要約

  • prop-173はWHOIS、RDAP、ウェブ検索、同等のAPIに、独立した版管理付き利用方針を設ける提案だ。現在はメーリングリストでの提案段階で、採択済み規則ではない。
  • 妥当性は、利用前の通知、ネットワーク運用に即した許容範囲、理解可能な制限、誤ブロックを見直す手続きにかかる。

IPアドレスの照会は、プレフィックスの運用者を確かめ、ルーティング連絡先を探し、不正利用を調べ、逆引きDNSを直す日常業務かもしれない。一方、応答を監視システムにコピーし、長期間保存し、別のデータと結合したり、情報付加サービスとして販売したりもできる。目的も影響も異なる行為が、画面上では一回の検索として並んでしまう。

Jonathan Brewerのprop-173は、この曖昧さに線を引こうとする。提案の問題提起によれば、APNICの現行の利用合意はWhoisデータの一括アクセス向けで、通常の個別検索に適用される規則を明確にしていない。WHOIS、RDAP、ウェブ検索、同等APIに別個の公開・版管理方針を設ける案だ。APNICのページでは、現在の状態はメーリングリストに掲載とされ、合意形成済みとは記されていない。

通常検索と一括取得は別のサービスである。現行の一括アクセス合意は、データベース全体の取得を定められた運用目的に限り、複製や再配布を制約する。prop-173は通常検索に別条件を置く一方、それだけでミラーや代替データベースを作る権利が生まれるわけではないとする。ネットワーク事業者は障害を調査できるが、そのことがデータ仲介業者にも同じ権利を暗黙に与えるわけではない。

提案は著作権表示だけにとどまらない。ルーティング調整、資源保有者の特定、技術研究、セキュリティ事故対応などの許容用途と、広告リスト、地理的プロファイル、データ製品としての再販、体系的な収集などの禁止用途を例示する。短期キャッシュ、照会速度・並列数の制限、WHOIS/RDAP応答内の通知、安定した規則URL、版履歴、重要変更の事前通知、誤って制限されたと考える利用者の再審査も求めている。

いずれも提案された選択肢であり、現行APNIC規則ではない。提案は、商用ネットワーク運用者やセキュリティ事業者による運用上の照会が、商用組織によるものというだけで不適切にはならないとする。鍵は、ネットワークの運用・保護のための利用か、データを独立した商品に変えることかだ。この区別がなければ、一般的な商用利用禁止は相互接続を支えるサービスまで対象にしかねない。抽出や再販に歯止めがなければ、運用記録が異議申立ての難しい商業プロファイルの源になる。

制御点はデータベースだけにない。データベースが記録を持ち、サービスが応答を渡し、利用者が次の用途を決める。明確な条件は三つの段階を記述し、執行判断を利用者に見えるものにする必要がある。通知が検索後にしか出ない、インターフェースごとに違う、改訂履歴のない文書へリンクする、といった設計では、何に同意したかを確かめにくい。自動制限が誤って研究者や不正対処チームを止めても、再審査の手段がなければ、きっかけとなった事象が終わった後も影響が残る。

提案は他のレジストリから紹介されたデータも分けて扱う。APNICが権威を持つ記録にはAPNICの条件を適用し、他所が権威を持つデータにはその提供元の条件を残す案だ。この境界を実装するには、どの規則が各結果に適用されるか分かるだけの出所情報を保持しなければならない。

したがってprop-173が問うのは、データベースの権利者だけではない。日常の検索条件を利用前に読めるか、各プロトコルで一貫して適用できるか、運用分類の誤りを再審査できるかである。提案は議論中で、採択、最終文面、実装方式はいずれも未定だ。

出典

以下のHeng Luのノートは参加と権限を考える分析枠組みであり、APNICに関する証拠ではない。