Summary

  • ARIN 58の公式報告によると、実質的な意見43件のうち24件がPort 43 Whoisの廃止に反対するか、大幅に長い移行期間を求めた。ARINは稼働を続け、改めて協議する。
  • Hollis Karaは会場で、Port 43の照会数がなおRDAPを上回り、クラウド事業者から来る多数の照会の先にいる利用者を追えないと述べた。

通知先の分からない終了案内は、案内というより独り言に近い。ARINの広報責任者Hollis KaraがARIN 58で説明したのは、古いWhoisを止める以前の問題だった。照会元のアドレスにクラウド事業者が見えても、その背後で毎朝結果を読む運用者やスクリプトの持ち主までは分からない。

8月の当初案は、Port 43 Whoisを早くても2029年1月1日以降に廃止する構想だった。Whois-RWS、RWhois、Port 43、RDAPの四つを維持する手間と攻撃面を減らし、RDAPにまとめる。組織の設備表では筋が通る。ただし古い入口が閉じた日に誰の業務が止まるかは、設備表から読めない。

Karaの10月23日の説明では、Port 43の照会量がRDAPより多い。クラウド経由の要求は、その事業者の先をたどれない。主要なOS配布版でもRDAPクライアントが標準で使えるとは限らない。Whoisの返答に警告文を混ぜても、機械的に必要な行だけを拾うプログラムなら人間まで届かない。広報の問題が、プロトコルの依存関係をあぶり出した。

反対の数は利用者全員の投票結果ではない。ARINが数えたのは実質的なコメント43件中24件だ。それでも計画は変わった。10月21日の正式な回答は、Port 43の稼働を続け、RDAPの普及と照会動向を見てから再協議するとした。新たな停止日は示していない。

ほかのサービスには別々の時計が残る。RWhoisは移行ツールの公開後に365日の期間が始まる。Whois-RWSのAPIはRDAPとの機能差と利用説明を詰める。ウェブ画面は高度なRDAP検索の試験版と少なくとも6か月並走する。公式の会議要約にあるこの切り分けを、一つの「旧Whois終了」に押し込めると利用者ごとの問題が消える。

会場では短時間止めて反応を見る案も出た。参加者の提案であってARINの決定ではない。KaraはPort 43の前に代理サーバーを置く案も、維持対象を増やすとして退けた。まず残されたのは、既存の入口と、誰が通るのかを調べる仕事だ。

公開資料に欠けているのは、クラウドの送信元と実際の利用主体を分けた時系列、そしてその主体へ連絡できることを示す検証だ。この二つがあれば移行告知の到達率を判断できる。Karaが止めたのは古いサービスではなく、利用者のいない名簿を前提に進む廃止時計だった。

ARINの一次資料