要約

  • MC Digital Realtyは大阪府茨木市のKIXキャンパスでKIX15の建設を開始した。サーバー用電源容量は24MW、稼働予定は2028年第4四半期。
  • 完成すればKIXキャンパス5棟目となり、日本国内の施設数は10棟、容量は約220MWとなる見込み。発表資料に顧客名、契約済み容量、賃料、建設費はない。

着工は確かな節目だ。同時に、データセンターが完成予想図から請求書へ移る瞬間でもある。MC Digital Realtyは、大阪府茨木市のKIXキャンパスでKIX15の建設を始めたと発表した。24MWの施設で、同キャンパス5棟目となる。稼働は2028年第4四半期を予定する。

MCDRはDigital Realtyと三菱商事が50%ずつ出資する合弁会社だ。会社によると、KIX15の完成後、日本のポートフォリオは10施設、サーバー用電源容量は約220MWになる。1棟だけで、国内向けに示された容量の約1割を加える計算だ。キャンパス案内図を飾るための数字ではない。

建物の仕様も具体的だ。延床面積は17,672平方メートル、地下1階・地上3階で、免震構造を採用する。空冷と液冷を組み合わせる冷却方式に対応し、Digital RealtyはServiceFabricと複数の通信事業者を通じた接続を掲げる。高密度計算を行う顧客が既存のクラウドやネットワーク環境をつなぐ設計だ。

一方、商業面の説明はあっさりしている。発表はハイパースケーラー、クラウド事業者、AI関連企業を幅広い顧客候補に挙げるが、入居企業や契約済みのMWは示さない。建設予算、電力購入契約、賃料、目標収益も公表されていない。賃貸予定とプロジェクト費用が並べば、コンクリートが固まる前に需要が建設費を引き受けているかが見える。

24MWは、顧客が使えて初めて商品になる。開業までに予定電力を実際に使えるサーバー室へ変え、冷却性能とネットワーク経路を確かめ、契約を整える必要がある。2028年の開業目標まで時間はある。市場が設置したい機器を変える時間もある。

現時点でKIX15が提示するのは、将来の容量と大阪の拠点拡大だ。顧客は電力密度、冷却の選択肢、他拠点への接続を評価するだろう。所有者の投資成果は、何MWをいくらで貸せるか、課金できるラックが稼働するまでどれだけ資本を寝かせるかで決まる。

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