Summary
- GAOが2026年9月30日に公表した報告書によると、国務省が提出したMyGrantsの補助金・協力協定約1万件のうち、4000件超が「継続中」と「終了済み」の両方として記録されていた。実際には終了しており、事業実施期間の終了日が更新されていなかった。
- 国務省は監査側に、終了案件を判別できる別の欄を示した。しかし更新済みで正確なデータ一式は提出しなかった。2025年1月に職員へ予告した援助判断基準も、GAOが2026年5月に確認した時点では作成・文書化・周知されていなかった。
終わった事業が帳簿では終わらない
対外援助の実施をUSAIDが2025年7月にやめ、国務省が米国の主担当になった。仕事の移管は、どの案件が今も動いているかを把握する責任の移管でもある。GAOの報告書本文を読むと、その基礎となる記録が揺らいでいた。国務省が提出したMyGrantsの約1万件の補助金と協力協定のうち、4000件を超す行が継続と終了を同時に示した。監査で確認された実態は終了済みだった。
国務省の調達部門は、終了した案件の実施期間の終期が書き換えられていなかったと説明した。終了後の事務処理には異なる日程がある。GAOがデータの信頼性を問い直すと、省は別の欄を使えば終了案件を見分けられると説明した。それでも訂正した正確なデータセットは出さなかった。監査人が手作業で答えにたどり着けることと、担当者が日々の判断に使える帳簿を持つことは同じではない。
4000件超という数は、GAOが検査したMyGrants約1万件の中での数だ。米国の対外援助全体の件数でも、不適切な支払いの件数でもない。問題の中心は、主担当省の管理画面が「この案件は続いているか」という運営上の問いに明確に答えられなかったことにある。
もう一つ、判断の物差しも欠けていた。国務省は2025年1月の職員向け公電で、対外援助を外交政策上の優先事項に沿わせるための追加指針を予告した。GAOが2026年5月に確認した時、政策企画局はその基準を作り、記録し、事業判断を担う職員に伝えるところまで進んでいなかった。提出された審査・承認表は誰が契約を見るかを示すが、継続か終了かをどう決めるかは示さない。国務省はGAOの勧告に同意し、今後の計画・予算編成で指針を検討すると回答した。
案件を閉じる部署、台帳を更新する部署、台帳に基づいて次の決定をする部署の時間がずれる。その隙間が4000件超の二重表示になった。GAOはMyGrantsの状態修正に加え、職員構成の把握と援助判断基準の整備を求めた。次に見るべき証拠は、照合済みの案件一覧と、決定が台帳に反映されるまでの責任と期限である。
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