Summary

同じ32,768個でも、同じ状態ではない

/16に含まれるIPv4アドレスは65,536個。今回の移転は上半分の32,768個だけで、下半分は大学に残った。記録上の境界は明快だ。にもかかわらず、二つの/17を「同じ量の稼働資源」として数えると、経路の観測結果を消してしまう。

RDAPの秒針も興味深い。Medicusの新規登録は3日19時28分38秒UTC。Willamette側の最終変更も同じ秒で、古い登録日を維持する。移転原本の時刻はその一秒後だ。これは管理台帳の連続した処理を示す。ルーター側の稼働時刻を定める資料は、日付付きのBGP観測か運用記録になる。

RISの前日分も確認した。3日0時UTC、移転前の上側/17は既に0/322だった。履歴の最終観測は2014年4月14日。今回の移転で、直前まで見えていた完全一致経路が日次観測から消えたわけではない。長くこの観測面に現れていなかった半分の登録主体が変わった。一方、Willametteに残った下側/17はAS29984を起点として4日の322ピアすべてに見えていた。

買い手、通信事業者、古いアドレスの価値を数える人にとって、この差は実務そのものだ。ARINの公開行は移転元、移転先、範囲、種類、時刻を明示する。価格やMedicusの利用計画は載っていない。RISは指定時点の指定観測網で、経路がどこまで届いたかを示す。登録された容量と観測された到達性には、別々の証拠が要る。