要約

  • 新gTLD申請を止め、または延期する権限はプログラム規則と理事会の決定にあり、第1ラウンドは終了していて次回日程は公開されていない。
  • 申請者が使える再審査請求と独立審査手続は、それぞれ15暦日という短い期限を持ち、得られるのは理由を付した最終決定か、定款・規則との不整合を述べる宣言であって、委任を命じる救済ではない。

停止権限が置かれている場所

ICANNの新gTLDプログラムの案内ページは、第1ラウンドが終了したと述べ、Applicant Guidebookとして2012年6月4日版を掲載している。この2つのページが示すのは、第1ラウンドが閉じた状態と、そのラウンドを規律した文書の版である。現在または次回ラウンドの日程は、この公開情報の中には示されていない。申請を止め、または延期する権限は、このプログラム規則と理事会の決定に置かれている。

コンセンサス勧告から離れるときの説明義務

ICANN定款第11条第2.2節は、理事会が政府諮問委員会(GAC)の勧告を考慮に入れること、そしてGACのコンセンサス勧告と一致しない行動を取る場合には、GACに通知し、その決定の理由を述べ、その後双方が相互に受け入れ可能な解決策を模索することを定めている。文言上これは従う義務ではなく、理由を述べる義務である。理事会がコンセンサス勧告と異なる判断をした場合、その理由説明は公開の記録として残る。

再審査請求

再審査請求の説明ページと定款によれば、理事会の作為または不作為、あるいはICANN組織の他の行為によって実質的に影響を受け、かつ不利益を受けた個人または団体は、再審査を請求できる。請求は、理事会の行為の公表または組織の行為の公表のいずれか早い方から15暦日以内に提出しなければならない。理事会ガバナンス委員会(BGC)が各請求を審査して理事会への勧告をまとめ、理事会は元の機関に差し戻すか、行為を維持・取り消し・変更するか、その他の適切な措置を取ることができる。手数料は不要であり、BGCの勧告に基づく理事会の決定は最終で、ICANN内部でのさらなる再審査の対象にはならない。

独立審査手続

独立審査手続の説明ページと定款第4条は、理事会の作為または不作為によって実質的に影響を受ける個人または団体が、定款・細則・方針への違反を理由に独立審査を請求できると定めている。立証責任は請求者にあり、請求は問題とされる作為・不作為の公表後15暦日以内に行わなければならない。パネルが発することができるのは宣言(Declaration)のみで、争われた作為・不作為の本案について理事会の判断を自らの判断で置き換えることはできない。費用面では、パネリストの報酬と経費はICANNが負担し、請求者は自らの弁護士費用を負担する。パネルは結果を考慮して費用負担の範囲を決めることができる。理事会は宣言を審議に取り入れること、宣言の助言に従わない場合はその理由を述べることが求められる。宣言にさらなる上訴はなく、宣言に続く理事会の行為は独立審査手続では争えないが、再審査請求の対象にはなり得る。

.AFRICAが示した順序

DotConnectAfrica Trust対ICANNでは、2015年7月9日付の最終宣言が、2件の.AFRICA申請に関する理事会の作為と不作為が定款とApplicant Guidebookに不整合であると認定した。とくに、アフリカ連合委員会からの遅い政府意見を受け入れ、それに依拠してDotConnectAfricaの申請に対するコミュニティ異議を認定した点が問題とされた。理事会は2016年3月18日の決議でこの宣言を認識し、残る新gTLDプログラムの手続を進めるよう組織に指示し、無効なコミュニティ異議が除かれた後に資格ある申請が1件だけ残る場合はその申請を委任に進めるとした。2017年2月28日の決議で、理事会は.AFRICAをZA Central Registry(ZACR)に委任した。ZACRは、宣言の後に新gTLDプログラムの残る手続を完了した唯一の申請者であった。

得られるものと得られないもの

この経緯が示すのは、宣言が不整合を認定する文書であり、委任を命じる文書ではないという区別である。公開情報の中に、宣言だけで文字列が請求者に渡った事例は示されていない。.AFRICAでは委任先は競合する申請者であった。あわせて、現在または次回ラウンドの日程は公開情報に含まれていない。関連するディレクトリ項目はICANNである。