要約
- 送信者、宛先となる受信者、そのほか影響を受けた人は、遮断を申立てられる。遮断した事業者が分からなければ、まず自分の通信事業者に相談できる。
- 自動遮断のたびに送信者へ通知する義務は設けられないため、対象事業者は申立ての件数だけに頼らず、誤遮断を自ら探す必要がある。
SMSが届かなくても、受信者が遮断に気づくとは限らない。送信者も、どのネットワークが止めたのか分からないことがある。2026年7月に公表されたOfcomの最終規則は、この見えにくさに二つの仕組みで対応する。影響を受けた人には申立てと不服申立ての道を用意し、遮断を担う一部の事業者には、誰も異議を申し立てなくても誤遮断を監視するよう求めた。前者は問題を誰かが認識することが前提になる。後者は、気づかれないまま消えるメッセージを拾う役割を持つ。
一般条件C9.17では、番号またはメッセージの遮断に影響を受けた人なら申立てができる。Ofcomは送信者と、本来の宛先である受信者を例に挙げる。申立て先は本人の通信事業者でも、遮断を行った事業者でもよい。複数のネットワークを経る配信では、利用者が遮断地点を特定できない場合がある。そのため自社側の事業者も、別会社へたらい回しにせず、解決に向けて合理的な対応を取らなければならない。
この仕組みは専用の審査と不服申立てで構成され、適切かつ可能な場合には番号やメッセージの遮断解除につながる。ただし、正当なSMSをすべて届ける保証ではなく、審査中に止まったメッセージを再送する約束でもない。C9.17の申立てはC4の通常の苦情扱いに自動的に切り替わらず、特定の代替紛争解決制度を利用する権利も生まれない。Ofcomはこの二つを別の手続きとして設計した。
誰も申立てないケースでは、もう一つの仕組みが重要になる。Ofcomは、指定されたメッセージを自動遮断するたび送信者に知らせるという案を採用しなかった。通知があれば、詐欺を試みる側がどの制御に止められたか学び、回避に使うおそれがあるからだ。一方、通知がないと、誤遮断を見つける機会も減る。そこでC9.26は、該当する遮断義務を負う事業者に、誤遮断を特定・監視する有効な仕組みを維持し、発見後は適切かつ迅速に対処するよう求めている。
Ofcomは、申立てや照会、苦情を誤遮断の主な測定手段にしてはならないとしている。利用者が遮断に気づかなければ、申立ては出てこない。自動ツールや人手の確認、遮断済みメッセージやトラフィック傾向の定期点検など、先回りした確認が想定されている。2026年5月の情報要請への回答からは、事業者による監視の差が見えた。少なくとも毎日手作業で確認するという事業者がある一方、能動的な仕組みはなく苦情で初めて誤りを知るところもあった。これは監視方法のばらつきを示すもので、全国の誤遮断率を比較した調査ではない。
直接の監視義務は規則で定められた遮断主体に適用され、ガイダンスは下位アグリゲーターをC9.26の義務から除外する。事業者には申立て方針を見つけやすく公開し、遮断される場合と申立て方法を利用者に説明することも期待される。ただし、自動遮断のたびに個別通知する義務はない。
Ofcomのガイダンスは記録保存期間も定める。申立てに関するやりとりは解決後12か月、誤遮断の事案と対応記録は2年間保存する。適用開始日は通信形態で異なり、P2P規則は2027年1月18日、A2P規則は同年7月15日に発効する。それまでに、通信事業者、集約事業者、企業向け送信者は、誰が遮断を決め、誰が申立てを受け、どの部門が繰り返す誤判定を直せるのかを確かめる必要がある。
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