Summary

  • RIPE NCCは、データベースの検索画面で一部オブジェクトの過去の版を表示・比較できるようにした。
  • 履歴の起点は直近の作成または再作成時。メール属性は除外され、person・roleオブジェクトの過去版は検索できない。

登録情報が書き換わったとき、「どこが変わったのか」を調べる入口が近くなった。RIPE NCCの10月の会員向け更新は、データベースの検索画面で特定のオブジェクトの過去版を表示し、比較できると伝えた。普段の照会から差分までたどれる。関係者にとっては、地味だが効く変更だ。

古い版そのものは以前から保存されている。履歴データの説明によれば、更新のたびに以前の版が残る。今回の新しさは見せ方にある。資源の登録内容を確認する保有者、連絡先の変更を追う運用者、記録の変遷を取材する記者が、同じ版を指して議論しやすくなる。

ただし、検索画面の紙束に全巻が入っているとは限らない。履歴照会の文書では、照会できるのは現存する運用データのオブジェクトで、期間は直近の作成・再作成までさかのぼる。削除後に同じオブジェクトが作り直された場合、それ以前の章は表示対象から外れる。メールアドレスを含む属性は除外され、personとroleの旧版も照会できない。

版の時刻は更新を処理したサーバーが付けるUTC時刻だ。差分は登録簿の文面の変化を示す。誰が変更を申請し、どの権限を使い、その後ネットワークで何が起きたかを知るには別の記録が要る。差分表示は優秀な校正者だが、証人席には座れない。

実務では、オブジェクトの正確なキー、比べた版、UTC時刻、最初に見える版の日付を一緒に残そう。争点が再作成前や伏せられた属性に及ぶなら、その空白も記録する。見える変更だけを保存すると、いちばん大事な余白が失われる。