要約

  • NANOGのアーカイブは2004年の利益相反の開示と自己忌避を記録するが、今回の公開資料は現行ルールや運用を証明しない。
  • 提案単位の集計開示なら、審査者名や機密提案を明かさずに忌避運用を観察しやすくできる。

公式アーカイブによれば、NANOGはこの問題を早くから認識していた。2005年のプロセス説明は、2004年5月に利益相反方針が採用され、委員は議論中に利益相反を開示し、適切と判断した場合に忌避すると記している。これは歴史的な仕組みの証拠であり、現在の運用報告ではない。

2004年には構造化された審査があった

委員は提案を1から5で評価し、選考会議までは他の委員の点数やコメントを見なかった。採択、却下、条件付き修正があり、修正後の再審査もあった。開示と自己忌避はこの流れに組み込まれていた。

一方、何が利益相反に当たるか、誰が代替審査を行うか、独立した評価を最低何件必要とするかは公開記録から分からない。濫用の証拠ではなく、検証できない判断点の所在を示している。

現行ページは審査を説明するが利益相反処理は説明しない

現在の募集案内は、概要とスライドの提出、初期審査、shepherdの割当て、委員会による議題選定を示す。提案の進み方は明確だ。

しかし、2004年の方針が現在も同じか、所属を標準様式で申告するか、忌避後に閲覧権が外れるか、代替審査が必須かは書かれていない。記載がないことは統制がない証明ではない。公開情報だけでは運用を確認できないという意味である。

専門性と独立性は両立できる

同じ業界の人を全員除外すれば、技術審査は空洞化する。運用者は本番経験を見抜き、ベンダー技術者は技術報告と宣伝を区別し、研究者は測定と結論の距離を評価できる。

対象にすべきは、提案への直接関与、指揮命令関係、具体的な商業利益、係争中の問題などの実質的な関係だ。同じ技術を知るだけでは足りない。公開された分類基準があれば判断のばらつきを抑えられる。

集計開示なら機密を守れる

却下された提案や忌避者の氏名を公開する必要はない。会議ごとに、審査提案数、利益相反の申告が一件以上あった提案数、除外された評価数、影響を受けた各提案が必要最低数の利益相反のないレビューを得たかどうかを公表できる。方針の版と疑義を裁定する役割も示せる。

これで各判断の正しさ、手続きの公正さ、仕組みの有効性が証明されるわけではない。ただし、運用をより観察しやすく、監査しやすくすることはできる。

権限は会議プログラムで終わる

委員会はNANOGの議題を選ぶ実質的な権限を持つ。しかし採択は技術の認証ではなく、企業や北米のネットワークを拘束しない。

他の公式記録は、その責任の所在を補足する。2008年の委員募集は、免除された場合を除き全提案を審査する義務を示した。2010年の選挙通知は16人の委員会を記し、2019年の発表は委員の任命と委員会内での議長・副議長選出を記録した。2020年のガバナンスページによれば、Boardは委員会を選び、投票権を持つ理事をex-officio liaisonに任命する。これらは制度上の責任を示すが、現在の忌避運用を説明するものではない。

記録不足は議題への信頼を損ない得るが、業界支配の証拠にはならない。必要なのは非難ではなく、現行ルール、代替審査、集計された運用結果を検証可能にすることだ。

情報源と限界