要約
- 2026年行動計画の予算表は千ドル単位で、
Board of Trusteesを329とする。したがって公表された理事会予算は32万9000ドルだが、個人への支払い額や出張費の内訳ではない。 - 7月6日と10日に改定された規程は、非理事会出張の開示、承認者の分離、予算確認、証憑保管、四半期集計を定める。情報の受領者は理事長、CEO、財務責任者、理事会である。
- 不適切な資金提供や統制違反を示す証拠はない。旅券、ホテル、領収書を公開せず、規程上の経路、決裁権限、状態、年次合計だけを照合する記録なら追加できる。
329が示すもの、示さないもの
Internet Societyの2026年行動計画は、予算の単位を千米ドルと明記する。収入総額は41,199、支出総額は38,199、理事会の行は329である。ここから確定できるのは、理事会に32万9000ドルの予算が置かれたという事実までだ。
その行には、会議、ガバナンス担当職員、航空券、宿泊、保険、専門家、業務システム、立替費用のどれが含まれるか書かれていない。最終的にいくらが契約され、いくらが支払われたかも分からない。
予算は予定された資源の上限や配分を示す。受取人や一件の決定を示す台帳ではない。全額を受託者の報酬と読むのは誤りであり、一つの集計値だけで公開説明が完了したとみなすのも早い。
一方、公開規程を読むと、組織内部では申請から保管まで、もっと細かな状態が管理されている。問題は統制の欠如ではなく、その状態と公表予算との接続が見えないことにある。
7月の改定は役割を分けた
2026年7月6日、理事会は受託者出張規程の改定を全員一致の書面同意で承認し、即日発効させた。決議は、理事会会合以外の出張、理事長自身の出張、二重承認、領収書要件、長い乗り継ぎ時の宿泊などを明確にしたと説明する。
7月10日の決議2026-14は、三つのガバナンス規程を改定し、一つを再確認した。受託者支払い開示規程は、出張規程との整合のための軽微な更新とされ、同じく即日発効した。
現行の支払い規程は、理事会会合への出席に直接関係しない活動についてInternet Societyが提供する支払い、費用償還、費用負担をまとめてfundingと定義する。受託者は、その種類と理由を電子メールで理事長に開示し、理事長は詳細を理事会へ伝える。
名目的な価値の費用負担は対象外である。例として、受託者が自己負担で出席している会議に併設されたISOCの夕食会やレセプションが挙げられている。
これは内部開示として実質がある。申請者と経理だけで情報が閉じるのを防ぎ、理事会へ到達させる。しかし、規程は申請、金額、承認、却下、支払い、取消し、年次合計の公表を求めていない。
2017年版では、受託者が理事会へ直接メールで知らせる仕組みだった。2026年版は最初の受領者を理事長に変え、理事長から理事会への通知を明記した。理事会が外れたわけではないため、監督が弱まったとは断定できない。確認できるのは、開示が一貫して内部統制を指しているということだ。
出張規程は決裁者を一人にしない
理事会会合以外の出張では、受託者が理事長とCEOに種類と理由を説明し、ガバナンス担当ディレクターを写しに入れ、理事長とCEOの承認を得る。担当ディレクターは承認文書を保管する。
同時開催イベント、公式代表、CEO依頼、その他の出張には別々の条件がある。公式代表に選ぶ際には資金需要も考慮する。その他の出張は理事会承認が必要になる場合がある。
理事長本人の出張は通常経路を使わない。CFOが予算の有無を確認し、申請は理事会に開示され、財務担当理事とCEOが承認する。記録はガバナンス担当ディレクターが持つ。
申請、資金確認、承認、証拠保管を別の役割に割り当てている点は重要だ。公開ページにホテルの領収書がないからといって、内部審査がないことにはならない。
ただし、CEO依頼の出張について、受託者が一年に受け取る総額は利益相反の印象を避けるためquite limitedでなければならないと規程はいう。公開文書に金額上限、割合、上位承認への移行条件はない。内部基準の不存在は証明できないが、外部から意味を検証することはできない。
四半期報告の宛先
出張規程は、理事会費用の予算を年次予算に含め、ISOCコミュニティが利用できるようにすると定める。32万9000ドルの行は、この集計公開を実現している。
次に、支出全体の水準を四半期ごとに理事会へ報告すると定める。年次より新しい情報だが、宛先は理事会である。会議出張、会議外活動、理事長出張、未精算の債務、取消し、返金を分けるかどうかは公表されていない。
四半期の内部報告は統制として有用であり、年次の公表予算もコミュニティに役立つ。問題はどちらかが無いことではなく、両者を外部から照合できないことだ。
年次財務報告とForm 990はさらに別の層である。公開された2024年Form 990では、表に記載された受託者の報告対象報酬とその他報酬がゼロになっている。この税務書類は2026年改定より前のもので、現在の出張状態を示さない。報酬ゼロは費用償還ゼロと同義でもない。
報酬と費用償還は同じ財布ではない
定款は、受託者としての職務に対する報酬を禁止し、費用償還を例外とする。2026年の候補者募集も、希望する受託者には理事会会合とリトリートの旅費を償還する一方、理事会活動へのその他の報酬はないと説明する。
定款は、別の立場でInternet Societyへサービスを提供した場合の合理的報酬までは禁止していない。これは法的な余地であって、現任者がそのサービスを提供した事実や支払いを受けた事実ではない。
したがって、理事会予算、出張・資金決定、報酬・税務記録は分けなければならない。混同すれば通常の費用償還が利益のように見える。分けたまま合計を接続しなければ、コミュニティは内部規程を信じるか疑うかの二択を迫られる。
公開するのは旅程ではなく決定状態
比例的な改善は、証憑の全面公開ではない。航空券や領収書には、自宅、健康上の事情、査証、宿泊先、口座、日程、安全上の経路が含まれ得る。倫理規程も機密情報の保護を求めている。
公開記録は決定の層に限定できる。安定した識別子と会計年度を置き、会議、リトリート、同時開催イベント、公式代表、CEO依頼、その他、理事長という規程上の経路を示す。目的は公開目的区分で表し、行き先は不要だ。
状態は、申請、承認、契約・予約、償還、却下、取消し、回収、訂正を区別する。承認者の役割、決定日、忌避の有無を公表しても、個人の審議内容を明かす必要はない。
金額は正確な数値、帯域、匿名化集計のいずれでもよい。重要なのは一貫性と年次照合である。各経路の年次合計が、32万9000ドルのうち定義された範囲に接続しなければならない。名目的価値とquite limitedを境界として使うなら、数値かエスカレーション条件が要る。
私的ファイルには航空券、詳細領収書、旅券、査証、銀行情報、ホテル、日程を残す。公開ファイルには権限、目的、状態、合計、訂正履歴を残す。返金があれば過去を消さずに次の状態として追加する。
この記録でも、出張の有用性や受託者の独立性は証明できない。証明するのはもっと狭いことだ。どの規程が資金区分を認め、誰が決め、どの状態に至り、公表総額にどう入ったかである。
証拠が届かない範囲
2026年に誰かが会議外資金を受け取ったという証拠はない。開示、承認、領収書、四半期報告の欠落も確認できない。予算超過、私的利益、関連当事者取引、利益相反、不正、違法を示す資料もない。
32万9000ドルを個人別に配分することはできない。公開上限がないことは内部上限がないことを意味しない。2024年税務書類で2026年を説明することもできない。理事長経由への変更を監督低下と呼ぶ根拠もない。
用途別の経路、二重承認、資金確認、記録保管、理事会通知、四半期報告は維持すべき統制である。公開層はそれらを検証可能にし、正当な費用償還を疑惑に変えない設計でなければならない。
出典
- https://www.internetsociety.org/about-internet-society/governance-policies/trustee-payment-disclosure-policy/
- https://www.internetsociety.org/about-internet-society/governance-policies/travel-policy-trustees/
- https://www.internetsociety.org/board-of-trustees/resolutions/written-consent/
- https://www.internetsociety.org/wp-content/uploads/2025/11/2026-Action-Plan-EN.pdf
- https://www.internetsociety.org/about-internet-society/governance-policies/by-laws/
- https://www.internetsociety.org/board-of-trustees/elections/2026/call-for-nominations/
- https://www.internetsociety.org/wp-content/uploads/2025/12/2024-Filed-Form-990-Public-Disclosure-Copy-Internet-Society.pdf
- https://www.internetsociety.org/about-internet-society/organization-reports/
- https://www.internetsociety.org/about-internet-society/governance-policies/fiduciary-obligations-trustees/
- https://www.internetsociety.org/about-internet-society/governance-policies/board-officer-code-ethics/
- https://www.internetsociety.org/wp-content/uploads/2017/06/conflictofinterest-trustees.pdf
- https://www.internetsociety.org/board-of-trustees/resolutions/137-2/
- https://www.internetsociety.org/wp-content/uploads/2016/12/evote-trustee-payment-disclosure-policy.pdf
- https://www.internetsociety.org/transparency/
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