要約

  • CRTCは屋外の電波強度を三段階で報告する共通基準を採用した。レベル1は2027年初めから、レベル2と3は後続の年次調査で導入される。
  • 初期のカバー率を算出するのは引き続き通信事業者だ。規制機関は利用者投稿、走行試験、送信設備データを照合し、事業者に申告更新の機会を与える。
  • 国立ブロードバンド地図の次期版に異議申立て機能が予定される。未解決案件の手続きは検討対象にとどまり、処理期限や自動訂正は約束されていない。

共通基準がそろえるのは申告方法

カバー率地図は「どこで通信できるか」を示すように見える。実際には無線設定、地形、建物、植生、受信機の前提など、事業者の予測モデルに左右される。前提が違えば地図同士の比較は難しい。住民が特定の道路や集落で感じた違いは検討に値するが、それだけで過大申告や不正の証拠にはならない。

通信決定2026-258は、屋外エリアの報告に共通尺度を設けた。4G・5Gでは、予測電波強度が-110 dBmならレベル1、-105 dBmならレベル2、-100 dBmならレベル3となる。レベル1は緊急音声通話や公的警報を支える水準、レベル2は条件を満たす音声・ビデオ通話に加え、下り3 Mbps・上り1 Mbps以上、レベル3は下り10 Mbps・上り2 Mbps以上を示す。2G・3Gの閾値は異なる。

「緊急」などの名称ではなく数字を使うのは、信号水準を個別通話の保証と誤解させないためだ。対象は屋外で、建物内や移動中の利用は含まれない。低軌道衛星から携帯への通信も当面は範囲外である。必須指標は電波強度で、遅延や通話切断率などの品質指標は今回の基準に入らない。

規制向けの細かさと公開地図の細かさ

事業者は50メートル以下の粒度で提出するが、詳細データは非公開だ。決定2026-8に基づく公開地図は道路区間を250メートル単位で示す。規制側に精密な入力を求めても、住民が各社の街区ごとのモデルを閲覧できるわけではない。CRTCは事業者・技術・速度別の情報公開を認め、設備全体や伝送網データの一括開示は認めなかった。

導入は段階的だ。レベル1は2027年初めの次回年次設備調査で報告し、レベル2・3は後続調査に加わる。大規模なネットワーク変更や訂正は、年次調査の間にも提出できる。初回報告を三段階すべての完成版として扱うことはできない。

異議は照会と審査を起動する

国立ブロードバンド地図の次期版には簡便な異議申立て機能が予定される。対象区域は公開表示され、調査チームが申立てを受け、無線事業者に照会して申告が正しいかを確認する。CRTCは更新や訂正を求め、カナダ・イノベーション科学経済開発省と地図を改訂できる。未解決の案件については、解決手続きを検討するとしている。

しかし回答期限も、全件での現地測定も、申立てごとの訂正も保証されない。規制機関が事業者の提出を自らの推計で常に置き換えるわけでもない。照合には利用者データ、走行試験、毎月の送信所情報などを用い、標本には農村部、遠隔地、先住民コミュニティも含める。ただし、すべての場所を測るわけではない。異議機能は、聴覚障害者、ろう盲者、難聴者がビデオ通話を使えるかという論点も扱う。各資料には限界があり、異常は調査の端緒であって、広範な誤申告の証明ではない。

地図の比較可能性が高まれば、将来の政策や投資に向けた未整備地域の把握には役立つ。ただし基地局は建たず、受信品質も自動では上がらない。まず見るべきなのは、共通基準で申告がそろうか、公開ルートが追跡できる証拠で具体的な食い違いを処理できるかだ。

出典