要約

  • RCCはITU決議130の改定案で、加盟国が提供するAI関連のサイバー脅威、詐欺と対策の優良事例を集める資料庫を求めた。
  • 資料庫の設置と運営の費用は電気通信標準化局の通常予算で負担すると明記した。金額の提示はない。

詐欺の手口を集めた棚は、開設の日より翌年のほうが試される。古い事例をいつ下げ、次の手口を誰が入れるのか。RCCの提案文書第94号付属文書7は、その面倒な仕事に財源まで指定した。ITUが10月23日に掲示したロシア語の原案は、加盟国から材料を受け、AI技術に関わる情報セキュリティ上の脅威や詐欺、その対策の実例を集めるよう求める。設置と運営は電気通信標準化局の通常予算から支払うという。いくら使うかは書いていない。

2022年採択の決議130を読むと、ITUには迷惑通信対策の優良事例集と、サイバーセキュリティ人材を増やすための事例集がすでに任務としてある。途上国支援には通常予算の外から資金を集める指示もある。今回のRCC案の特徴は、AI関連の新しい事例棚について、標準化局の通常の財布を名指ししたことだ。資料を寄せてもらうだけなら一度で済む。使える棚に保つには、継続して人が手を入れる。

技術面は別の文書が動いている。ITU-T第17研究委員会の課題4/17は、AIを使った自動通話や標的を絞ったメッセージ、詐欺的な迷惑通信を挙げ、どう発見し防ぐかを問う。RCCの資料庫は、その研究に寄り添いながら、加盟国が現場で試した対応を残す役割を担うことになる。仕様書と事例票は、隣の棚に置けても同じ紙ではない。

提案には、誰が事例を選び、いつ見直し、どこまで公開するかがまだ書き込まれていない。11月のドーハ会議で条文が残れば、次に読むべきは開設の宣伝文より、収録基準と予算文書だ。棚を買うと決めた後に、何を棚から落とすかを決める人が現れる。

公式資料