要約

  • 1998年1月23日の公式告知は、IE 4.01のJavaScript非互換性によってデータの正確さを保証できず、認定を見送ったと説明した。
  • FAFSAのウェブ版は専用ソフトのインストールを不要にした一方、ブラウザーとOSの組み合わせごとに入力確認と送信結果を確かめる必要があった。

申請書を前にした家族に、最初からソフトのインストールを頼まなくて済む。FAFSA on the Webの便利さは、そんな地味でありがたい一歩にもあった。ブラウザーを開けば始められる。ただし、そのブラウザーには成績表が付いてきた。

1998年1月23日の告知で、U.S. Department of Educationは、なぜ最新版のInternet Explorer 4.01を認定していないのか説明した。JavaScriptに非互換性があり、データの正確さを保証できないためだった。IE 4.0はWindows 95とWindows NTで認定済み。学生が学費援助を申し込むより先に、新しいブラウザーが試験に落ちていた。

FAFSAは米国の連邦学生援助を受けるための無料申請書だ。同機関の1997年11月の書簡によると、ウェブ版は同年6月30日に始まった。専用ソフトを別途入れずに使え、オンラインの説明や学校コードの検索も備えていた。申請の準備を少しでも短くする仕組みだった。

1998〜99年度向けには、入力画面も改良する計画だった。質問をまとめて順番に尋ね、つまずきやすい箇所には説明を加える。該当しない質問を表示しないための分岐も改善する。利用者テストから得た知見が、そこに反映されていた。紙の説明を読みながら自分で飛ばす設問を探す作業の一部を、ソフトが引き受けるようになった。

すると、ブラウザーの相性は文字や枠の見え方だけでは済まなくなる。1月の告知は、公開された各版をFAFSAのソフトと組み合わせ、入力データのチェックが正しく動き、データベースへ正確に送られることを検証するとしていた。画面に答えを書けることから、その答えが正しく受け取られることまで、一続きで確かめる必要があった。

ブラウザーの条件は当初から存在した。1997年2月の開発告知では、当時採用する暗号化方式SSL 3.0への対応を求めている。その条件を満たすブラウザーがあれば、WindowsやMacintoshを使えた。翌年1月の認定一覧では、Netscape Navigatorにも版とOSの組み合わせが列挙され、4.04は評価中とされた。製品名だけでは、利用できる環境を言い表せなかった。

IE 4.01の問題はMicrosoftに報告し、同社と対応を進めていると告知は記している。申請データの破損件数や援助の損失額は示されていない。明確なのは、機関が正確さを保証できる利用環境の範囲を決めていたことだ。その範囲は、機関の外で更新されるソフトにも左右された。

ウェブ化によって、申請者の手元から専用ソフトを入れる作業は一つ減った。運営側には、変わり続けるブラウザーで回答の行き先を確かめる仕事が残った。最新版という肩書も、その確認の代わりにはならない。1998年の小さな版番号が、行政サービスの大きな約束を検査していた。