要約

  • 2026年9月28日の draft-ietf-spring-stamp-srpm-mpls-09 は、STAMPの反射器による応答を一般のSR-MPLS経路、L3サービス、L2サービスに分けて規定し直した。
  • 戻りのSegment Listがなく、反射器が逆方向のSR-MPLS経路も選べない一般経路ではIP転送による応答がある。一方、対応するL2・L3サービスの復路を見つけられなければ、試験パケットを破棄し、応答してはならない。

「応答あり」という監視画面の表示には、復路の名前がない。送信したSTAMPパケットが意図したSR-MPLS経路を通っても、返ってきたパケットが同じ設計上の文脈を通ったとは限らない。今回の草案改訂は、その省略を難しくする。一般の経路ならIP転送に切り替えて返す場合がある一方、サービスの復路がなければ返さない。この二つを同じ成功率や損失率にまとめると、数字が何を観測したのかが失われる。

前版との差は明瞭だ。第08版の6.3節は、反射器の試験パケットが同じSR-MPLS経路を逆向きにたどると大まかに説明していた。28日付の第09版は6.3.1、6.3.2、6.3.3節を設け、それぞれの戻り方を記述する。文書の改訂であって、実ネットワークの障害や運用変更を確認したという話ではない。

一般のSR-MPLS経路では、Return Path TLVにSegment ListサブTLVがあれば、反射器は指定された逆方向の経路とMPLSラベルスタックを使う。これがなければ、ローカルに選んだ逆方向SR-MPLS経路を使う。それも選べない場合に限り、6.3.1節は図10の応答をIP転送で送るとする。明示的に要求された復路が使えない場合まで、無条件にIPへ置き換えてよいという意味ではない。RFC 9503には、要求した復路を使えない場合の別の扱いがある。

サービスでは境界が厳しい。L3では、往路で受け取ったL3VPNラベルに対応する逆方向サービスのラベルスタックが必要だ。送信元アドレスも、そのL3VPNに結び付くIPv4またはIPv6表から到達可能でなければならない。対応するL3サービスを見つけられなければ、破棄して応答しない。L2でも、往路のL2VPNラベルに対応した逆方向サービスのスタックが必要で、なければ同じく破棄・無応答となる。一般経路で許されたIPの逃げ道を、顧客サービスの復路の検証結果に読み替えることはできない。

逆に無応答を直ちに往路の損失とすることもできない。試験パケットが反射器まで届き、そこで戻るサービスが見つからなかった可能性がある。これは双方向計測の応答をめぐる話である。草案の7節は、一方向計測では反射器のパケットを送らず、6.3節の封入規則を適用しないと明記している。

Datatracker上、この文書は依然としてSPRING作業部会のInternet-Draftであり、状態は I-D Exists、予定される分類はInformationalだ。RFCでも導入実績の報告でもない。今検討できるのは、応答の有無だけで経路の実証範囲を決めない監視設計である。

出典