Summary

  • PetrovaによるRIPE NCCの記録では、2021年のRACI渡航予算を研究に回し、14か国から22件の応募を受けた。三件を面接し、二件にそれぞれ2万4000ユーロを助成した。
  • 採択されたAI4NetMonはRIPE 85でAtlasプローブとRIS収集点の配置の偏りを報告。RIPE 88の議事録には、プローブの使われ方とAS番号の代表性を見る後続ツールが記されている。

航空券の予算だけが、出発ロビーに残った。RACIは若い研究者がRIPE会合に出向き、成果を発表するための費用を支えていた。ところが2021年の会合はオンライン。Petrovaの説明では、RIPE NCCはその資金を、RIPE AtlasやRISなどの公開データを使う研究へ振り向けた。人を会場へ運ぶ費用が、測定の仕方を調べる時間に変わった。

資金には締め切りがついていた。四月半ばに募集し、六月に選び、七月に契約、八月には着手する。開始時に半額、三、四か月後の初期報告を受けて残額を支払う構想だった。大学側には採用の準備もありうる。応募期間は一か月余り。五件から十件を見込んでいたチームのもとへ、14か国から22件が届いた。

選考の記録にある採択は二件。Pavlos SermpezisとAthena Vakaliが率いるAI4NetMonは、観測点をどこに置くか、いまの配置が測定をどう歪めるかを問う。もう一件はカザフスタンとキルギスを中心に中央アジアの接続を地図にする研究だ。どちらも2万4000ユーロ。採択時点では、これから調べる計画である。

AI4NetMonの問いには、観測者に向けた少し意地の悪い切れ味がある。プローブが多い地域の出来事はよく見え、少ない地域はぼやける。世界を描いたつもりの図が、観測器の置き場所を描いていることもある。台数を増やす前に、その窓から何が見えるかを調べる必要がある。

成果が表に出た。RIPE 85の会合記録では、SermpezisがAtlasプローブとRIS収集点の配置に伴う偏りを発表した。RIPE 88のMAT作業部会議事録は、Atlas測定でどのプローブが使われ、どのASがどれほど代表されるかを調べるツールを記す。一回の測定値そのものより、測定に選ばれた視点を調べる道具だ。

Petrovaの仕事は、余った予算に華やかな名前をつけることではなかった。短い募集、二つの契約、公開の発表へと道をつくった。飛ばなかった便の費用が、インターネットを見る窓の位置を問い直した。