Summary

  • ARINの現行ポリシー第3.7節は、詳細再割り当てまたは再配分の受領組織について、ARINのデータベースに既に存在し、確認済みのPoint of Contactを少なくとも一つ持つことを要求する。該当する連絡先がなければ申請を拒否する。簡易再割り当ては組織・連絡先オブジェクトと結び付かない。
  • 資源記録の管理案内によると、簡易記録の顧客名は審査されない自由記入欄で、直接の登録者が変更・削除できる。詳細記録と再配分には組織IDとサービス契約が必要で、顧客に異なる管理機能が与えられる。
  • ARINの不受理通知のひな型は、顧客に連絡先の確認を求め、その後に上位事業者へ再提出を依頼するよう指示する。通知は登録申請の失敗を示し、通信量の測定値は含まない。

ARINの管理案内は、簡易再割り当てに書く顧客名を「free text」と明記する。直接の資源登録者が名前を入力し、ARINはその名前を検証しない。記録は、割り当て済みアドレスの一部を誰が利用するか示せる。一方、顧客はその再割り当てを自分で管理できない。直接の登録者はいつでも記録を変更・削除できる。顧客の名は台帳に載るが、ペンは上位事業者が握っている。

詳細再割り当てでは顧客の立場が変わる。顧客にはOrganization Identifier、つまりOrg IDと、ARINとのRegistration Services Agreementが必要だ。登録後はARIN Onlineで連絡先を追加し、受け取ったアドレスを管理できる。

上位・下位の双方がインターネット経路登録簿のオブジェクトや逆引きDNSを扱える。ただし上位の直接登録者には再割り当てを取り戻す権限が残る。顧客は実際の操作権を得るが、その記録の土台には上位の回収権がある。

再配分は、受け取ったアドレスをさらに自社の顧客へ分ける事業者のための形だ。これもOrg IDと契約が前提で、受領者は下位の再割り当て・再配分記録を作れる。上位が再配分を取り戻せる点もARINは明記する。

三つの形は段階を作る。上位が顧客名だけを記す。顧客が自分の記録を管理する。顧客がさらに下位の利用者を登録する。権限が増えるたびに、登録される組織の身元も重くなる。

番号資源ポリシーマニュアル第3.7節はこの段差を審査の入口に置いた。詳細再割り当てや再配分の受領組織はARINのデータベースに既に存在し、確認済みPOCを最低一つ持たなければならない。なければARINは申請を拒否する。同節は簡易再割り当てには組織やPOCの関連付けがないとも述べる。どちらの記録も顧客によるアドレス使用を示し得るが、登録システムで誰が操作できるかは別物だ。

詳細記録を必要とする理由は技術的だ。再割り当て報告の案内は、顧客が独自の逆引きDNS委任を管理したい場合や、独立した連絡先を表示したい場合に詳細再割り当てを使うと説明する。顧客自身がアドレスをさらに分けるなら再配分だ。簡易記録で申請の手間を省いても、顧客が必要とした機能は上位の管理下に残る。

ARINは失敗時の文面まで公開している。状態通知のひな型には、下位のOrg IDに確認済みPOCがなく、再割り当てを処理できなかったとある。顧客宛ての通知はARIN Onlineで連絡先を確認し、その後に上位へ連絡するよう求める。上位宛ての通知は顧客に確認を促し、確認後に申請をやり直すよう求める。申請を起こすのは上位、連絡先を直すのは下位、再提出は上位。この往復が登録の条件になる。

連絡先の確認にも別の時計がある。第3.6節では対象POCへ年一回のメールを送り、Whois情報の確認・訂正に最長60日を与える。ARIN職員は慎重な分析によって、連絡先が完全かつ恒久的に放棄されたか、別の理由で不正当と判断した場合に無効と記す。60日の経過だけで自動的に無効になるという規定ではない。無効なPOCはARIN Onlineで支払いと連絡先更新しかできず、有効なPOCが一人もいない組織は、管理担当または技術担当が確認・修正するまで他の機能を使えない。

上位事業者が勝手に下位の組織IDを作ることもできない。第3.8節では、ARINが確認できる主体の権限ある代表から直接依頼があった場合に組織記録を作り、第三者からの作成依頼は認めない。架空の受領者を防ぐ線引きだ。

同時に、実在する顧客が自分の登録上の身元を整える必要がある。契約書に顧客の運用権を書き込んでも、レジストリでその権限を使う入口は顧客自身の手続きにかかっている。

調べた公式文書には、連絡先不備で特定顧客が何日待ったかを示す日付付き案件がない。拒否通知と再提出の日時が揃えば、その一件の遅延を測れる。

現行の規則が示す構図は明確だ。上位が記録を握る限り顧客名は自由記入でよい。顧客にも記録を動かす役割を与えるなら、ARINは組織と応答済みの連絡先を求める。