要約

  • 第3四半期の純売上高は2019億4400万ドル、営業利益は280億7600万ドル。営業利益率13.9%はAmazonが公表する過去最高だった。
  • 9月までの直近12カ月でフリーキャッシュフローは147億8800万ドルの流入から423億5700万ドルの流出へ変わった。同期間の営業キャッシュフローは29%増えている。

分析

利益率の記録だけ見れば、Amazonの第3四半期は文句のつけようがない。純売上高は2019億4400万ドル、営業利益は280億7600万ドル、営業利益率は13.9%。会社はこれを過去最高と発表した。AWS売上高も約460億ドルへ39.3%伸び、年換算で1840億ドルの規模に達した。AWSの営業利益は177億7300万ドルだった。

ただし、現金の問いに使う時計は四半期より長い。9月までの12カ月で営業キャッシュフローは1683億ドルとなり、前年の1306億9100万ドルから29%増えた。その一方、フリーキャッシュフローは423億5700万ドルの流出。前年同期の147億8800万ドル流入から大きく反転した。事業が現金を生む力と、設備を買った後に残る現金は別の数字だ。

設備の買い方が差を埋める。売却収入やインセンティブを差し引いた有形固定資産の純購入額は、直近12カ月で2106億5700万ドル。前年の1159億300万ドルより947億5400万ドル増えた。Amazonは増加を948億ドルと丸め、主にAI投資を反映したと説明する。2026年の現金ベースの設備投資は約2200億ドルを見込むが、これは全社の数字でAWS単独の予算ではない。

CEOのAndy Jassyは、AWSの売上成長率が2027年と2028年にともに40%を超える見通しだと述べた。これはCEOの予測である。発表資料にはAWS向け設備投資の内訳も、AI単独の売上や営業貢献額もない。AWSの成長からクラウド需要は読めるが、その売上のうちAIが生んだ分や投資回収額までは計算できない。

ここにあるのは、好調な利益と悪化した事業の対立ではない。記録的な利益率の裏で、将来の容量を買うために現金が設備へ移っている。AI投資の採算を確かめるには、AWSの投資額とAIの売上・利益を同じ範囲で並べる必要がある。その内訳が開示されれば、現在の成長がどれだけ投資回収につながるかを測れる。今の資料が示すのは、成長と支出の大きさまでだ。

出典