要約

  • AFPUB-2021-GEN-001-DRAFT02 は2021年11月9日に提出され、承認済み資源申請の理由を短くまとめ、二年後に公開する仕組みを提案した。公式ページに表示された職員・法務面の影響評価の日付は同年11月15日であり、提案日と評価日は同じではない。
  • AFRINIC職員は、2005年以降に交付されたASN、IPv4、IPv6資源が約6,500件、そのうち二年を経過したものが約5,000件と説明した。一方、申請理由は統一された要約欄ではなく個別の申請記録にあり、既存会員は後日の公開に同意していなかったという。
  • AFRINICが公表した法的評価は、契約前またはRSAの下で交わされた情報は、同評価の理解ではコモンロー上の秘密情報であり、関係会員の明示同意か裁判官の命令なしには第三者へ開示できず、PDPを通じて一方的に課すことはできないとした。これはAFRINICの法的見解の記録であって、裁判所の判決ではない。
  • 政策フォーラムの合意は、情報を提供した会員の同意ではない。正当な開示経路は、対象を明確に覆う既存契約上の権利、対象・相手・時期・目的を特定した新たな明示同意、または管轄を持つ裁判所その他の公的機関による拘束力ある命令のいずれかでなければならない。
  • 説明責任の必要は否定されない。公開すべきなのは、判断日、資源の種類と総量、適用方針、理由・例外の分類、判断主体、訂正・更新状態を示す最小限の「判断受領票」であり、顧客の契約、事業計画、予測、トポロジー、セキュリティ設計、私信、裏付け資料そのものではない。

二年後に開くはずだった扉

提案が目指した光景は理解しやすい。有限の番号資源を割り振る機関が、なぜある申請を認めたのかを後から市民や会員が確かめられれば、方針が一貫して適用されたか、例外がひそかに広がっていないか、似た申請が不均等に扱われていないかを検証しやすくなる。透明性は、内部判断への盲目的な信頼を減らす。その意味で、承認された申請の理由を比較可能な形で示そうとした発想には、正当に受け止めるべき公益的な目的があった。

しかし、目的が善良であることと、情報を公開する権限が存在することは別問題だ。Publication of Information (Draft-2)、識別子 AFPUB-2021-GEN-001-DRAFT02、version 2.0 は、Jordi Palet Martinezにより2021年11月9日に提出され、CPMに新たな13.0条を設ける案だった。承認済みの各資源申請について、申請理由の短い要約を二年後に公開し、掲載場所はAFRINICが決める。会員には公開三か月前に要約案を知らせ、一か月以内なら代替文を出すか、特許関連その他、公開により事業へ害が生じ得る特に機微なサービスを理由として一年の延期を求められる。AFRINICはその理由を一か月で検討し、疑問が残れば会員から話を聞いたうえで理事会がさらに一か月以内に決める。過去の資源は順番に通知対象へ入る構想だった。

この仕組みを読むだけなら、通知と異議申立ての時間が用意されているように見える。だが、2021年11月15日付で公式ページに表示された影響評価は、その手続より前にある問いを突きつけた。そもそもAFRINICは、公開できる要約を受け取っていたのか。後日公衆へ示すことについて、既存会員の許可を得ていたのか。答えは、評価に記録された範囲では否定的だった。

職員の説明によれば、2005年以降に交付されたASN、IPv4、IPv6資源は約6,500件で、約5,000件がすでに二年を経過していた。申請者の必要性に関する説明は個々の申請記録に収められていたが、公開用の短い要約として一つの標準形式に整理されてはいなかった。AFRINICは要約の公開への合意を求めておらず、既存の資源会員も、そのような公開に同意していなかったと職員は述べた。したがって「公開するもの」は倉庫の棚から既成の文書を取り出すようには得られない。職員が過去の記録を読み、何を残し、何を省き、どう言い換えるかを一件ずつ判断して作ることになる。

その規模は大きいが、数字は慎重に扱う必要がある。約6,500件と約5,000件は公式ページに載った職員側の推計・説明であり、監査済みの損失額でも、実際の公開件数でもない。追加の人手が必要になり、質問、確認、文言への異議、同意をめぐる応対が生じるという記載も、運用負担の予測である。この記録から、誰かの情報が実際に公開された、秘密が侵害された、損害や停止が生じたとはいえない。ここで確認できる制度上の行為は、Draft 2とその評価が公表されたことまでである。

それでも評価が重要なのは、AFRINIC自身が、実務上の難しさだけでなく権限の欠落を明記したからだ。評価は、RSA第4(d)が、申請者データの取扱いについて適用されるモーリシャスのデータ保護・プライバシー法を遵守するようAFRINICに求めるものだと説明した。三十日間の返答がない場合に公開へ進めば、同条への違反となる可能性があるとも述べた。さらに公式ページ上の法的評価は、対象が契約前の段階で共有された資源必要性の情報であると捉え、契約前またはRSAの期間中に交換された情報は、同評価によればコモンロー上の秘密情報であり、関係会員の明示同意か裁判官の命令なしには第三者へ開示できないとした。PDPを通じて個々の会員へ一方的に課すことはできず、提案には法的な健全性がない、というのが掲載された結論だった。

ここには大切な限定がある。この法的評価はAFRINICが公表したAFRINIC側の見解であり、裁判所がDraft 2の効力やモーリシャス法の範囲を判断した判決ではない。ページは歴代のRSA全文を比較しておらず、想定し得るすべての項目が常に秘密だと確定したわけでもない。だから「裁判所が違法と判決した」と書くのは誤りである。同時に、機関自身の評価が、契約上の公開同意を得ていないと述べ、明示同意または裁判官の命令という経路を挙げた事実も軽く扱えない。法的結論の最終的な正しさとは別に、提案を実施する側が自ら、権限の根拠が政策手続の外に必要だと認識した記録だからである。

会議室の多数と、情報主体の意思

この区別を平易に言えば、会議室で百人が公開に賛成しても、秘密情報を渡した一人の同意にはならない、ということだ。メーリングリストは立法府ではない。PDPは法律を制定しない。AFRINICの理事会は裁判所ではない。地域を担当するサービス範囲は領土ではなく、「コミュニティ資源」という言葉も、公権力の源泉にはならない。参加者は設計上の問題を発見し、新しい任意条件を提案できる。しかし、当事者間の契約や適用法が認めていない第三者開示を、手続への参加だけで合法化することはできない。

開示を正当化し得る入口は三つに分けて考えるべきだ。第一は、問題となる情報、相手、目的、時期まで明確に覆う既存契約上の権利である。第二は、影響を受ける会員が新たに与える明示同意である。第三は、管轄を持つ裁判所、または権限内で行動する適法な公的機関の拘束力ある命令である。Draft 2の評価は、過去の要約公開について第一の入口が欠けていると述べ、第二か裁判官の命令を代替経路として示した。政策上の合意、理事会の判断、返答しなかった事実は、この三つのどれにも自動的には置き換わらない。

特に沈黙は、明示同意の反対側にある。通知を受け取れなかった、担当者が変わった、過去の連絡先が古い、短い期限内に記録を復元できなかった、法務確認が終わらなかった――返答がない理由はいくらでもあり得る。それを「異議なし」と推定し、さらに「世界に向けた公開を許した」とみなすなら、一つの不作為に二重の意味を載せることになる。三十日の無回答は、公開対象を理解し、自由意思で第三者開示を選んだ証拠にはならない。

NRSが示す会員側の視点は、この境界を制度の性格から照らす。AFRINICは民間の会員制レジストリであり、技術的な記録管理とサービス提供を担う。NRSに掲載された2021年10月7日付のCloud Innovationの書簡も、民間会社が負担を課すならRSA上の根拠を示すべきであり、裁判所なしに大陸規模の警察権を装うべきではない、という当事者側の主張を記した。ただし、それはCloud Innovationの立場であって司法判断ではなく、Draft 2が採択・実施されたことの証明でもない。ここで有用なのは紛争の物語ではなく、登録情報を握る場所と、公的な強制権限を持つ場所は同一ではない、という構造的な指摘である。

透明性を求める声に対し、秘密を理由に何も見せないのも十分ではない。解決の鍵は「判断について公に説明すること」と「顧客が判断のために差し出した証拠を公衆へ渡すこと」を分けることだ。AFRINICは、どの種類・総量の資源を、いつ、どの方針のどの版に基づき、どの理由分類と例外分類で認めたか、どの役割が判断し、後に訂正・更新されたかを、最小限の判断受領票として示せる。これなら比較可能性を作りながら、顧客契約、事業計画、需要予測、ネットワーク構成、セキュリティ設計、特許・営業秘密、非公開の連絡先、私信、原資料を公開しなくてよい。

これはDraft 2に採択された条項の説明ではない。公開判断受領票と保護された証拠保管庫を分ける、別の制度設計である。提案が突き当たった壁は、透明性という目的そのものではなく、その目的を達成するために既存会員の証拠へ遡及的な公開条件を載せようとした点にあった。目的に合う、より狭い情報を機関自身が最初から作れば、他者の秘密を公衆向け説明へ加工する必要は小さくなる。