Summary

  • SoftBankは9月10日、米国、カナダ、ニュージーランドで9月28日に海外提供を始める予定を発表した。フィリピンは2026年秋の予定で、日付は未定だ。
  • 対象プランに含まれる追加料金なしの衛星通信は、全利用者に共通する無料ローミングではない。相手国の事業者の加入者に逆方向の権利が生じるとも限らない。

「4カ国」の中に二つの日程がある

SoftBankの発表では、最初の3カ国の海外事業者として、順にT-Mobile USA, Inc.、Rogers Communications Inc.、One New Zealand Group Limitedが挙げられている。フィリピンの相手はGlobe Telecom, Inc.だが、開始日は今後の案内となる。現時点では海外提供の計画であり、4カ国での稼働を確認したという話ではない。

利用料金にも線引きがある。SoftBankのスマートフォン向け料金プランと、Y!mobile、LINEMOの対象プランは、衛星サービスへの別途申し込みと追加料金が不要とされる。それ以外のY!mobile、LINEMOのプランでは、税込み月額1,650円のオプションへの申し込みが必要だ。発表は9月1日から2026年冬の予定期間まで全額割引とするが、全プランが恒久的に無料になるわけではない。LINEMOの法人客も対象外となる。

さらに、無料の「世界対応ケータイ」への加入は必要で、iPhoneは海外利用時にローミングを有効にする条件がある。発表上の対応条件はiPhone 13以降、iOS 27.0以上。Androidの海外対応の詳細は順次案内される。これは要件の記述であり、OSの配信や全端末への導入完了を確認したものではない。

電波が届くかだけでは決まらない

海外で提供するのは、テキストメッセージと一部対象アプリのデータ通信だ。対象アプリでも使える機能は国ごとに異なる場合がある。サービス区域内で地上の携帯電話電波が届かず、衛星との間に遮蔽物がないことが必要となる。建物、車内、密集した樹木などで使えない場合があり、地上網より低速となる可能性や衛星切り替え時の中断もある。音声通話と緊急通報は利用できない。

現在の消費者向けサービスページも、OSやアプリの更新などで対応機能が変わりうると説明する。ただし国内向けの端末・OS案内を、海外の別条件の代わりに使うことはできない。衛星サービスの追加料金が不要という説明から、通常の地上網ローミングの請求額も決まらない。

同じ衛星でも、逆方向は別商品

One NZの現行FAQは、同社の衛星サービスをニュージーランド国内限定と説明し、他国へのローミングは今後案内するとしている。これはOne NZ側の商品範囲であり、SoftBank客の入国時の利用計画を否定するものではない。逆にSoftBankの発表から、One NZ客も海外で相互利用できると読むことはできない。

参照資料は事業者が示す計画と条件であって、独立した性能試験ではない。共通の衛星基盤があっても、利用権は加入する小売サービスに結びついている。