要約

  • RIPE NCCは10月19日、RIPE DatabaseサイトのResourcesページに資源ツリーとチェック機能を導入した。LIR PortalのAssisted Registry Checkへの組み込みは今後の予定だ。
  • 「確認済みで問題なし」「要確認」「未確認」は別の状態。完全一致するroute objectが見つからないだけで、構成ミスとは限らない。

親は緑。子は調べたのか

10月19日、RIPE NCCのEdward ShryaneはDatabase Working Groupに、RIPE DatabaseサイトのResourcesページを公開したと伝えた。平らな表は資源ツリーに替わり、チェック機能も加わった。LIR PortalのAssisted Registry Checkにも機能を広げるというが、それは別の段階だ。今回の公開場所を取り違えると、導入済みの範囲まで読み違える。

21日に公表された設計説明は、そのツリーが抱える厄介な宿題を示す。親の状態が良好でも、子のチェックが済んでいるとは限らない。大きな階層ではAPI呼び出しが膨らみ、未点検の枝が残りうる。親の緑を子の合格証に流用する表示は、進捗ではなく楽観の貸し出しだ。

設計チームは、登録情報、利用状況、RIPE Database object、経路情報を横のパネルにまとめると説明している。記録を並べるだけでなく、メンバーが次に見るべき場所を示す。その便利さは、何を実際に確認したかという表示の精度にかかっている。

便利になる一方で、画面の断定が根拠を追い越すことがある。RIPE NCCによると、大きな親子階層をすべて点検するとAPI呼び出しが多くなり、未確認の子が残る場合もある。チームは、それを「全部問題なし」と誤読させない見せ方を検討している。

状態は三つに分けるべきだ。確認済みでクリア、確認済みで要レビュー、未確認。「不明」は障害ではないが、画面に出すべき情報である。表示を隠せば、未実施の検査に合格印を押すことになる。

チェックが拾うもの、拾わないもの

公表されたチェック例は具体的だ。公告されているのに利用状況が登録されていないIPv6 allocation、想定サイズより小さいIPv6 assignment、登録済みassignmentが公告されていないallocation、BGP routing tableから見えないASN、追加のassignment登録が必要かもしれない使用中のアドレス空間。

だが、これらは同じ種類の証拠ではない。登録の不足は記録を確認するきっかけになる。ASNがrouting tableで見えないことは、まず観測範囲についての事実だ。route objectがresourceと完全一致しない理由には、より具体的なprefix、covering prefix、別の意図的な構成がある。RIPE NCC自身、完全一致がないだけで警告すると誤解を招くと説明している。そこで、確定した問題と情報提示を分ける設計にした。

ネットワーク運用では、警告一つが誰かの午後を使う。形の違いを全部「問題」と呼べば、担当者は警告を読み飛ばす。反対に、検査していないものへ緑を付ければ、空のチェック欄が信用を得る。どちらも画面の都合を現場に請求している。

My Resources APIの公開文書には、ASN、IPv4/IPv6のallocationとassignment、legacy IPv4などのデータセットが記載されている。レコードにはstatus、登録日、関連するRIPE Database objectへのリンクなどが含まれる。画面は、そのデータを比較して意味を添える。利用者に必要なのは、何と何を比較し、何を見つけ、次に誰が何をするのかだ。公開された導入通知には、個々のチェックの本番稼働一覧は載っていない。

「要確認」は小さな権限である

「要確認」は状況判断を残す。「問題」と表示すれば判定したように聞こえる。「完全一致なし」はシステムが見た範囲を説明するだけで、経路設計全体を見通したふりをしない。

再設計案は、対応が必要なレビュー項目と解釈が要る情報を分ける。通知には、検出内容、理由、想定される対応を添える。関連するroute objectを階層表示し、resourceとorigin ASNの関係も追えるようにする。RIPE NCCはRIPE 93で、利用者がツリーをたどり、確認箇所と自動チェックを理解し、既存のRegistry Checkへ迷わず移れるかをテストする予定だ。

このテスト結果が次の判断材料になる。公開記録にはRIPE 93の利用者テスト結果も、production環境の点検カバレッジ報告もまだない。日付入りのテスト結果と、資源ごとの確認状態の定義が公開されれば、評価を更新できる。

空欄を空欄のまま見せる

資源ポータルは登録情報を映すだけの窓ではない。何を上に並べ、どこに警告を付け、次に何を促すかで、会員とスタッフの注意を配分する。だからこそ、珍しい構成をすべて登録局の裁定に変えてはいけない。

Lu Hengの登録継続性に関するノートは、正確な記録とサービスを守ること、機関の権限をどこまで認めるかを分けている。この区別は画面設計にも使える。ポータルは更新が必要な登録を見つけられる。完全一致する経路オブジェクトがないことを、規則違反と決める必要はない。

すべての資源に、何をいつチェックしたか、何が見つかったか、状態がクリア・要確認・未確認のどれかを表示する。大きなツリーなら、点検の進み具合を枝ごとに出す。システムがまだ届いていない子には空欄を置く。親の青信号を借りてこない。

出典:RIPE NCCの導入通知; RIPE NCC会員向け10月更新; RIPE Labs: Redesigning My Resources; RIPE NCC My Resources API; RIPE NCC Assisted Registry Check。