要約

  • モーリシャス最高裁は2026年5月14日、Cloud InnovationによるAFRINIC清算申立てにICANNが当事者として参加することを認めた。
  • 命令上、ICANNは申立人、Cloud Innovationは相手方、AFRINICは第三者である。Cloud Innovationは介入に異議を述べず、本案での立場を取る権利は留保した。
  • 裁判官は相手方が異議を述べなくなったことを理由に許可した。命令は清算、現取締役の権限、receiver、資源の所有関係、ICANNの代表性を判断していない。
  • ICANNは証拠と主張を正式に提出できる立場を得た。これは現実の手続的影響力だが、アフリカの運用者から委任された権限ではない。
  • 8月10日の事実パッケージ確定時、AFRINICの公開事件一覧は清算手続を引き続き係属中としていた。

誰が申立人で、誰が異議をやめたのか

AFRINICは5月15日のコミュニケで、ICANNが清算手続への正式な介入を認められたと発表した。その結果は正しい。しかし、裁判所文書の見出しと理由を読むと、制度側の発表より狭い決定だったことが分かる。

介入事件はSC/COM/JICA/000555/2025である。申立人はICANN、相手方はCloud Innovation Limited、AFRINICは第三者と記載される。ICANNが参加する本案はSC/COM/PET/000508/2025の清算申立てだ。

Cloud Innovation側の代理人は、ICANNの参加を認める請求に異議はないと述べた。同時に、ICANNの参加後に清算申立てでどのような立場を取るかについて、すべての権利を留保した。

したがって、異議をやめたことを同意と読み替えてはならない。参加資格を争わないという選択であり、ICANNの資源論を認めたわけでも、清算申立てを撤回したわけでもない。

命令はICANNの主張内容を審査していない

2ページ目で裁判官は、相手方がもはや異議を述べていないことを踏まえ、ICANNの介入を許可した。そこにはAFRINICの財務状態、取締役会の適法性、receiverの解任、番号資源の資産性についての分析はない。

ICANNの立場自体は公表されている。2025年7月の書簡では、RIRが管理する番号資源はRIRの資産ではないと主張した。The Registerへの説明では、AFRINICの特別な役割を裁判所に理解させ、割り当て済み番号資源が清算で分配できる会社資産として扱われないようにすることが参加目的だとした。

参加が認められたことで、ICANNはこの見方を宣誓供述、技術資料、法的主張として事件に入れられる。裁判所が受け取る情報を変える以上、単なる傍聴ではない。

それでも、話者を認めることは話の内容を認めることではない。5月14日の命令は、ICANNの説明がモーリシャス法上正しいとも、現在のAFRINIC法人を維持することが技術継続の唯一の方法だとも述べていない。

同じコミュニケに別の命令が置かれた

AFRINICのコミュニケは、IPv4のリースや商業化を裁判所が承認したとする表現に関する別の暫定命令も扱った。公表ページには、その命令とICANN介入命令の別々のPDFがある。

両者を一つの勝訴としてまとめると証拠が崩れる。公表表現に関する命令はICANNの参加を決めない。介入命令はリースの適法性、IPアドレスの権利、Cloud Innovationの会員登録上の地位を決めない。

AFRINICはCloud Innovationが起こした一連の手続を軽薄で濫用的だと評価している。それは訴訟当事者の主張であり、介入命令に書かれた裁判所の認定ではない。

ICANNが得た力は論点を設定する力だ

清算事件では、会社という器とレジストリ機能をどう分けるかが重要になる。RDAP、WHOIS、逆引きDNS、RPKI、会員契約、登録記録を守る必要があるとしても、現在の法人のすべての権限をそのまま保つべきかは別問題である。

ICANNはIANAとRIR認定、ICP-2、グローバルな一意性について専門的に説明できる。その能力は無視できない。しかしLu Hengが「誰が大陸を代表するのか」で指摘するように、制度上の位置を地域全体からの政治的委任に膨らませてはならない。

実際の損失を負うのは、ネットワークに投資し、顧客契約を結び、エンジニアを雇い、障害時の責任を負う運用者である。ICANNの参加許可だけでは、そうした主体が将来設計を委ねたことにはならない。

LARUSはICP-2の認定とガバナンス変更を運用継続リスクとして捉える。NRSは、会員の資源上の権利と稼働サービスを守る秩序ある清算・移行を支持すると表明している。いずれも利害を持つ立場であり、判決ではない。

対立は「継続か破壊か」という単純な二択ではない。何を継続し、誰が責任を負い、どの権限を次の構造に持ち込むかという設計問題である。介入命令は、その議論にICANNを加えただけだ。

介入申立ての全記録が必要だ

AFRINICが公開したのは2ページの結果で、ICANNの申立書全文、根拠となる宣誓供述、命令が触れる別の請求内容、参加後の提出資料は一つの公開記録に整理されていない。

ICANNとAFRINICが透明性を介入の価値として掲げるなら、申立て、当初の異議、異議をやめた時点、自発的に履行された事項、費用、次回期日を時系列で公開できる。そうすれば、参加許可、提出された証拠、採用された法理、最終救済を読者が区別できる。

Cloud Innovationは異議を維持し、ICANNの参加要件について対立した判断を求めることもできた。実際には権利を留保したまま異議をやめた。その判断でICANNの入廷は容易になったが、本案の勝敗は決まっていない。

確認できる結論は明確である。ICANNはAFRINIC存続を支える有力な訴訟参加者になった。裁判所は反対が消えたため参加を認めた。現在の取締役会、receiver、RIR制度の自己説明、ICANNの地域代表権を承認したのではない。

この手続変更をAFRINICの長期的な権限問題の中で読むには、BTW ResearchのAFRINIC取締役選挙の正統性テストを参照されたい。

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