要約

要約

  • 2022年3月9日、ある取締役は居住国の法律事務所から訴訟前の書簡を受けており、14日間の期限は翌10日に切れると記録されていた。理事会は通知期間を全員で放棄し、利益相反の申告なしとの議事録のもと、緊急の特別会議を開いた。
  • 決議202203.681は、会社が取締役の防御に要する法的費用を負担することと、NDAの対象事項について法務部門が各取締役の法的代理人と連絡・情報交換することを認めた。採決は賛成8、反対0、棄権0だった。
  • この決議が証明するのは授権であって、弁護士への指示、請求書、支払い、最終的な補償、保険の発動、訴訟提起、責任または結果ではない。NDA条項も、決議、投票、総額、審査、会員報告のすべてを秘密と明記したものではない。
  • 最も均衡の取れた答えは、助言、戦略、個人情報、訴状や明細を守る機密の法務記録と、権限、対象者、費用枠、総コミット額・支払額、保険・回収、利益相反処理、見直し、期限、終結を示す会員向け統制台帳を並立させることである。

翌日に迫っていた個人の期限

2022年3月9日の特別会議を理解するには、抽象的な「法務費用」ではなく、時間の圧力から始める必要がある。署名済み議事録によれば、ある取締役は居住国の法律事務所から電子メールで訴訟前の書簡を受け取っていた。書簡の発信者も受領者も公開記録では伏せられている。示されているのは、14日間の期限が3月10日に満了し、何らの対応もなければ取締役個人に対する法的措置が予告されていたということだ。その取締役は問題を理事会議長に持ち込んだ。

ここで用語を慎重に分けなければならない。訴訟前の書簡は、裁判所に事件が提起されたことを意味しない。期限の告知は判決ではなく、責任が確定した証拠でもない。「法的措置を取る」との予告が、実際の提訴、和解、請求の認容または棄却に至ったかどうかも、この記録からは分からない。誰が、どの国の、どの裁判所で、どの法理に基づき、何を求めたのかを推測する余地も与えられていない。分かるのは、個人宛ての期限が翌日に迫り、理事会がそれを緊急の会社事項として扱ったことまでである。

この時間軸は、決議の強い側面を先に示す。会社の職務を担った人が、居住国で個人的な法的威圧に直面したとき、初動を本人の資力だけに委ねれば、取締役に就くことのできる人、あるいは圧力の下で判断を続けられる人が、事実上、富によって選別されるおそれがある。翌日が期限なら、通常の長い予算審査や定例会議を待つことにも現実的な費用がある。緊急性は白紙委任を正当化しないが、迅速な制度的対応を検討する理由にはなる。

96分の特別会議

会議はオンライン会議方式で14時06分(UTC)に始まり、15時42分に終わった。議事録には、Eddy Kayihura、S. Moonesamy、Habib Youssef、Adewale Adedokun、Silvio Almada、Abdalla Omari、Benjamin Eshun、Oluwaseun Ojedejiの8人の取締役が出席したと記されている。出席者全員が14日前の通知を放棄することに同意し、定款19.2(ii)に基づく定足数を満たすとされた。唯一の実質的議題は、非業務執行取締役に対する訴訟前の書簡だった。

利益相反の開示欄について、署名済み議事録は「利益の申告はなかった」と記録している。この表現は重要である。記録が示すのは申告の有無であって、客観的な利益相反が存在しなかったとの独立判断ではない。さらに、決議の対象が最初に書簡を受けた一人から、同じ法的苦境に直面し得る他の取締役へ広がるなら、受益者になり得る集団と投票者の集団の関係は、統制設計上の検討事項になる。だからといって、記録だけから不適切な動機や違反を断定することはできない。

議事録によれば、Eddy Kayihuraが提案し、Abdalla Omariが賛成者となった。点呼投票の結果は賛成8、反対0、棄権0で、決議は全会一致で可決された。全会一致は、意思決定が行われたことを明確にする。一方で、それ自体が費用の相当性、法的適格性、NDAの適切な範囲、後続支出の審査を証明するわけではない。投票記録と、その後に必要となる執行統制は別の証拠である。

二つの授権を一つに潰さない

決議202203.681には二つの作用がある。第一に、取締役の防御に要する法的費用を会社が負担することを認めた。第二に、NDAの対象となる事項について、AFRINICの法務部門が各取締役の法的代理人と連絡し、情報交換することを認めた。費用を引き受ける会社権限と、機密の法務連絡経路を設ける会社権限が、同じ決議の中で結ばれたのである。

この二つを区別することが、分析の出発点になる。費用負担の授権は、資金面のリスクを個人から会社へ移し得る。連絡の授権は、法務部門と外部の代理人との間で、NDA対象事項を扱う経路を開く。前者は誰のどの費用をどの条件で会社負担にするかという支出統制に関わり、後者は誰がどの情報をどの守秘条件で交換できるかという情報統制に関わる。相互に関連はするが、同一ではない。

決議文は、他の取締役も同じ法的苦境に直面する可能性に触れている。そのため「各取締役」の範囲も、公開記録だけでは完全には定義されていない。現任取締役全員なのか、同様の書簡を受けた者だけなのか、他の適格条件があったのかは分からない。分からないものを、無限定の資格とも、極端に狭い資格とも断定すべきではない。必要なのは、受益者の氏名を公表することではなく、少なくとも受益者類型と適格条件を統制記録に置くことである。

授権、指示、請求、支払い、補償は別の段階である

「会社が費用を負担することを認めた」という文章は、実際に金銭が支払われたことを示さない。弁護士が選任されたこと、誰かが正式な業務指示を出したこと、料金条件が合意されたこと、請求書が届いたこと、その請求が審査されたこと、会計上の債務が計上されたこと、送金されたことも証明しない。さらに、当初の立替、後日の精算、最終的な補償は、それぞれ法的・会計的な状態が異なり得る。

保険も同様である。AFRINICの定款21.2は保険を別に扱っていたが、この決議と公開議事録から、保険会社への通知、補償範囲の確認、免責、保険金の支払い、会社への回収があったとは言えない。定款21.1は、取締役と従業員の補償を会社法で認められる範囲に限る趣旨を示していた。しかし、決議はその条文を引用せず、会社法を当該事情に適用した法的意見も公開していない。これは権限がなかったとの結論ではなく、公開された証拠が適用過程を示していないという限定である。

同じ注意が結果にも必要だ。書簡の後に訴訟が提起されたか、会社または個人が何らかの対応をしたか、責任が争われたか、費用が最終的に誰の負担になったか、問題が終結したかは確認されていない。決議は意思決定の入口を証明するが、執行の全行程や出口を証明しない。この差を曖昧にすると、授権額のない決議から架空の支出を作ったり、逆に公開された支払記録がないことから費用がゼロだったと誤認したりする。

NDAの一文が閉じるもの、閉じないもの

決議のNDA条項は、法務部門が「NDAの対象となる事項について」取締役の法的代理人と連絡・情報交換できるようにする。文法上の射程は、連絡主体、相手方、そしてNDA対象事項に結び付いている。そこから直ちに、決議の存在、投票結果、権限根拠、費用枠、総コミット額、総支払額、審査日、満了日、終結状態のすべてが秘密だとは導けない。

もっとも、逆方向の推測も禁物である。公開資料にはNDA本文がなく、当事者、締結日、準拠法、定義、例外、受領者、特権情報の扱い、期間、終了条件、承継措置が示されていない。したがって、NDAが狭かったとも広かったとも断定できない。法的助言、訴訟戦略、個人情報、相手方とのやり取り、将来の主張、訴状、個別の請求明細などが保護を要する可能性は高いが、実際にどの項目が契約上の対象だったかは別問題である。

「NDAがあるから何も説明できない」と「NDAの全文がないから秘密は存在しない」は、どちらも粗い。精確な問いは、保護される実体情報と、その実体を露出せずに示せる統制情報を分けられたか、である。法務戦略の秘密は、支出権限そのものを秘密にする必要を必ずしも生まない。個人の身元を守ることも、受益者の類型や匿名化した案件区分まで消す理由にはならない。NDAの正当な境界を尊重するからこそ、その外側の説明責任を設計する余地が見えてくる。