の剰余1ユーロは消える。貸倒れは16ユーロで同じ。66 + 53 - 4 - 8 - 12 - 1 = 94。登録業務の割合は13.67%から12.78%へ下がる。支払額が増えても、その会費の中で台帳に向かう比率と金額はともに小さくなる。

組織全体の費用表も見る。2026年の営業費用予算4,112万5,000ユーロに対し、2027年案は4,417万5,000ユーロ、増加分は305万ユーロ。技術は1,280万から1,459万へ179万ユーロ増。減価償却は54万から178万5,000へ124万5,000ユーロ増。登録業務は566万5,000から568万へ1万5,000ユーロ増にとどまる。三つの増分を合わせると305万ユーロだ。対外活動980万、組織の持続可能性1,194万5,000、貸倒れ37万5,000ユーロは据え置き。総費用に占める登録業務の割合は13.78%から12.86%へ下がる。

RIPE NCCの予算案公表文は、技術基盤の更新を重点と説明する。設備投資の別表では2026年の93万ユーロから2027年案の1,048万ユーロへ増える。これは上の営業費用増加分に重ねて足す数字ではない。いずれの表も、経営資源が台帳部門そのものより技術と資産に向かう選択を示している。

料金制度はすでに承認され、2027年活動計画は12月に理事会が最終判断する予定だ。そこで配分が変われば、242ユーロという数字も変わる。いま会員が尋ねるべきことは明確である。登録業務に回る額が減るのに共通会費を94ユーロ増やすなら、ほかの仕事をその共通料金で担う範囲を誰が決めるのか。インフラ更新に賛成する会員にも、その選択権は残る。

RIPE NCCの一次資料