要約
- ARINの現行の2026年コミュニティ助成実績ページは、応募18件、採択2件とする。8月18日の理事会議事録案では選考委員会が10件から2件を選び、理事会は助成案を10対0で承認したと記載されている。議事録はまだ案のままだ。
- ARINの規則は、委員会が適格な応募を審査し、その後に理事会が最終選定すると定める。しかし、公開された二つの数字が別々の段階を数えるのかは説明していない。したがって、比較可能な採択率も、どちらかの数字に訂正が必要かどうかも、現状では判断できない。
分析
公開された二つの数、欠けている定義
ARINの2026年受給者ページには、助成への応募が18件、選ばれた案件が2件とある。申請総額は32万6,080米ドル、交付額は3万7,350米ドル。採択された二つのプロジェクト名と概要も掲載済みだ。
ところが、8月18日の理事会議事録案は応募母数を別の形で示している。「コミュニティ助成プログラムの更新」の項目で、選考委員会が10件のうち2件を選んだと説明する。同じ段落は、提出された全応募のうち助成対象となったのはこの2件だけだったと述べる。理事会は推薦された助成を、記名投票で10対0で承認した。
一致しているのは助成が2件という点で、分母は一致しない。受給者ページの18件と議事録案の10件を、同じ応募群だと無言のうちにみなすべきではない。また、10件が18件のうちの「完全な」「適格な」「審査済み」「採点対象」といった部分集合だと示す根拠もない。
制度上、応募が段階を経ること自体は不自然ではない。ARINの規則では、選考委員会が適格な応募を審査し、書面で推薦し、理事会が最終決定を行う。ただし、公開ページの「応募」という項目がどの段階を数えるかは規則に書かれていない。議事録案は一方で、委員会が10件から選んだとする。提出件数と後段の審査対象数を示している可能性も、二つのページが別の集計基準を使っている可能性も、どちらかの数字が古い可能性もある。いずれも確認された説明ではない。
応募件数は単なる背景の数字ではない。助成の機会規模を示し、採択率の分母として使われる。2件を10件で割れば20%、18件で割れば約11%だ。しかし、分子と分母が同じ選考段階、同じ応募群を指すと分からない以上、どちらも確かな採択率ではない。注記なしに公表すれば、未解決の記録差を精密な統計に見せてしまう。
その差を助成の妥当性に関する主張へ広げるべきでもない。受給者ページは2つのプロジェクトと金額を示し、規則は地域への利益、到達範囲、影響、予算、実現可能性などを評価項目にしている。分母の食い違いだけでは、選定が不適切だったとも、ほかの応募が適格だったとも、委員会や理事会が基準を外れたとも言えない。議事録は承認前の案であり、その状態も引用の際に明示する必要がある。
ARINは応募に関する連絡と審議を機密扱いにすると説明している。それでも、提案書や不採択者の名前、審査中の会話を公開せずに、集計値を説明することはできる。必要なのは、二つの数字がそれぞれどの段階を数えているか、2026年の応募総数を示す際にどの値を使うべきかという限定的な説明だ。段階が異なるなら表示名を補えばよい。片方が誤りなら、日付を付けた訂正で履歴を残せる。
次に必要なのは、数字から採択率を再構成することではなく、既存の集計に分母の定義を加えることだ。それまでは、受給者ページが18、議事録案が10、両方が採択2件と記しているものの、二つの値は照合されていない、という範囲を超えないのが妥当だ。
出典
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