要約

  • RIPE NCCは同じ45.80.144.0/22を2025年と2026年の恒久的な合併移転として記録した。異なる2048個ではなく同じ1024個の履歴だ。
  • ORG-AA2239-RIPEの版が三つの途中の社名を結び、アドレスオブジェクトと現行RDAPはADVANIA NORGE ASへの変更を示す。

RIPE NCCの移転一覧には、同じ45.80.144.0/22が二度載っている。2025年1月15日にはAdvania Vestfold ASからADVANIA NORGE 51 ASへ。2026年10月30日にはAdvania Focus ASからADVANIA NORGE ASへ。いずれも分類はMERGER_OR_ACQUISITION、状態はPERMANENTだ。ところが一覧だけを読むと、最初の受け手と次の送り手の名前がつながらない。途中で1024個のアドレスを誰が持っていたのか。

答えは移転一覧ではなく組織オブジェクトの版にある。ORG-AA2239-RIPEの第12版の名称はAdvania Vestfold AS。2025年1月15日更新の第13版はADVANIA NORGE 51 AS、同年2月25日の第14版はAdvania Focus ASとなる。名前は三つでも識別子は一つだ。2026年10月30日の第17版にもFocusの名が残る。第1の受け手から第2の送り手まで、レジストリ上の組織オブジェクトは連続していた。

アドレス側の履歴も照合できる。45.80.144.0–45.80.147.255を覆うinetnumの旧版はORG-AA2239-RIPEを参照し、2026年10月30日の新版はORG-SCA1-RIPEを参照する。現行のRIPE RDAPは同じ範囲の登録者をADVANIA NORGE ASと示す。二件の移転はそれぞれ別の1024個を運んだわけではない。同じ/22の登録先を時間順に追った記録であり、合計して2048個と数えれば帳簿にないアドレスを作ってしまう。

ここで二つの公開資料の役割が分かれる。移転ファイルは正式な資源の移動を記し、後の行にはノルウェーからノルウェーへの国コードも付く。オブジェクトの版はその間に起きた名称の変更を残す。2月25日の変更を第三の移転と呼ぶ必要はない。RIPE自身の履歴が、同一識別子の名前が変わったことを示しているからだ。逆に移転表だけでは、その接続を読み取れない。

取引条件を知るには公開契約書が、実際のネットワーク利用を知るには当時の運用記録が要る。登録上の連続性を知る資料はもう揃っている。移転の行から組織の版履歴へ直接進めるようにすれば、読者は名前の迷路を自力で解くために別々の台帳を開く必要がなくなる。

RIPEの一次記録